ロンバケの南ちゃん憑依現象
かなり年月が流れたけれど、初めて「ロングバケーション」をみた。日本で社会現象になった頃は、なんとなく登場人物を耳にした程度。基本的にテレビを見ないから。
日本のテレビドラマはどうしても漫画チックな雰囲気になる。一般的な日本人の普段の自己表現方法は平べったい。ひょうひょうとして淡々。アクセントや身振り手振りが少なくてぼそぼそしている。関西人は別格だけど。
当然個人差はあっても、カメラの前で大袈裟に表現するその姿が痛々しいほどに不自然な時もある。
ロンバケの登場人物達もそれぞれの役柄を強調している。役者達のなりきり度合いが高く、少女漫画チックな要素をちゃんとばらまいてる。その割合が心地よかった。
でも、もどかしかった。あー!なんでそこでやめるの!アプローチとスキンシップの積極度合いが真逆なイタリアにすっかり慣れ親しんでいるから、じれったくて仕方ない。
なんでこう言ったのか。あの行動の真意はなにか。そんなことをこねくりまわす前に好きならさっさとキスして押し倒せ!
というかキスのひとつやふたつに騒ぐのが変じゃない?と、輸血のおかげで体内で増幅したラテンの血が日本人の人格を抑え込む。
ハグやキス、名前の呼び方にいちいちときめいていたら普通の暮らしが成り立たない。
ふとした瞬間に思う。ここ数日どうやら、山口智子さんが演じるキャラクターに近いものをもともと持っていた私に南ちゃんが憑依している。お気に入りだからいいけどね。
(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2021.4.10 加筆修正転載)
Grazie 🎶