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#翻訳 世界で最も革新的な50企業2019

米国ビジネス誌『Fast Company』が発表した“The World's 50 Most Innovative Companies 2019”に50社が選出されています。
スタートアップから老舗企業まで、今年Innovativeだったたどうかで評価されていて面白い。
例えば、今年の1位は中国のフードデリバリー等の巨大プラットフォームを提供するMeituan Dianpingというスタートアップで、4位はディスニーです。

選出の50社がどんなことをやっている会社なのか調べてみました。

1.Meituan Dianping

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"We help people eat better, live better."
食品の配送や、レストランの予約、地元ビジネスのクラウドソーシングのレビューなど生活のあらゆるもののプラットフォームを提供、実現していることが評価。

参考:中国のフードデリバリー大手、Meituan-Dianping躍進の裏側

2.Grab

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"Forward Together."
東南アジアに旅行した時に利用したことがある人も多いのでは、
あのグラブです。フードデリバリーや予約、決済など提供サービスが増え、ライドシェアの枠組みを超えて、何十億人もの人の生活を便利にしていることが評価。

3.NBA (過去10年でノミネート3回目)

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ストリーミングやAR,VRのサービスを展開し、より場所や時間にとらわれずにスポーツを楽しめるようにしたこと、またプレイ時間を減らしプレイヤーの健康にも気遣っている点が評価。

4. The Walt Disney Company (過去10年でノミネート2回目)

NetFlixなどのライセンスビジネスに乗っからずに、独自の動画ストリーミング「Disney+」ローンチを発表したことが評価。

5. Stich Fix (過去10年でノミネート2回目)

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"to change the way people find clothes they love by combining technology with the personal touch of seasoned style experts."
AIとスタイリストの人力を組み合わせて、好みの服を送ってくれるサービスを提供。
データ主導で、合理的に衣服を販売するという点が評価。
参考:スティッチ・フィックス【NASDAQ:SFIX】AIスタイリングサービス大手のデータ主導型のビジネスモデル

6. Sweet Green

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"inspire healthier communities by connecting people to real food"
農家から直接野菜を仕入れる"Farm-to table"なサラダ屋さん。
野菜の出所を透明化したことに加え、アプリで事前予約できるなど、スマートな配送のためにブロックチェーン技術を取り入れるなど技術投資をしている点&環境に配慮した容器の採用などサスティナビリティを考慮した経営が評価。
参考:サラダ専門店sweetgreenがユニコーンに!? そのブランドイメージとテクノロジー

7. Apeel Science

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”Innovation rooted in nature”
農産物を長持ちさせる技術でフードロスを解消しようとする会社。
今年、特殊な溶液でコーティングすることで長持ちさせたアボカドをコストコ等で販売開始し、米大手スーパー”Harps Food Store”ではアボカドの廃棄を60%減少させており、その技術力と貢献性を評価。
参考:農産物を長持ちさせるApeel Sciencesはフードロス問題に一役買う

8.Square (過去10年で5回目のノミネート)

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"We believe everyone should be able to participate and thrive in the economy."
言わずもがな、オンライン決済の会社。
カード読み取り&レシート印刷などのハードウェアがエレガントだと評価。

9. Oatly

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1994年創業スウェーデン発の植物性ミルクの会社。2016年に米上陸後、ブームに。
無添加で、コーヒーショップ向けに販売していたものが爆発的に成長した、その成長っぷりが評価。
参考:アメリカで売切れ続出のオートミルク!人気メーカー日本上陸する!?

10. Twitch

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アマゾンの傘下にある、ライブストリーミング配信プラットフォームの会社。
もともとゲーム配信に特化していたが、そこから料理やフィットネスなどに幅を広げ、ライブ配信を利用したコミュニティとして幅を広げていることが評価。

11. TARGET (過去10年でノミネート2回目)

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アメリカの大衆向け小売りスーパーだが、洗練されたプライベートブランドを、子供服、家具、メンズ服、ウィメンズ服と次々打ち出し売り上げを爆上げさせた点が評価。
参考:【ターゲット】、ミニマリスト向けのホームPBを発表!

