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マラソン最強王国ケニアの強さの源は「高糖質」な食事にある?

東京オリンピックのマラソンで、男女ともケニア勢が金メダルを獲得した。さらに男女ともケニア勢の連覇。男子はキプチョゲが2大会連続金メダルだ。強すぎる……

大抵の選手は、30kmを過ぎるとペースが落ちる。これはエネルギー源の糖質が不足するタイミングだからだ。しかし、キプチョゲは、30kmを過ぎてからペース上げて、そのまま独走だった。

この強さの源は何か?
ケニアが高地だから、学校までの遠い道のりを走って通っていたから、メダルを取ると裕福な暮らしができるから、心肺機能の高さ、骨格、効率の良いフォーム……様々な理由があげられてきた。

NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 超人たちの人体 〜アスリート 限界への挑戦〜」の中で、ケニア人ランナーの強さは「食生活」にあると紹介されていた。

ケニア人はカロリーの8割近くを糖質で摂っている

ケニア以外の国では、摂取カロリーの約50%を糖質から、約30%を脂質、約20%をタンパク質からといった割合になる。

一方ケニア人は、糖質が約76.5%、約13.5%が脂質、約10%がタンパク質といった割合だった。

「朝食はパンです。砂糖をたくさん入れたチャイも欠かせません。お昼には、じゃがいもと豆を添えたご飯を食べます。夕方には、おかゆ。また砂糖をたくさん入れたチャイを飲みます」
「夕食はウガリが欠かせません。ウガリは糖質がとても豊富なケニアの伝統食です」
マラソン ケニア代表 エリウド・キプチョゲ

ちなみに、僕もウガンダに2年間いたが、ウガンダの食生活もほぼ同じだ。

高糖質食事を摂り続けることで、腸に変化が起き、糖質を吸収する力が上がる

スポーツ栄養学が専門のユーケンドルップさんは、このケニア人ランナーの高糖質食が腸に作用することで、マラソンの強さを生み出すと考えている。

「キプチョゲの食事は、まさに『腸トレーニング』です。高糖質食をとり続けることで腸に変化が起こると、糖質を吸収する能力が上がります」
ラフバラー大学 スポーツ栄養学 アスカー・ユーケンドルップさん

腸の内部には、エネルギーを吸収する絨毛(じゅうもう)がある。
絨毛の表面には、糖質の取込み口「トランスポーター」がある。大きさは1万分の1ミリ以下。このトランスポーターが糖質を吸収し筋肉へと送りこむことで、走るためのエネルギーが生まれる。

高糖質食を食べ続けることで、ケニア人ランナーの腸では、このトランスポーターの数が増え、糖質の吸収力が高まっている可能性があるという。

高糖質で後半もペースが落ちないのは納得したが、真似するのは危険

この話を聞いても、日本代表や市民ランナーも「高糖質」な食事をすればいいのでは?とは思わず、真似しても太るだけでは?と思った。

ハードなトレーニングをしているからこそ、効果があるとも言える。
あと、単純にケニア(アフリカ東部)の食事を日本人が続けるのはキツい……(僕は2年間よく続けたと思う)。

ケニア人ランナーなどアフリカ勢がマラソンを走るのを観る時は、彼ら彼女らの食生活も思い浮かべてはどうだろうか。


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