駐在帯同⇨海外大学院進学 LSE修士留学まで ③超特急出願! 書類一覧
南アフリカ駐在帯同を経て、イギリスの大学院に進学しました。
先月末から、LSEに通っています。
きょうは、出願に必要な書類と準備について振り返ります。
これは去年時点の、しかも私の専攻に限った話なので、コースが違えば準備も変わると思いますが、雰囲気が伝わればと思います。
出願スケジュール
超特急出願でした。
去年の8月半ばに南アに引っ越したのですが、進学を真剣に考え始めたのは生活が落ち着いてきた9月中旬です。
そこで初めて知ったのですが(遅い)、出願の動きが始まるのは、入学の約1年前だというのです。つまり、2024年9月の入学を目指す場合は、2023年の秋から出願がスタートします。
私が学校選びを始めたのはおそらく10月に入ってからです。LSEの存在を知ったときには、もう出願サイトがオープンしていました。
これが、私の出願スケジュールです。
10月・11月は生きた心地がしないくらい焦りながら過ごしました。
なぜ超焦ったかというと、イギリスの大学院はローリング入学制度(rolling admissions system)を採用しているとわかったからです。これは、出願書類が到着した順に審査され、次々に合格・不合格を出していき、定員になったら締め切る!という制度。つまり、早く出願しないと締め切られるリスクがある。
当時、院卒のイギリス人に聞いたところ、「出願は早ければ早いほどいい」、「遅くともクリスマス前の提出がベター」とのことでした。冬休み中に出願書類を作り、年明けに提出する人がすごく多いから!だそう。なるほど……。
いや、だからといって書類のクオリティは落とせないし、でものんびりやってもいられない。ということで、特に11月あたりは毎日すごく焦り、追い込まれながら過ごしていました。
出願書類: 成績証明/志望理由/推薦状/履歴書
なにを準備すれば出願できるの!?ですが、私の専攻の場合の出願書類はこれでした。
academic achievement 成績証明書
statement of academic purpose 志望理由書
two academic references 推薦状
CV 履歴書
出願の時点で必要なのは、私の専攻ではこれだけです。
「これだけ」というのは、日本人の大半が提出することになる「英語力の証明(IELTSなど)」は後から追って提出すれば良い場合が多い、ということです。
個別にもう少し細かくみてみます。
成績証明書: 「GPAなし」大学卒で困惑
大学の成績証明書(英文)が必要です。
私が卒業した大学は、英文の電子成績証明書をPDFでメール送付してくれました。しかも、即日発行してくれました!(1通につき500円かかりましたが……。)
海外から出願手続きをしていたため、もし郵送しか手段がなかったら、成績証明だけで何週間もかかっていたかもしれません。送料も考えると、500円で発行してもらえるならお得かも……?
しかし、困ったのは、LSEが提示する出願の成績要件がイギリス式だったことです。
・Upper second class honours degree (2:1)
とされていて、「?????」でした。
ちなみに、同等のGPAも書いてあったのですが、私が卒業した大学は、当時ABCの評価だった(いまはGPAも出しているそう)ので、GPAもありませんでした。GPAなしっ子です。
成績要件を満たしているのか予想もつかないレベルで全くわかりませんでした。他の大学院にもGPAを求められて、正直けっこう困りました。
この解決法については、後ほどお伝えします。
志望理由書: 全力の情報収集
個人的には出願書類の中でこれが一番大切だと思っています。
志望理由書で網羅しなければならない内容や字数制限については、各学校のHPにかなり詳しく書いてあります。私の進学先の場合は、Academic Motivations/Suitability/Purpose and Objectivesについて1000-1500wordsで書くように指示があります。
出願準備の中で、最も時間をかけました。圧倒的に。
もちろん机に向かって書く時間も割いたんですが、内容を詰めるためのプロセスに時間がかかっています。
自分のこれまでの経験や、何を勉強したいかについては、もう決まっていることだし、各学校ほぼ共通の内容を書けると思います。では、この出願期間で新たに取材したパーツはどこか?というと「なぜ同じ専攻がある別の学校ではなく、この学校で勉強したいか」の部分です。
一番堅い動機づけは、「この先生から学びたいから」だと思います。
教わりたい先生の研究内容や担当している授業、講演情報などをかなり調べたし、たくさん論文を読みました。オープンキャンパスの他、在校生でなくても聞ける講演や会えるチャンスがあれば積極的に参加しました。(オンラインのオープンキャンパス・講演会も多々あったので、日本からもこの方法は使えると思います!)
