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ゆるりドイツ学生生活 第三弾 ドイツに行き着くまでの話

こんばんは。みきです。

現在ドイツ時間は21時なので、これを書き終えた時、日本の方々はきっと目覚めた頃でしょう!

本日はちょっと普段より真面目に自分の通訳学科の話でもしようかなと思います。

実は昨年より私はハイデルベルク大学の通訳学科の修士課程に入学しました。と聞いてもあんましっくりこない人がほとんどでしょう。

もっと簡単に説明しますと、「ドイツ最古の大学で唯一日本語とドイツ語の通訳になれる資格が取れるので、そこに入学した」ということになります。まわりくどくてすみません。

本来最初の記事にやるべき自己紹介を完全に抜かしてしまったのでここで簡単に私についてお話ししますと、私は東京都生まれドイツ育ちのいわゆる帰国子女なのです。

ドイツのミュンスターって街を聞いたことありますか?私の大好きな故郷なのです。しっくりくるかわかりませんが、以前のローマ法王はミュンスター大学の神学部の教授だったり、今月G7サミットが開催されたり、世界史で出てくるヴェストファーリア条約が結ばれた地でもあります。故郷については何行でも書けてしまうので、これは今度の機会に取っておくとしましょう。

話を戻りますと、私は東京都生まれの都会っ子と思いきや、3歳の時にはすでにドイツにいたわけです。

しかし、それがもうドを超えるほどの田舎…馬のパカパカって歩く音や牛がモーッて鳴く声、教会のベルの音や場合によって隣人が庭で飼ってるコケコッコーって声まで聞こえてきました。そんな自然の音と共に朝を迎えていました。つまり、ミュンスターと言っても郊外中の郊外に住んでいたわけです。

もちろんインターナショナルスクールや日本人学校などあるわけがありません。なので家庭内では日本語で話していても、他では常にドイツ語に触れており、ドイツ語を母語として10年以上過ごしてきました。

そしてアジア人も周りにいるわけなく、すくすくと「ドイツ人」として育っていきました。

日本に帰国した経緯は話が長いので割愛しますが、高校受験前の中2ごろに正式に日本に帰国しました。もちろんほぼ1から日本語を学んでいくわけですしたが、小2までは頑張って赤ペン先生を国際郵便で送っていたのでなんとか簡単な漢字であれば理解できたというのもまた余談になります。

まあカルチャーショックを受け、水泳の時間は前の学校の水着を持ってくればいいよと言われ、堂々とビキニで登場したり、読書の時間はもちろん日本語が読めないので母が持っていたカントの本を持ってきて誰も理解できるはずのないカッコつけ方をしたり、小学校の頃からピアスが開いていたから怖がれたり…武勇伝は数え切れません…

それでもヨーロッパの田舎っぺから急に(当時の)世界の経済の中心地、未熟な私は渋谷をアメリカのニューヨークだと思っていたので毎日がわくわくでした。

そんなこんなで高校、大学を卒業し、なんと!私は日本語母語者へと変身することができたのです。人間の適応力を甘んじてはいけない。

そしてここでバカなプライドが発生します。

日本人になりたい

っておまえ日本人だろうが。
そう突っ込みたくなる気持ち。わかります。

ただですね…さすがにドイツ育ちの私は他の帰国子女と違い、英語圏ってわけでもなく、「かっこいい」帰国子女の部類に入っていない劣等感を覚えていました。

それがいずれ、ドイツに対する嫌悪へと変わってしまうのですが、「ドイツ」を取った私の価値を疑うようになります。

ドイツをとった「私」で勝負をしたい。
純ジャパと同じ土俵で戦いたい。
そんな歪んだプライドによって、私はしばしば新卒として大失敗を繰り返します。

ここも過程を割愛しますが、最終的に2年以内に2回の転職を果たし、二つの日系企業を経験したのちに、なぜかドイツ大使館に拾われます。

頑固としてドイツという経験を使いたくなかったのですが、大使館では水を与えた魚のように毎日が楽しく、はじめてやりがいを感じるようになるのです。

そして広報部だったにも関わらず、通訳翻訳課の方にたびたび通訳の資格を取るよう勧められます。

そう。

それで今にたどり着いたというわけです。

今振り返ったら、大幅に遠回りをしていった人生であることを再認識しました。

結局、人間プライドって本当良くないですよね。

締めがうっっすくてすみません。

まあやっと去年スタートラインに立てた感がありますが、自分の言語能力の低さに絶望したり、鬱になったり、入院したり、日本語チームのリーダーになってたり、ドイツの彼氏が私のお母さんを泣かせてしまったり、同居人が植物にメイク道具を植えだしたり、山あり谷ありの一年を過ごしてきたのです。

こんな感じではありますが、大体今の自分にたどり着いた経緯でございました。

みなさんはもしかしたら通勤中とかかもしれませんが、私はこれから寝ます!!!

みなさん、良い一日をお過ごしください!
おやすみ〜

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