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人類の発達を参考に「正しいダイエット」を選ぼう

「運動なしで痩せる」は注目が集まるダイエット。運動嫌いな人にとっては、最高の方法にも聞こえますよね。

幼少期からスポーツをしていた私ですら「運動なしで痩せる選択肢があるなら、わざわざ運動して痩せる必要なくない?」と運動なしダイエットを選んでいたんだもの。そこまで運動好きでもない人が飛びつくのも当然です。

でもね、この類のダイエット、
実は
内容が
とんでもねえ…!

今回は「へぇ〜、運動なしでも痩せられるんだ〜」の誤解を解くべく、このダイエットの問題点と理由を解説していきます。

◆運動なしダイエットの内容

話題になるダイエットの内容を見ると、以下の2パターンがよく見受けられます。

①自己体験

根拠や仕組みはほぼ書いていなくて、主に"一般の方"が「これをやったら体重が2ヶ月で落ちました」「最初の1週間で3kg落ちました」というような自己の体験談を元に発信しているもの。ソーシャルメディアに頻出です。顔を出さないことも多かったり。

②1を100にして語る

根拠を元にしているのですが、"専門家"が100ある知識のうちの1つに焦点を当て、その1が全てかのように拡大して話を進めているもの。
これさえすれば痩せる!」「おにぎりを食べて痩せる!」とか。キャッチーなのでメディアはこの手法を好んで使います。

こうしたダイエットは、身体にとっても精神にとっても危険。短期的なメリットにばかり焦点を当てていて、長期的な身体への影響を無視しているのが大きな問題です。

詳しくは運動科学、栄養学、人類学、行動心理学といった多角的な視点から説明することができるのですが、今回は、人類の発達に絡めて「なぜ運動せずに痩せるのはマズいのか」に焦点を当てていきたいと思います!

◆人類学的に間違い〜身体の構造〜

端的に言うと、運動する習慣がないと人間の身体として成り立たなくなります。

700万年前にチンパンジーの祖先から枝分かれしたヒトは、それから何百万年の月日を超えて「動くために」進化してきました。

例えば、数万年前、私たちの先祖は「1日平均15キロ」歩いていたと言われています。長い距離を歩くために足の形は進化し、直立二足歩行をするためにお尻背中の筋肉が発達しました。サルからヒトになる過程で起きた1番大きな変化のひとつです。

歩くために踵が発達した人間の足

ヒトの身体の構造を見てみると、登ったり、走ったり、ジャンプしたり、投げたり、叩いたり、泳いだり、様々な動作ができるように、筋肉や骨が進化していったことが分かります。

四方八方に張り巡らされた背中の深層の筋肉(BioDigitalより)

自由自在に動くようにデザインされたのだから、運動不足で身体に不調が出てくるのは当然のこと。

現代人のお悩みであるお尻のたるみぽっこりお腹も、数百万年の時を超えて発達した身体が本来の目的で使われなくなったことが原因です。

それを食事だけでどうにかしようとするのは、全くの見当違い!原因を理解せずに方法論に先走り、的ハズレな方法を選んでしまっているのですー!

一時的に脂肪が減ったとしても、弱った筋肉が身体の悪い癖を作り、反り腰、猫背、肩こり、腰痛、坐骨神経痛などの長期的な問題を引き起こす原因になります。ふくらはぎや前ももがゴツくなっちゃうなど、余分な筋肉がついてしまうのも悪い癖が原因。

「運動が面倒」だけでなく、「筋肉をつけたくない」という理由も相まって運動しないという選択を取る人も多いですが、長期的に見たら得るものよりも失うものの方が大きいんです。

◆人類学的に間違い〜代謝〜

つい数百年前まで、人間の生活で1番死の危険をもたらしていたのは飢餓でした。

そこで人間は、稲作を覚え、家畜を育てることを覚え、食糧を蓄えることを学んだわけですが、それでも天候や災害や戦争が起こるたびに食糧難に見舞われて多くの命を落としてきました。

この環境下で、私たちの身体に必要だったのは「蓄える能力」

そう、私達の身体は「燃やすよりも蓄える方が得意」なように出来ているんです。

現在のように、餓死の心配がなくなり、反対に「食べ過ぎで太る」「肥満が原因で死ぬ」なんてことになったのは、たったここ数十年の話。人間の歴史から見れば一瞬で起こった出来事です。

運動の機会が減った私達が、常に食べ物に溢れた環境で生きていると、代謝の仕組みが乱れていきます。糖尿病はその1つ。

運動の機会が減ると、糖をエネルギー源とする筋肉が使われず、身体全体としても上手に糖を扱えなくなっていきます。その結果、血糖が上がりすぎてしまう病気(糖尿病)になります。

よく勘違いされているのですが、高血糖の原因は、糖質をとることではなく、身体が糖を上手に処理できないこと。

高すぎる血糖値を急いで下げようとインスリンを大放出するので、今度は血糖が急降下します。こうした急上昇・急降下を繰り返すうちに代謝のシステムがバグり始め、脂肪を蓄え始めてしまうんです。

運動なしで短期間体重だけ落ちたとしても、身体の代謝システムは乱れてしまっているので、続けていくうちに結果が出にくくなり、さらに長期的に続けると、食べてないのに脂肪を蓄え始める悪循環に入ります。

一度乱れたシステムを戻すのは大変。何ヶ月も何年もかけて直していくことになります。私が指導してる人たちも、ゆっくり食生活を改めながら代謝を戻していっています。


◆ヒトの歴史を考えることの大切さ

運動なしダイエットは、ヒトの進化まで学んで身体の構造や代謝を考える人が提唱するものではありません。

説明がつかない。
そんなんDNAに組み込まれてない。

短期間の満足のために失うものが大きすぎます。

運動なしダイエットで行き止まりを経験したこともある私ですが、このこと知ってたら最初から手を出してなかったなと思ったので紹介しました!

「食べてないのにたるんできた」「体力が落ちて疲れやすい」「メリハリのある身体になりたい」とならないように、運動なしダイエットは最初から選択肢の中から外しておきましょうね!

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