人事ポリシー策定方法について
表題の件について、某クライアント様の愛しの人事担当の方にお尋ねされたので、夜な夜な愛情込めてまとめてみるいわばラブレター!って違うか(笑)
さて、真面目に。モノからコトへ、コトから価値観へ(マーケティングのアップデート)と顧客のニーズが変化・多様化する中、企業は経営理念の刷新・浸透への取り組み、また新たなパーパスやMVV策定等、顧客へ向けての提供価値の訴求を行い、企業価値向上に努めてきた。近年では市場の組織開発熱が高まると、そのようなアウターブランディング以上に、『私たちは何者なのか』を明確にしベクトルを合わせ組織力を向上させる、または労働人口減少というマクロ環境の変化も影響し採用力強化を行う等のインナーブランディングとしての役割がより期待されている。人事ポリシーとは、そのインナーブランディング的役割をさらに果たすため、ヒトに対する組織の熱量や価値観を概念化・言語化したものになる。
人事ポリシーを策定するメリット
①採用_採用したい人材を打ち出し、狙ったターゲットが獲得できる
②育成_採用後の育成にあたり、どのような人材を育成すべきかという育成テーマの設定にも役立つ
③評価_定点観測である評価の軸にすることで、被評価者からすると適正に評価される公平感・納得感が得られ、その後の育成や自己効力感醸成によりエンゲージメント向上にもつながる
④これら①~③をつなぐ軸として_人事戦略に最も必要なのは整合性。これら①~③の人事施策に横ぐしを刺すためには、組織としてどのような人材を採用し、育て、評価すべきかということを、組織内・人事内においても共通認識が持てることは最大のメリットかもしれない。組織が大きくなればなるほど、人事内においても採用、育成、評価、労務等業務が分業化され、部分最適になってしまうことも少なくない。そのため、全体最適を行うため、そもそも論立ち返れる原点、それが人事ポリシーである。
人事ポリシーの策定方法
上記で横ぐしを刺す重要性を示したが、人事ポリシー策定においては縦のラインも意識しなければならない。それは、MVVからブレークダウンされた内容であるか。
人事ポリシー策定のステップ
① MVV策定
⇒このステップはMVVがある前提で省略 ※MVV策定方法はまた別の機会に
② MVVを果たすための階層ごとの役割を明確にする(役割定義との整合)
⇒これは既存事業だけでなく、長期的な視野での(新規事業も含めての)策定が必要。MVVを達成するにはどのような人材が必要か
③ ハイパフォーマーの要件を洗い出す
⇒現在パフォーマンスを発揮している者の要件を明確にする
(コンピテンシー、スキル、バリュー等を概念化または適正検査等を用いたりする)
④ ②と③のギャップがないかを確認する
⇒役割定義は実態に即していないケースも多く、②と③のギャップがあれば、②の役割定義に反映させ、役割定義自体をアップデートさせることも
⑤ 組織・人にまつわる課題を整理する
⇒その課題の原因は何なのか、解決策は何なのかの仮説建てを行う
⑥ ①~⑤を踏まえ、人事としてどのような人材を採用し、育成し、評価する必要があるのか、またそのために人事としての役割、とるべきアクションは何なのかを概念化、言語化する
このように、会社として、ヒトへの向き合い方を言語化するのが人事ポリシーであり、言い換えると人事としての役割り、ミッション、提供価値とも言える。企業・組織の成長を支える人材に対し、どのように捉え、どのように向き合うのかを今一度整理し、言語化をしていきたい。最後に参考としてソフトバンクの人事ポリシーをご紹介。
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