12. Shopify (過去10年でノミネート2回目)

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2017年に日本にも上陸したECプラットフォーム。
2018年にリリースしたどんな支払い方法でもワンクリックで完結する機能が評価。
参考:日本参入から約1年。Shopifyが世界で選ばれるその理由とは

13. Anchor Free

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フリーwifiなど安全ではない接続時に、安全なインターネット接続を担保してくれる”Hotspot Shield"を提供。
アラブの春において政府による検閲を回避するためにも使用されたことでも注目された。
マルウェアやフィッシング対策の機能も追加されたことが評価。

14. Peloton (過去10年でノミネート2回目)

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家庭内で使うエクササイズバイクと、オンラインでエクササイズを受講できるサブスクリプションサービスをセットで提供。
ただのフィットネスを、ドはまりするエンターテイメントに昇華させた点が評価。
"SaaS+α"というビジネスモデルで注目されていて、SaaS開発中の私も記事などよく読んでいる企業。
下記のmedium投稿が非常に良くまとまっていて、何度も読み返しています!
参考:Appleを超えるブランド Peloton / 現代の聖職者はエアロバイクに乗る

15. Alibaba Group (過去10年でノミネート3回目)

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食料品、ファッション、日用品などの購買でAIやブロックチェーン技術を活用し、デジタルとリアルをシームレスに繋いでいる点が評価。
参考:アリババが始めたファッション+AIの実店舗、最新テクノロジーを活用した3つの特徴

16. Truepic

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画像、動画の加工を見分けるアプリを提供。偽情報があふれる世の中の巨大な防波堤になるだろうという評価。
参考:”詐欺写真”を見分けるアプリTruepic

17. Apple
(10年間10連続でノミネートはAppleのみ!)

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今年の評価はA12 Bioniというプロセッサーについてだった。
過去10年間、常に15位以内だったので、17位は過去最低記録。
参考:新iPhoneの「A12 Bionic」は何が凄いのか(本田雅一)

18. Unity Technologies

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リアルタイム 3D(RT3D)アニメーション開発プラットフォームを提供する、あのUnity。取引する業界の幅を広げたことが評価。

19. Domino's

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ドミノピザ。
効率的なデリバリーのために常に企業努力を続けてきていること、またテクノロジーを使って配送を効率化したことが評価。

20. PLAID

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決済機能付きのマネフォみたいな、銀行等のAPIと連携してスマホからあらゆる金融資産の情報が確認&更新できるアプリ。人々の行動を変えたと評価。

2020/1 追記!
plaidがVISAに買収されました!
https://blog.plaid.com/plaid-and-visa/amp/?__twitter_impression=true

21. Universal Music Group

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テイラー・スウィフトや、ジャスティン・ビーバーなどを抱える音楽レーベル。サブスク系サービスやデジタル配信が主流になってきた中で、従来のCDの販売等に固執せず時代の変化に合わせてマーケティングし、人々に訴求することができている点が評価。

22. Airtable

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"to democratize software creation by enabling anyone to build the tools that meet their needs"
スプレッドシート+データベースを簡易化したWebサービスを提供。技術者じゃなくてもちょっとしたシステムを簡単に作れるようにしたり、複雑なデータを簡単に管理できるようにし、コラボレーションを促進していると評価。

私もAirtableは知っていて、便利だなと思っていたが、そのきっかけはKiyo Kobayashiさん作成の「SFでスタートアップするノート」。
めちゃめちゃ価値あるスタートアップのノウハウがAirtableでシェアされていいる。まだ意味が腹落ちしていない箇所が多いが必要な時に読み返したい。
参考:Airtableが非技術者のためのツールで複雑なソフトウェアを開発できるようにするために5200万ドルを調達

23. Linage Logistics

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”The Journey of Food. Reimagined.”
温度管理サプライチェーン・ソリューションを提供する企業で、取引先にはWalmart, Tyson, and McDonald’sなどの食料品大手も多数。
データを用いた最適化により、1年で34%もの燃料消費をカットできた点などが評価。
直近でも、冷蔵技術の総合メーカーであるプリファード・フリーザー・サービスとの買収を発表しており、展開地域を拡大していきそう。
参考:リネージュ・ロジスティクスがプリファード・フリーザー・サービスの買収を発表

24. KANO

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"anyone can make"
ゲーム感覚でプログラミングを学べる小型PCキットやプログラミング玩具を提供する会社。
去年の10月にハリーポッターとタイアップしたキットも販売し、「テクノロジーを誰の生活にも身近なものに」というミッションを実現している点が評価。
参考:ハリー・ポッターの「魔法の杖」をプログラミングできる--Kanoの新STEM玩具

