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スタッフが楽しそうに働いていることが絶対に、お客様に伝わる。THE BOLY OSAKAの大阪らしいホテルとは?

「拡張するリファラル採用」という企画を始めます。メディアの求人ページでもなく、純粋なリファラル=紹介 でもない。私が宿泊施設の人にインタビューを行い、その記事を読んで求人に応募した人は求人サイトからの応募とはまた違った採用結果につながるのでは?という考えから始めてみます。

実は以前、この記事でスタッフを募集したところ合計15名もの、本当に素晴らしい方々が応募をしてくださりました。この時に、宿泊業界やその他周辺業界の方へ求人メディアとは違った側面からアプローチができているのではないかと感じていました。

少し経ってから『THE BOLY OSAKA』支配人の間宮さんからステルスでメンションをいただき、結果的にこの企画に結びつきました。

改めて、第一弾は大阪の北浜にある『THE BOLY OSAKA』という14室のホテルです。運営会社は株式会社インフィクス。代表取締役の間宮吉彦さんは大阪を拠点に30年以上も全国の様々な飲食店やアパレルショップ、商業施設のインテリアから建築まで空間デザインをトータルに手掛けてきました。今までの数多くのプロジェクトは読み応えたっぷりの書籍としてまとめられているほどの実績です。

関西出身の私は知らず知らずの間にインフィクスがデザインしたお店に触れてきました。梅田茶屋町にあるマクドナルドも実はそうなのですが、全ての関西キッズたちがお世話になったのでは?と思うほどです。(超ローカルトーク)

そんな会社が2019年にホテルを開業しました。どのような経緯でホテルを作り、何を考え、どういった価値観で運営しているのか。今回は運営の中心メンバーである、間宮尊さん、大沢隆之さん、山下花波さんに話をお伺いしました。現在は正社員のフロントスタッフを募集されているTHE BOLY OSAKA。この記事が新たな出会いに繋がりますように。

見晴らしの良いTHE BOLY OSAKAのルーフトップ

デザインに関する考え

——デザインに関してデザイナーの髙田唯さんがロゴから一貫して携わられていますがどういった経緯でしょうか?

間宮:まず初めにBOLYは、北浜というこの土地が良くて、ここでホテルをやりたいという想いがありました。この街がどういう所かというと、大阪らしい街なんです。上方文化発祥の地だったり、中央公会堂とか東洋陶磁美術館があったり。大阪は水の都と言われているのですが、北浜がその中心地です。

ホテルのロビーからは中央公会堂も眺められる

以前から大阪らしいホテルってないなと思っていて、僕が東京に住んでいた頃から「今度大阪行くけど、どっか面白いホテルない?」と聞かれた時は回答に困っていました。

良いホテルはあるけど、それは大阪らしくて、大阪の人が自慢できるホテルなのかと…胸を張って答えられないのが悔しいし、寂しかったんです。

大阪以外の人に対しても誇れるようなホテルを作りたかった。でもそれは「たこ焼きルームがあります」みたいなメディアに出てくるような大阪らしさじゃなくて、北浜らしい空間を作ろう。運営もそういうふうにやっていこうと。じゃあロゴはめっちゃ大事やなと最初は悩みました。

北浜周辺の風景

もともと僕は広告制作の仕事をしていたので伝わりやすさも大切にしたかった。初めは大阪の良いもんを集めたホテルにしようと思って、大阪出身の有名な大御所ロゴデザイナーの方に依頼しようとも思いましたが、僕らの世代の感覚で作りたかったんです。そんな時にTwitterで見つけたのが髙田唯さんでした。

よく考えると、大阪の人間にこだわっていること自体がおもんないなと。大阪って、あんまり特産品とかないんですよ。お好み焼きはソウルフードですけど、中に入っている具材は北海道のものやったりする。

お好み焼きという器が大阪で、そこからいろんなものを取り入れてくることが大阪のカルチャーなんじゃないか?と思うようになりました。

——実際に髙田さんに依頼されていかがでしたか?

