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パリ逍遥遊 ヨーロッパ文化遺産の日

9月の第3土曜日と日曜日に開催される「文化遺産の日」

1985年にフランスの文化大臣が提唱し、ヨーロッパ全体の合同イベントだ。フランスでは1万5000を超える歴史的建物が見学できる。もちろん、日ごろは見学が許されないフランスの中枢も見学可能だ。

早速、エリゼ宮(大統領官邸)を見ようと、早朝5時半にエリゼ宮に並んだ。朝早くにもかかわらず、すでに50人ほどの列ができている。空港さながらのセキュリティチェックを2回も受け、やっとエリゼ宮へと入れたのは、9時をゆうに回っていた。

大統領の執務室、歴代の大統領肖像画に迎えられ、当時のオランド大統領が現代らしくデジタルフレームから顔を覗かせている。

そして護衛官たちの美しい立ち姿。全てが美しい。

次に尋ねたのはブルボン宮(国民議会下院)。国民議会下院の壁を飾るラファエロの「アテナイの学堂」。なぜか私の心をとらえた。ラファエロ、私が最も尊敬する画家、そして「アテナイの学堂」、最も好きな画。

しかし、ブルボン宮の議長の上、議員たちの席の真正面に見える「アテナイの学堂」に、なぜかラファエロの姿がない。左側ギリシャの真実を象徴する神アポロンの上半身と右側の知恵の女神アテーナの上半身も切れている。これより少し前フランスの国有鉄道(SNCF)で、注文した車両の幅が大きすぎて駅舎が通過できないというニュースが駆け巡ったが、議会を飾る壁掛け(タペストリー)の寸法も間違えたのだろうか?!

フランスの政治家たちは、このタペストリー前に何を議論しているのか、本当に興味深い。

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