25. Winc

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ワインのサブスクリプションサービス。
6つの質問から消費者の好みを判断し、提携しているワイン農家から自宅へ配送する、という仕組み。
まず作って、市場で販売して、消費者が購入する、という既存のモデルとは異なる方法で売り上げを伸ばし、ミレニアル世代に訴求した点が評価。
参考:本場、カリフォルニア発!ワインのサブスクリプションコマース「Winc」

26. Zola

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Guilt出身の二人が創業した企業で、結婚ギフトに特化したECを提供する。
500以上のギフトの取扱業者と顧客らをオンラインで結んだり、不要なギフトは受け取る前に別のアイテムと交換できる仕組みも提供するなど、旧態依然とした業界に切り込んだことが評価。
参考:「結婚ギフト」に革命を起こす米国企業、Zolaが挑む2兆円市場

27. LanzaTech

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製鉄所からの排ガスを、微生物を利用して燃料に変換する技術を保有し、2018年に北京の製鉄所でも利用された。
その技術力及びそれが秘める社会貢献の大きさが評価。
日本でも積水化学や三井物産などが利用している。
参考:ゴミ処理場が化石資源に代わる原料供給基地に?

28. JioSaavn

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インドにローカライズした、インドで爆発的に伸びている音楽ストリーミングサービス。NetFlixにインスパイアされJioSaavnのオリジナルコンテンツも配信している。
2019年はSpotifyがインドに進出することも公表されており、シェアがどうなるのか要注目。
参考:Spotify、MAUが2億人突破。2018年Q4で利用者900万人増加

29. Jumio

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オンラインの個人認証サービス(画像認識プラットフォーム)を提供している。
2016年には行き詰まり民事再生まで申請しているが、個人認証のニーズの高まりと、AIを利用した認証技術が功を奏して?売り上げは伸びている。

30. Foundation Medicine

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がん患者さんの固形がん組織から得られたDNAを遺伝子検査・分析し、診断および治療の補助となる情報を提供する企業。
がん患者と治療法をマッチングするプラットフォーム的なビジネスモデルが評価。
日本では2018年3月より中外製薬が独占契約している。
参考:ファウンデーション・メディシン社製品の国内事業展開を開始

31. ARTERYS

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AIを利用したソフトウェアがCTスキャン結果を分析し、医師の判断をサポート。放射線技師が圧倒的に少なく、CTスキャン待ちの患者が多いという状況の解決に切り込んだ点が評価。
参考:GEやシーメンスと提携するArterysとは? AI活用の心臓MRIの画像診断ベンチャーの今

32. Alnylam PHARMACEUTICALS

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Onpattroという薬が認可され、初めてRNAi法を用いた治療を市場に出した点で評価。
この薬は末梢神経の損傷や、これまで治療不可とされていた遺伝性のアミロイド症などに有効。

RNAi(RNA interferenceの略、日本語でRNA干渉ともいう)は、二本鎖RNAと相補的な塩基配列を持つmRNAが分解される現象。RNAi法は、この現象を利用して人工的に二本鎖RNAを導入することにより、任意の遺伝子の発現を抑制する手法。アンチセンスRNA法やコサプレッションもRNAiの一形態と考えられる。(wikipediaより)

参考:アルナイラムが日本においてRNAi治療薬 patisiranを家族性アミロイドーシス治療薬として承認申請

33. Beautycounter

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有害な化学物質を使用しない化粧品の販売。コンセプトが評価。
参考:成長続くコスメ業界、重視されるのは「クリーン・ビューティー」

34. Sonder

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旅行者向けにキッチンなどがあるアパートメントを貸し出す宿泊サービスを提供。スマホで操作が完結できるなど、従来のホテルチェーンとは異なる発想が評価。

おしゃれなホテルなので使ってみたい。
参考:【Travel】アメリカ・ニューオーリンズで「Sonder」に泊まってみた

35. Indigo Ag (過去10年でノミネート2回目)

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厳しい環境でも良く育つ農作物の開発を行っており、2018年はトウモロコシの生産量が通常のトウモロコシと比べて10%多くなった。

36. Nubank

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ブラジル発の、デジタル銀行機能を提供する企業。ブラジルでは一握りのトップ企業勤務者しか銀行口座を持っていなかったが、そういったものにもクレジットカードを発行。
参考:テンセントが200億円出資、ブラジルのフィンテックNubankの躍進

37. GOAT

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ハイブランドのスニーカーの中古販売プラットフォームを提供。
GOAT側で厳しい認証を行っていることと使いやすいUI、自浄作用によって価格の最適化が起きていることから伸びている。