間宮:このデザインはこうするしかないよな思っていても全然違うものが出てくる。想像の範疇を超えてくるのがめちゃくちゃ面白いです。

とあるホテルに泊まったとき、館内のアイテム全てにロゴを貼っただけでオリジナルアイテムとしているのが個人的に違和感がありました。なんかそれはデザインをしていないというか…だからうちのホテルは可変性のあるロゴにしたいとお願いしました。

ホテルで星をモチーフにすることもある種、挑戦的ですがその星も縦に歪んでいたり、横に歪んでいるものもあります。色も変更できるようになっているのでロゴはいろんな使い方をしています。

可変性のあるロゴが館内・客室内の様々な箇所で発見できる

BOLYの体現したいサービス

——空間やグラフィックなどデザインに強いこだわりを感じますが途中から入社した山下さんはサービスの面で大変な部分はありましたか?

山下:大変さは正直そんなに体感しませんでした。そもそも「BOLYって面白そうだな」から始まって。間宮は中学校の先輩でもあるので、性格というかキャラクターみたいなものも知っていました。

私は大阪にあるテーマパークでコンシェルジュリーダーとして働いていましたが、BOLYという一緒の船に乗れたら、もっと面白くなれるんじゃないかという気持ちがありました。

フロントマネージャーの山下さん

BOLYが今まで作り上げてきたものもあるけれど、サービス面での課題があるということを会社としても理解していました。そこをガサッと任せたい、全面的に好きにしてほしいと言っていただきました。

BOLYの良さをどのようにサービスに落とし込んだらお客様に伝わるかなとか、どう体現すればいいかというマインドでずっとやってきましたね。

——BOLYが体現したいことはさまざまな要素がありそうですが、山下さんはどのようなことを体現されたいのでしょうか?

山下:一言でまとめると”かっこいい大阪”です。すごくステレオタイプな大阪人がスタッフをやっているではなくて、愛嬌もあるしちょっとお節介だったり、向こうから話しかけてくるというのは基盤としてありつつも「まいど!」みたいなことは別に言ったりしない。”かっこいい大阪”を体現するのがBOLYらしさだと思っています。

間宮:シュッとしてますよね僕ら。

——シュッとしてますね…確かに

間宮:結構それは大事にしたいなと思っています。

山下:そう、この空間に呑まれないようにしてほしいとスタッフには言っています。BOLYはフロントも含めてホテルらしくない部分もあるので、スタッフはこの空間を、インテリア含めて熟知して、自分の空間にお客様を招き入れつつ、自信を持ってその場にいれるようにしましょうと。

インフィクスのオフィスでも使用していたフロントデスク

採用に関する考え方

——どのような要素があればBOLYの空間にフィットしますか?

山下:スタッフに伝えているのは大きく二つあります。BOLYは決して安いホテルではない。王道の部分もちゃんと大切にしてきたくて、尖ったホテルになりたいわけではありません。

ホテルマンとしての所作だったり、言葉遣い、言葉選びのところはきちんと全員がベースとして持っている。ただ、それだけだと好奇心旺盛なBOLYのお客様からすると、期待外れというか普通のホテルなんだと、終わってしまう。愛嬌とか人懐っこさやパーソナルな部分がちょっと乗っかって、感情が素直に出てくるのが理想です。

その二つのバランスがうまく表現できて、ちゃんと品格があるのがBOLYにフィットする人だと思います。

客室のインテリア

もちろん完璧な人が来てくれれば良いですけど、どちらかというと後者の愛嬌の部分が面接の時点で素直に見える人を採用しています。

素直で嘘がなくて、会話のキャッチボールのリズムが良くて、お客様の雑談だったり、ちょっとしたコミュニケーションの部分まで想像できる。この人は愛されそうだなと思ったら入社していただいています。

——逆に合わなさそうな人の特徴はありますか?

