楽曲コンペ:勝てるコードの考え 〜その7〜

Twitterの方で

あんでぃくんさん:
https://twitter.com/aPnKdMyN

から「We’re the friends!(作編曲:藤末樹)」の楽曲アナライズを承りました。今回は補足情報をコラム致します。

「あんでぃくんさん」のTWポスト:
https://twitter.com/aPnKdMyN/status/1067765283610288130

「コードが云々って言ってたのにコードのこと話すけど、サビ1周目がEbM7 F7 “Dm7-5 G7”で2周目がEbM7 F7 “Dm7・D7 Gm7”っていう僅かな変化がエモ。Dm7-5のところ「”ス”ゴく」の音がラbになってるのもそれを意識させてくれる。しかもサビ入りで+1転調で印象が強まる」

該当楽曲:
We're the friends!
https://www.youtube.com/watch?v=DAjyvEacexM

補足:

「あんでぃくんさん」のポストの通り

・サビ2回し目の変化
・フラット5
・サビからの転調

の3点がこの楽曲のサビの大きなポイントです。ひとつずつ解説します。

・サビ2回し目の変化:

起:4-5-3-6-
承:2...
転:4-5-3-/3+-6
結:2...

「転」サビ後半頭からの「4-5-3-/3+」の「3+」は藤末曲では鉄板の構成でAメロの後半あたまの変化等にも多様しています。この泣きの「3+」を入れるのがとても大切で前半のスムーズな進行から変化をつけて「結」の部分、終わりへと収束していきます。「転」の部分は楽曲の中でも最大限に盛り上がる箇所、そしてキーもトップを当てるパターンが多いセクションでもあります。キーのトップのセレクションはコードのどこをくぐらせるか、という点で少し難しいかもですが、鉄板のコードを作っておくと、その感覚も慣れ研ぎ澄まされてきます。

更に補足を説明するとここの「3+」のルートを「3+」の3度にするコードパターン「4-5-3+/5♯-6」があります。3小節目あたまから「3+」にする場合はこのパターンです。そして「5♯」に移行する際「3+」のキー以外は必ずステイさせ「dim」とするのが私の鉄板です。このルート以外はステイさせる時の感覚がとても好きです。もちろん他のセレクションもありますが、選択肢を狭める事でクリエイトするメロに慣れ、より精度がより高まるイメージがあります。

・フラット5:

サビ頭の「4-5-3」の「3」が「フラット5」なのはコードセレクションは所謂「フラット5」ですがメロを平行移動という観念では至って普通のコードセレクションです。変化という部分ではサビよりBメロ前半などで多く使用してます。

↓詳細は前回のコラムをご参照下さい。
https://note.mu/mikifujisue/n/nfd1da96304dd?magazine_key=m78bac8bd4ba6

・サビからの転調:

「+1転調」はリリース曲の中ではさほど多くないものの良く使う頻度のアイテムです。サビ前セットアップでも「+2」「+3」いきなりインサートするパターンもありますが半音ずつあげてサビで「+1」というパターンも効果的です。「+3」「+4」「−3」「−4」など代表的な転調がありますがセットアップ込みで捉えるともはやJ-Popのサビからの転調にコード展開的な理論は存在しない、というのが正しい解釈かと思われます。

・まとめ:

今回、一番強く伝えたいのは「選択肢を狭める事」です。転調、ノンダイアトニック、テンション、全てのセクションで鉄板ネタのコードセレクションを少なくても作っておく事がとても大切でその中からのみメロディーをクリエイトするとメロディーやボイシングの感覚も精度が研ぎ澄まされて行きます。

私の鉄板であるサビ後半の「dim」に限っても、数多くの作品にインサートしましたが未だ最適解にたどり着いていないというイメージもあります。そこで他のセレクションがあるとメロの精度が制作を繰り返す中で高まっていくイメージが湧きません。

新しいコードセレクションを習得した際は暫くそのイメージと末長く向き合うのがいいかな?と思います。

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