私は旦那に「ヤバい」という言葉を使ったことがない。
友人と話していて、ふと気がついてびっくりしたことがあったんだけど、
私は旦那に、「ヤバい」という言葉を一度も使ったことがない。出会って4年、ただの一度も。
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私にはオーストラリア人の旦那がいるんだけど、この前友人と話していて「普段はどうやって会話してるの?」という話になったときに、
私「旦那の日本語は初級レベルだけど私はずーっと日本語で話してるよ〜」
友人「えっ、そんなことが可能なの??伝わらない時は??」
私「日本語教師だから語彙コントロールや言葉選びは得意だし、旦那がわかる言葉を選んで話してるよ〜」
友人「そうなんだ…じゃあ”ヤバい”ときは?”ヤバい”って言うの?」
私「…えっ…私旦那に”ヤバい”って言葉を今まで一度も使ったことがない…!!!友達といるときはこんなにナチュラルに使ってるのに…!!!旦那と話す時には全く無意識で使っていなかった…!!!!」
という発見をして自分でもすごく驚いた。
別に無理をして”ヤバい”という言葉を封じ込めていたわけではなくて、旦那と話すときはすごく無意識に、ナチュラルに、”ヤバい”っていう言葉を選択していなかった。
”ヤバい”ってすごくいろんな意味で使えて便利だから、友人と話したりするときはすごく多用してたけど、意味が多すぎるうえに、文脈や文化的価値観とか言語感が共有されていない相手に使うのはものすごくハードルが高くて、
私は無意識に、でもちゃんと、”ヤバい”に変わる言葉を見つけて旦那に伝えていたんだなと自分で感心した。それも、(気づかないほどには)何の苦もなく。
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そういう点でいうと、旦那も私に、いわゆるバリバリの”ネイティブスラング”みたいなのを使っていないのだと思う。
先日、ふと旦那が友達に携帯でメッセージをしているのが見えたのだけど、そこには、
”fucking hell!” "shit man" "fuck yeah!" "sos m8" みたいな、私には送ってきたことがないようなメッセージが飛び交っていて、
きっと旦那も、無意識に、私にはこういう言葉を使っていないんじゃないかなあとふと思った。それも、(きっと)何の苦もなく。
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私たち夫婦は、(今のところ)国際結婚でよくある言語問題を悠々と乗り越えてきているほうのカップルだと思うのだけど、
その理由に、私たちはお互いが、英語か日本語かの2択じゃなくて、それができないことを認めて、それでも伝わる私たち夫婦の言語を、無意識にナチュラルに、大して苦を感じることもなく模索してこれたからじゃないかなと思う。
私は出会った頃から日本語で、旦那はほとんど英語、たまにちょこっと日本語、っていう自由な形を貫いていて、
最近は、第三者からは何言ってるのかわからないような、日本語と英語がミックスした言葉を使っていて、
私は、「英語で話さなきゃいけない」とか「ずっと英語で疲れるなあ」っていうストレスを感じたことがないし、「日本語がやっぱり伝わらない…」と落ち込んだこともない。
私たち夫婦のコミュニケーションの歴史は、どちらかの言語を使いこなすことじゃなくて、お互いが心地よく、だけど相手に伝わる言語を少しずつ形作っていった過程だったな、と思う。
私は家でも英語を話さなきゃいけなくなるとストレスになるから話さないし、だからといって旦那に日本語が完璧に分かるように練習してほしいとも思っていなくて、
そんな中で「どうやったら一番伝わるかなあ」「伝わる最大限を目指そう」「これはきっと英語か日本語どちらかじゃないと伝えられないから、今は伝えるのはやめておこう」
とか思いながら、英語でも日本語でもない夫婦の言語を作ることで、国際結婚の言語問題はさほど問題としてすらあがってこなかったなあと思う。
無意識だったけど、そんな4年間だったなあと思ったよ!
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