間宮:あります。それでいくと第一は声が小さい方です。

大沢:野球部…!

PR・システム関連を担当されている大沢さん

間宮:ホテルはお客様に重要なことをちゃんと伝えないといけないので、大きい声で話せるかどうかという点はよく見ています。

あと、さっき山下さんが言ったように、雰囲気に呑まれる人。特にワンオペの時間もあるわけで、チェックインを担当した人は、もうここのホテルの代表なんですよ。その人が自信が無さそうだったり、まるで”私は外部の人なので”みたいになったら、お客様からしたらすごく損した気分になる。

例えば、重厚感あるホテルでフロントの人が背中が丸まっててぽつんと立っていたらちょっと嫌じゃないですか。BOLYはオフィスっぽい空間なのでピシッとしていてほしい。カフェとかだとふんわりしている方がいい場合もありますけど。

ロビーにも名作家具含め、様々なインテリアが並ぶ

——あの、大阪出身じゃない人は働いていますか?

間宮:大阪出身じゃない人も働いていますよ。どこ出身でもBOLYの価値観に合う人であれば問題はないです。大阪ネイティブの人間しか入れないのは視野がめちゃくちゃ狭いホテルじゃないですか。

大沢:スタッフはそれぞれ好みも違いますしね。全員がBOLYっぽいものを好きかといったら別にそうじゃない。そういうところがうちの強みだと思います。

最初はそれこそ、デザインが好きなメンバーが多かったり、オフィスでも映画の話などしていました。今はアイドルの話やお笑いの話などなんでもありです。

間宮:この2年で価値観が広がってきました。やってて楽しい方に向かっていったというか。

——そっちの方が楽しかったということですね。

間宮:スタッフが楽しそうに働いていることが結果、お客様に伝わると思っています。ギスギスして、「大阪の次のカルチャーはこうしていかなあかん」みたいなことずっとバックオフィスで話していたらしんどいでしょ。

結局、カルチャーがどうとかも大切だけど、お客様を楽しませるのが一番大事。スタッフの関係性の良さも100%お客様に伝わると思うので、そこから外れるようなことがあるんだったら、そんなことはしなくてもいいです。

仲良くて、自分の好きなものを好きと言える環境が大事なことやと思っています。それぞれ、趣味や思向は違うけど、相手の好きなことも尊重できる風土ができてきたのはいいと思うし、その輪を広げていきたいです。

支配人で企画・デザインも行う間宮さん

山下:趣味とオペレーションでも同じだと思うんですけど、持ちつ持たれつを意識しています。例えば、「いついつライブに絶対行きたいから休みをください」「いいよ、じゃあ私はこの日を空けたいから日勤よろしくね」みたいなこともそうですし、オペレーションでも人間なので絶対にミスや抜け漏れはあります。

その際に、相手を責めるのではなく自分もどこかで人知れずカバーしてもらってるだろうなと想像したり、お互いフォローしあえる関係性がいいなと。

レストラン運営の魅力と課題

——2022年からレストランの運営も始められましたがどのような経緯があったのでしょうか?

自社で運営しているレストラン『TOSA』

間宮:ホテルがオープンした時はテナントが入っていたのですが、3年後に退店することが決まっていました。

なのでそのタイミングでレストランをしようと1年目から考えていました。レストランがオープンするまでは朝食を別のカフェで外注していたんですけど、朝食って宿泊においては接客する最後の部分で大事じゃないですか。

そこを良くも悪くも他社に委ねるというのはもったいないと思っていたので、朝食会場としてまずやりたいなと。朝食とカフェだけじゃなくて夜のディナーもやりたい気持ちがあったので朝昼夜全部を自分たちで運営することになりました。

大沢:最初、社長の間宮が「テラスで寿司とワインや〜」と言い出して、スタッフが「普通の寿司よりカリフォルニアロールが良い」と言って最後行き着いたのが寿司バーだったという。

