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No.214 戯れごと(3)「金蘭手の皿と皿立て・ステンドグラスのパネル」さん、ようこそ我が家へ・その1

No.214 戯れごと(3)「金蘭手の皿と皿立て・ステンドグラスのパネル」さん、ようこそ我が家へ・その1

「戯れごと」シリーズの常として、話があちらこちらへと行きそうだ。noteでは「文章修行」のつもりで記事を書いているので、記事の途中には写真は挟まないようにしてきた。今回はその禁を破ることにもなる。「イングマール・ベルイマンその3」「Bob Dylanのエピソード」「僕の本棚より」「コッツウォルズへの旅」など、書きかけになっている記事も20いくつかあるのだが「戯れごと(3)」が先になった。まあ、それも一興か。

今年の2月27日(日)浜松町にある都立産業貿易センターで開催された「ミニチュア・ドールハウス作家展」に足を運んだ。可愛らしいものが好きなのだ。いつも興味深い記事を提供して頂いているnoteフォロワーの「ノリノリ」さんの情報だった。(ノリノリさん、許可なく失礼します) https://note.com/miumiu_hime/n/n120a4efdeea8 「ミニチュア・クリエーター工房てると」さん https://note.com/kbteruto/n/n9fa8475643f5 (こちらも許可なく失礼します)手作りの作品群に感動して「金蘭手の皿と皿立て・ステンドグラスのパネル」2点ほど購入させて頂いた。

てるとさんの作品も僕の部屋に馴染んできた。てるとさんに送付しようと、作品が飾ってある様子を写真に撮り始めた。なんだか楽しくなり、ミニチュアの「金蘭手の皿とステンドグラスのパネル」をあちこちと移動して、写真を撮りまくった。

結果として、てるとさんの作品ばかりでなく、僕の部屋のプライバシーを晒す写真を撮ることになった。noteの自己紹介に、初めは「美樹蘭士郎」を使おうとしていたのもやめて、本名を使い個人情報も出して、友人に「これ、危なくないか?」と言われているほどである。部屋の様子もさらけ出してnoteの記事の一つにしようと決めた次第である。

連れ合いの由理くんが亡くなってから2年経っていた記憶があるので、今から11年ほど前の話になる。近所の石神井川の桜がすっかり葉桜になっていた春の朝、時計の針は9時を回っていた。高校以来の友人圭吾くんから久しぶりに、珍しく電話が入った。用件があり東京に来て時間が空いた、いわきに戻る前にランチを一緒にしないかとのお誘いだった。

「都営三田線板橋区役所前駅待ち合わせ、車で迎えに行く。こちら中板橋に来て最近できた『美味しい和食のお店』に行こう」と圭吾くんに提案した。電話を切ってすぐに米を三合研ぎ、干し始めた。美味しいお米を炊くために、乾燥に1時間、水に浸けたあと最低30分は欲しい。ギリギリだった。魚を焼く準備、ダイコンの味噌汁も作り始める・・・。3時間後、圭吾くんと僕は4階建てビルの4階にある隠れ家のようなお店(?)で、自画自賛、抜群に美味しい「焼き魚定食」を楽しんでいた。

圭吾くんは言った。「『美味しい和食の店』ってここなの?自宅じゃないか。料理は見事、プロ顔負けだな。遊び好きだよなあ。流石マジシャン、騙されたよ。奥さんが亡くなり、さぞや『ゴミ屋敷』になっていると思っていたが、なに、この綺麗さ!ダスキンにでも掃除を頼んでいるのかい?」

「自分で掃除しているよ。鮭の焼き物がメインの今日は『小料理しんくん』ここは出す料理によって『割烹小野』『すき焼き・しゃぶしゃぶ今信』ほら、看板プレートもあるだろう。『ブラッスリーSHINYA』『スイートハウスShin』などに変わり、時には『マジックバーみきらん』となるよ。友人や塾の卒業生が主なお客さんだね。圭吾くんにも後で請求書がいくぞ〜。覚悟しておけよ〜」請求額は、読者の皆さんの想像にお任せする。
(下の写真は、東急ハンズで作ってもらった。我ながら『お遊び』が好きだと思う。味はそんじょそこらのお店より美味しい自信はある。おふざけで『今半の兄弟店』と言っている)

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僕の自宅は板橋区中板橋の片隅に建つ4階建てのビルの4階である。ちなみに1階は現在仕事場の学習塾である。エレベーターは無く「健康のためにはいいですね。職住接近、通勤時間は急げば10秒ほどです」と紹介する。

ビルは、1973年(昭和48年)第一次オイルショックの前年、1972年に落成しているので、現在築50年となる。建物は大分傷んでいるが、住まいの4階は三部屋をぶち抜く大改装を1990年にしている。設計は友人の吉川徹さんの手をわずらわせた。由理くんと僕、何かと口うるさい二人の希望を根気よく聞いてくれた。遠慮のない友人(圭吾くんではありません。彼は紳士ですので)は「建物の外観や階段はボロいのに、4階だけはドアからして違う、別世界だな」と、のたまう。

家具のいくつかはイタリアで購入してきた(No.044)。2009年12月に亡くなった連れ合いの由理くんは掃除大好き人間だった。彼女の意思を継ぎ、僕も部屋を綺麗に保っている(No.131)。それに加えて、街中や旅先で気に入ったものを見ると、値段を考えずに買ってしまう浪費家の母ユウ子の血を継いでしまってもいる。

結果として、由理くん亡きあと、さらに部屋は小物に溢れてきている。週に一度は、40分ほどの時間をかけ、多くの小物を動かして掃除をしている。面倒なことも苦にならないのは、幼少時より家の手伝いなどで培われたのか、人間関係と共に掃除や炊事などにもマメな性質(たち)なのである。さあ、てるとさんに送る写真を見ていこう。全てiphone10で、昨日撮ったものである。

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ミニチュア・クリエーター工房てるとさんの作品「金蘭手の皿と皿立て・ステンドグラスのパネル」である。イタリアで購入したサイドボードsaporiti / Artorineの上に置いてみた。金蘭手の皿は五百円玉ほどの大きさ、パネルは縦4cm横5cmである。美しい。

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愛しき人よりの頂き物、薔薇のプリザードフラワーの箱には自分でシルクの布を貼ってみた。塗り物は結構いい値のもの。ちょうど光の当たっている陶器「お菓子の入ったカップ」は、目白にある椿山荘内のショップで買った。駐車券が欲しくて買った思い出がある。眼鏡と髪留めは由理くんが生前愛用していたものだ。

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サイドボード「Artrine」右扉と左扉が凹凸になっている。イタリアで見て、由理くんと二人くらっとしてしまった。家具は芸術品となり得る事をあらためて確信した。由理くんが亡くなってから生花を切らしたことはない。つい先日、長くお世話になった花屋さんがお店を畳んでしまったのは残念だ。由理くんは中高大学とクリスチャン系の学校に通った(No.085)。洗礼は受けていない。写真で由理くんに初めて接した人は「綺麗な方ですね」と言ってくれる。それに対しては「写りが良いものしか並べてないですよ。当然でしょ」と、ちょっとおちゃらける。この程度ならば由理くんも許してくれるだろう。小物の中にはオマケものや100円ショップで買ったものも多い。

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手前にあるソファもイタリアsaporiti社制作。サイドボード扉の色同様、生地は注文制作。我が家は天井が低めなので、家具は浮いているようなデザインで重さを感じさせないものを使っている。

思ったよりずっと長くなってきた。まだまだ・・・

・・・続く


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