38. SNOHETTA (過去10年でノミネート2回目)

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ノルウェー発の建築オフィス。カルガリー公共図書館のデザインについて、図書館をただの本の倉庫にするのではなく、コミュニティハブとしてデザインしたことが評価された。
参考:モダンすぎる!11月オープンしたばかりの「カルガリー公共図書館」

39. African Leadeership University

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アフリカでは人口の50%が19歳以下で、2035年時点の世界の労働力の主力はアフリカになる。そのことから、アフリカに高等教育を行うためにAfrican Leadership Universityは2015年に設立された。
目の前の課題解決ではなく、未来志向での社会貢献性の高い取り組みが評価された。
参考:創設者の2015年のTED フレッド・スワニカー: アフリカを荒廃させた指導者とアフリカを回復させる世代

40. Fanatics

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スポーツ用品のEC、企画・マーケから製造まで一貫して行うことでスポーツチームのグッズ売り上げを伸ばしてきた。
2018年5月に日本にも参入。
参考:Fanatics Japan設立について

41. Unmade

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ロンドン発のファッションテック。
WEB上でデザインして、自分の欲しい服が作れ、購入できるサービス。
アパレル業界の過剰生産を解消するため、実際に売れるものだけを製造できる持続可能なプラットフォーム設計が評価された。
参考:ロンドン拠点ファッションテックのUnmadeが400万米ドルを資金調達、ブランド服をカスタマイズ可能にしムダの削減を支援

42. Modern Fertility

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自宅でできる、女性向けホルモン検査サービスを展開。専門のクリニックに行かなくても手軽に検査できるようにした点が評価。
参考:「妊娠可能検査」に革命を起こす30代女性起業家の挑戦

43. Rocket Lab

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小型人工衛星向けのロケットを開発しており、2018年に初の商業打ち上げを成功させた。日本でも結構ニュースになっていた記憶。

44. A24 (過去10年でノミネート2回目)

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良質な作品を作り続け、インディー映画業界をひっぱったとして評価。
「ムーンライト」「20 センチュリー・ウーマン」「レディ・バード」「ブリングリング」など自分的ヒットを連発しているスタジオだということは初めて知りました。
参考:設立4年でオスカー連発!映画制作会社A24って何者?!【今秋も注目作続々】

45. TeachersPayTeachers

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幼稚園から高等教育まで、先生たちが作った手作りの教材を売買するサイトの運営。
教師の負担を減らし、優秀な教育者へ報酬が支払われるというビジネスモデルが評価。

日本でもやればいいのに、、という声はあがっているよう。
参考:働きすぎな先生たち 教材売買サイトで負担減

46. Ammunition

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スマートマグ、スマート監視カメラ、スマートポラロイドなど、すでにあるものをより良く拡張している点が評価。

47. Sesame Workshop

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セサミストリートの生みの親であり、貧困家庭の幼児に適切な教育を与えることを目的としたNPO。
2017年にはマッカーサー基金から1億円以上の助成金ももらっており、2018年11月にはヨルダンやレバノンでもプログラムが利用可能に。これからはイラクなどますます貧困家庭への教育的支援の幅を広げていく点に評価。
参考:リタイア後の生活を返上? セサミストリートを黒字転換させたCEO

48. ACORNS

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クレジットカードやデビットカードで支払う金額のうち、1ドル未満のおつりの部分をキリのよい金額にして、引き上げた差額を投資に回してくれるアプリを提供。

49. Mozilla

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言わずもがな、FireFoxの会社。今回はFacebookから情報が取得され、流出することを検閲するプラグインが評価された。

50. Punch Bowl Social

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ボウリングを主としたスポーツ施設を備えるエンターテイメント型のレストラン。なんでもオンラインが当たり前のミレニアル世代が「体験」を求めて押し寄せ、人気を獲得したことが評価。
参考:異色のボウリングレストランが大飛躍する理由

過去10年のノミネート常連/高評価企業

過去10年のノミネート実績と、順位でソートすると以下の企業が上位に来た。今年ノミネートされていない企業も別途調べたい。
※精査していない適当なフィルタリングなのでご注意下さい!!

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Average:1位=50,2位=49…50位=1とし、
[獲得した点数の合計/ノミネートされた回数]
Socre1:ノミネート回数を重みづけしたもの。
[1回=1,2回=2,3回=3,4回以上=4]
Score2:Averageを重みづけしたもの。
[20未満=1,20以上30未満=2, 30以上40未満=3,40以上45未満=4, 45以上=5]