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ネット上の絵文字での反応は「コミュニケーション」として適切か ~カナダのニュースから考える~

先日、とても興味深いニュースを読んだ。

「いいね」の絵文字は契約同意? カナダの州裁判所が判断示す
(前略)CNNによると、カナダの農家が業者から送られてきた契約書の写真に対して、携帯電話のメッセージで親指を立てる絵文字で返信した。だがその後に作物が納入されなかったとして、業者が提訴。裁判所は農家に契約不履行で8万2千カナダドル(約870万円)の支払いを命じた。(中略)農家は「(メッセージを)受けとったという意味であって同意ではない」と反論したという。

朝日新聞デジタル 2023.7.8

このニュースを見た瞬間に、私は弊社インフォハントで行っている授業を思い出した。それは主に小学校高学年から中学2年生くらいに提供している「オンラインコミュニケーション」についての授業で、「言葉を使ってのコミュニケーションを大切にしよう、感情表現や意思表示を明確にしよう」ということを主に伝えるものだ。文字情報では感情を伝えることが難しいため、感情をあえて言葉にすることや、誤解が生じないように曖昧な表現を避けるように呼び掛けている。

すると、一部の生徒から「スタンプ」を一つ送れば解決するのでは、という意見が出ることもある。ただ、スタンプは同じような認識を持って使用するのであれば有効かもしれないが、進学進級したばかりで新しい友達とするには注意が必要であるという話をする(この授業は1学期に行うことが多い)。同じスタンプでも違う意味で認識していれば、トラブルに発展してしまうことがある。だから同じ認識を持っているかについて確証が持てない段階でのコミュニケーションは、文字で表現することが欠かせないのだ。

このカナダでのニュースにおいても、どちらかが言葉で確認をしていたらこのような裁判になるような問題にはなっていなかったわけで、非常に残念な例であると思う。

人間は言葉を使うことができる。安易にコミュニケーションを簡素化せずに、言葉によるコミュニケーションを楽しんでみたら良いのではないか。トラブル防止だけでなく、お互いの理解が進むことで、より良い関係づくりをすることができるかもしれない。

J-CASTさんでも記事になっていました⇩

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