ホテルの朝食提供からレストランのディナー営業までしている

間宮:この4年間ホテルをやっていて海外から、特にヨーロッパのお客様が多かったんですけど、1週間泊まられる方が7日間分の夕食リストを渡してきて「予約して」ということがありまして、それが全部、寿司屋だったんです。

しかも結構良いお店。それで思ったのが、高級店と安いお店の中間があんまりないことに気づきました。

寿司居酒屋ってデートであんまり使えないじゃないですか。でもデートで使うってなったら単価1万5000円くらいとか。それで中間だと寿司ロールええやんとなりました。

日本生まれ、アメリカ育ち、それがまた帰ってきてやるっていうのが面白いなと。逆輸入感ですよね。アメリカ、ドイツ、ロシア、カナダなど寿司ロールのレストランはめっちゃ多いんですよ。握りより寿司ロールの方が有名で食べ慣れているんですよね。

そういう人たちが日本にきて本場の寿司ロールを食べるというのが面白いというか、意味が分からへんなと。

——レストランを始めて何か変化はありましたか?

間宮:お客様に対する変化は、BOLYらしい飲食を提供できたことで、全体の記憶というか、僕らが見せたい”かっこいい大阪”を見せられるようになったのが一番嬉しいことですね。

ご飯もちょっと創作性があって、この景色を楽しめて…実はこのホテルのある通りはカフェばっかりなんですよ。夜のこの景色が一番かっこいいので、それを伝えることができたのが良かったです。

『TOSA』テラス席からの夜景

これはここからの課題なんですけど、やっぱりレストランとホテルって全然働き方が違うし、思考回路もスタッフへの指示の出し方も違います。この1年間、とにかく、それに苦戦しました。

理想は、レストランもBOLYも同じくらいの接客のレベルにしたい。もちろん手法として違いはあっていいと思っています。レストランの方がテンション高いみたいな。

ただ締めるところは締めるという感じに最終的には作り込んでいきたいです。最初はホテルとレストランでスタッフを分けていたんですけど、最近はいい具合に、ホテルの人がレストランに入って、レストランの人がホテルに入るという循環ができてきました。

そうすることで、山下さんの教育を受けたホテルスタッフがレストランに入ってレストラン全体のサービスが良くなるという流れになりました。ホテルとレストランの両方に入れる人をもっと増やしていきたいです。

その結果、BOLYらしい接客が全体随所に行き渡るんじゃないかなと思っています。

インタビューを終えて

オリジナルコースターの裏面にはゲストへのメッセージ

THE BOLY OSAKAは”かっこいい大阪”という言葉に集約されています。スタッフの方々も皆さん、間宮さんが言うようにシュッとしてるし、どこか愛嬌がある。先日、BOLYの荷物タグについてツイートしたところ、1.5万以上のいいねがつきました。

多くの方が良い印象を持ってくださっているこのクリエイティブなアイデアを実行すること自体が、ホテルの魅力を物語っています。実際に滞在してみると、さまざまな箇所でゲストを楽しませる工夫を発見することができます。

デザインや企画、全体の方向性を示す支配人の間宮さんがいて、PR・システム関連を中心に会社全体をバックアップする大沢さんがいる。そこに大阪随一のテーマパークでコンシェルジュリーダーされていた山下さんが加わり、THE BOLY OSAKAのサービスは大きく変化しました。

基礎が固まった今だからこそ、躍進するための人材が必要です。ホテル未経験でも、大阪出身でなくてもBOLYの”かっこいい大阪”を一緒につくっていきたいと感じた方はぜひ、以下のリンクから応募してみてください。

田中幹人


【 フロントスタッフ正社員募集 】
詳細は下記Webサイトをご確認ください。

【 インタビュー・執筆 】田中幹人
【 編集 】水谷藍


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