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片付けをするときに「今」と「これから」を意識する。「これまで」の記憶や思い出は人生のスパイス程度でいい。そうやって取捨選択している。

隙間産業がやがて成長するように、持物の間にできた空間に新しいアイデアが降りてくる。そして広がっていく。

隣の人と肘がぶつかるような狭い空間ではゆったり食事ができない。それとすごく似ている。

とにかくたくさんの素材を抱え込んでいたから、単純に作業がやりにくかった。アトリエと自宅が別の場所だったので、持ち運びしやすいように小分けにしていた物をまとめて整理。大量生産しないと決めたから、使いたい分量だけ残す。

引き出しひとつひとつ。瓶や箱の中身もひとつずつ。一段落したらひらめきにまかせて手を動かしてなにかを作る。

完全に整理が終わってから、と縛りを作ると不自由だし、途中で止めたままだといつまでも放置される物が増える。そのバランスは人生そのもの。そんな気がする。

衣食住のやり方も好みも刻々と変化するのだから、それにリズムを合わせて物たちの配置やあり方も変える。

「好き」が多い人生は楽しい。でも「好き魔」度合いが過ぎると、モノゴトに囲まれて身動きが取れなくなる。たくさんの男や女をたぶらかす遊び人が詰め寄られるように家の居心地が悪くなる。

スキのある人間は魅力的。

スキマのある空間は便利で快適。

針仕事へ行ってきます。素敵な1日を。

(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2021.5.20 加筆修正転載)

Grazie 🎶