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超撥水加工のボートと預言の書

もし自分の人生の預言書が手に入ったらどうする?これから起こる出来事が文字として書かれていたら読みたい?

場面設定や登場人物が一致する訳ではないけれど、人生の変化が訪れる前に必ず手元に預言書がやってくる。

江國香織さんの小説「神様のボート」。文庫本をしばらくの間ベッド脇の家具の引き出しに入れていた。まだ離婚の気配など微塵もなかった頃、ものすごく惹かれて何度も読んだ。

静かな狂気感が漂うストーリー。登場人物がそれほど多くはないし派手な事件も起こらない。少し風変わりな母と娘の穏やかな日常。引っ越しを繰り返すことを除けば、とても落ち着いたテンポの物語。

この本を片付けて箱に入れた。暮らしの中で目につかなくなり、ストーリーから流れる空気感が全て潜在意識に送られた。

それからいろんなことが動き出した。神様のボートの世界が私の現実と混じる。

登場人物のようにタバコとチョコとコーヒーで栄養をとってる訳でもないし娘もいない。

そういう具体的な日常の装飾が同じだと言う訳ではなくて、あくまでも作品に漂う雰囲気が私の現実にものすごく似ていた。

ボート繋がりで最近目についたのは超撥水加工を施した実験。水を弾く性質を帯びたボートは加工前より格段に速く進む。

水というのは占星術で「感情」のシンボル。人間がなにかを進めるときにブレーキをかける要因は情。愛情・友情・同情などが「ほんとうにやりたい」ことに踏み出せないストッパーになりがち。

そういう意味で言えば、悟りの境地も神視点も無情。誰かになにかをやってあげたい、または誰かの為になにかをやりたくないという人間らしい感情を持たないから。

だから現実世界でも「情」に流されなければとてもすばやく行動ができる。リストラ・離婚・不合格通知・閉店などぱっとみ「よくないこと」の決断を潔くすることができる。

アドラー心理学的に言えば、リストラされた社員も別れを切り出された人も合格できなかった受験生も、その現状を受けてどうするかはその当事者の課題。

決断をした人物だけが全ての責任を負う必要がない。「〇〇された」と主張する本人もそういう現実を呼び寄せていた。

自分が発する言葉や行動、そして思考と意識が現実を創る。〇〇になったらどうしよう?とずっと考えているという行為は、その状態を呼んでいるラブコール。

嫌だ嫌だと感じなから回避する方法も試さずに我慢してるなら、それはやらされているのではなくて自分から選んでやっている。

時折やってくる預言の書は自分でも書くことができる。それがいわゆる「引き寄せノート」。なぜか処分できなかった落書きや夢記録、過去の日記、思いついた物語のメモ。そんな所にも「預言」は書かれている。

それに気づいてからは意識的に少し先の人生を書き出すことにした。書くのも読むのも気が向いたときだけ。

先日ぱらぱらとページをめくりながら、その現実化の精密さとスピードに改めて驚きを感じた。

9月17日は新月。今回は乙女座の性質を帯びている。私は太陽星座も月星座も乙女座。そして新月生まれ。

願い事を言葉にするとあっという間に叶う。そんな星のパワーを使いやすい身体を選んで生まれてきた。

新月は願いごとを書き出すのに最適な日。おもしろそうだと思ったらぜひお試しください。形式に決まりはありません。スマホのメモに単語だけ書いても大丈夫。

ただし「〇〇したい」「✕✕が欲しい」という書き方ではそれが遠のいてしまう。なぜなら「なにかを求める状態」を現実として呼んでしまうから。

あたかも全て願いが叶った感謝状のように書くのがいちばん効果的。そして執着しない。結果を待たない。

ぜひ試してみてください。

(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2020.9.16 加筆修正転載)

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