このあたりは、夫にもけっこう発破をかけられました。
「記者なのになんで現場行かないの?」、「質問は考えたの?なんでしないの?」など。おっしゃる通りです……。
英語だしなァ……とモジモジする時間はなかったので(いや実際はモジモジしまくったんだけど)、出たとこ勝負!当たって砕けろ!!精神でいろんな先生にお話を聞きました。
いま振り返ってみたら、色々な学校の研究者の先生たちに直接お話が聞けて、すごく貴重な期間だったと思います。
志望理由書は、学校ごとに書きわけました。それぞれ、個別具体的な先生の名前やその先生の論文、専攻で必修の授業の名前などを挙げて、自分の将来の目標達成に向けてなぜ、いかにこれらが必要なのかを書きました。そして、オープンキャンパス等で聞いてきた他の大学院ではなくこの学校でしか学べないことも必ず盛り込みました。
あと、最初から最後まで通して読んだときの首尾一貫性というか、現在・過去・未来の自分の軸が全て串刺しでストーリーになるように気をつけました。内容てんこ盛りのアソート!じゃなくて、ちゃんと章がつながるようなエピソードだけを選んで書くということです。引き算、引き算。
推薦状: 恩師にひたすら感謝
他の多くの大学院と同じように、LSEも推薦状が2通必要です。しかも、two academic references とあります。
私は学部時代、「財政学・政治経済学」、「ジャーナリズム」とふたつのゼミに所属していました。なので、それぞれのゼミの先生に推薦状の執筆をお願いさせていただきました。卒業から約8年経っていたのに、快く受けてくださった先生方に感謝でいっぱいです。
しかも、イギリス大学院事情にもお詳しく、併願校の相談にも乗っていただきました。また、修士論文を書くときのポイントや、今後の人生相談も……。な、なんて素敵な先生たちに出会えたんだ私は……。涙
無事に卒業することができたら、また報告にあがりたいと思います。
ちなみに、コースによっては職場からの推薦状を受け付ける場合もあるそうです。
履歴書: テンプレ使用で突然プロの仕上がりに
CVは、いわゆる履歴書です。
A4裏表1枚におさまりさえすれば、形式等は自由がきくように思います。
イギリス的スタンダードなCVでは白黒、顔写真なし。ちなみに、生年月日と年齢も不要です(日本ではまず顔写真、続いて名前と生年月日と年齢ですよね)。「見た目も年齢も、能力と関係ないから」だそうです。そりゃそうだ。
内容について、もちろん一部は志望理由書と重複しました。でも、志望動機とは直接関わりがないけど伝えておきたい客観的な結果を中心に書きました。受賞歴や、インタビュー記事の掲載、学者の先生の論文執筆に被験者としてインタビュー協力したこと、などがこれにあたります。
経歴を書くときは、作った番組や掲載記事のURLも埋め込みました(見てもらえたのかどうかはわかりません)。
あと、受賞と言っても学校側にとっては全く知らない賞なので、どんな賞で(業界一歴史ある賞とか、UNが協力している賞とか)、チームの中で自分がどんな役割をしたか(番組は自分一人では1分たりとも作れないので)、何が客観的に評価してもらえたのか、などの説明を厚めに書きました。
最初、ワードでちまちまと作っていたのですが、ネイティブにみてもらったら「テンプレを使ったほうがいい」と言われました。内容じゃなくて、レイアウトのテンプレです。私が使ったのは、My Perfect CVというテンプレです。
これを使うだけで、見違えるように美しく読みやすいCVに生まれ変わりました!
出願書類は「ポートフォリオ」
個人的には、出願書類は「ポートフォリオ」だと思っています。
全部の出願書類を読むと、多面的に「どんな人か」がわかることを心がけました。つまり、コアな部分以外では内容が重複しすぎないように気をつけました。それぞれの書類に、「この書類はこれを伝えるため!」と役割を持たせるイメージです。
志望理由書に書いたことは、勉強したいことと、それに関連するこれまでの歩み、どういう経緯でまた勉強したいと思うに至ったかと、将来の展望。
その他、是非とも書きたい素敵なことやアピールポイントになりそうな結果なんだけれども、イマイチ学びたいことと繋がらない場合は、CV(履歴書)に散らしました。
あと、いわゆる協調性みたいなパーソナリティについては、推薦状で書いていただく客観的な評価が全てだと思い、自分では書きませんでした。
不明点は、入学事務局に問い合わせを!
「GPAなし問題」は学校に直問い合わせで解決
先にお伝えしたように、私が卒業した大学は当時GPAがありませんでした。
結論からいうと、GPAが出ない大学を卒業された方は、無理にGPAを出さなくて大丈夫です。学校側が、別の指標も用意しているケースがあります。もしくは、学校側が計算します。
これは又聞き情報でなんとなく準備するわけにはいかなかったので、私は出願した3つの学校全てのアドミッションチームに直接聞きました。
各学校で指示される内容が全く違ったので、悶々と一人で考えずに直接問い合わせてよかったと思います。ミスできない出願作業だと思うので、わからないことは学校に直接聞くのが一番確実だと思いました。一次情報をとりに行くのが大切です。
LSEは明確に「エージェント利用を推奨せず」
世の中には出願を手助けしてくれるエージェントがいくつかあると思います。出願を代行してくれるだけではなく、大学の成績証明書をもとにGPAを算出してくれる!とか、業者を利用して計算するとなぜかGPAが上がる!という話もグーグルすると出てきます。
ただ、LSEの場合は業者にお願いする方法を推奨していません。
「エージェント利用は、申請書類のリジェクト、入学許可の取り消し、入学取り消しや強制退学を招く可能性があります。」となかなか痺れる口調で諌めてきます。
学校側も、「出願のいろは」については初めての人にとってもわかりやすいように、かなり細かく指示してくれています。願書にこの内容を含めろとか、逆にこういう内容は要らないとか。学校のガイダンスに沿って、「注文の多い料理店」みたいに言われるがままに出願すれば、そんなに煩雑な手続きもなかったと思います。
わからないことは他人に聞かずに学校に直接聞くのが一番いいと思うし、大事な出願は第三者や運命に任せず、ぜひご自分で◎
奨学金、間に合わず。
超特急出願で、恥ずかしながら間に合わなかったこともたくさんあります。
まず一つ目は、奨学金の申請です。
有名どころの給付型奨学金は、夏あたりから申請が始まるそうです!大学院の申請より先に始まるんです。当然、奨学金の申請でも、志望動機を書いたり、先生方に推薦状をお願いすることが必須なので、実際には夏よりずっと前に動き始めないと奨学金の申請に到達しないかなと思います……!
特に、奨学金を考えている場合は、入学目標時期の一年半前には出願準備を始めた方が良さそうです。
次回は、IELTSについて書こうと思います。
実は、これも「間に合わなかったこと」の一つになります……。
駐在帯同からの海外大学院進学 LSE修士留学までの道のり #3
2024.10.25
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