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【随筆】 秋の夜長に


1日の仕事を終え自室に入ると、

たいして動いてもいないのにドッと疲れが出る。

こんな時夫がいたら、

私が「疲れたネ」と言うと

「うん、疲れたネ」と返してくれるだろうか。


夫とは、子どもが幼いころから別居。

その夫も黄泉の世界へ旅立って20年近くたつ。


若い時は、子育てに仕事に、と夢中だったが、

今ではその子どもの手伝いをしているようなものだ。


この年になると、1人の寂しさや切なさが身にしみる。

秋の夜長に独り言をつぶやけば、写真の夫は微笑んで見ているだけ。

たまには夢の中ででも、一緒に夫婦の会話を交わしてみたいものだ。






この随筆はがん闘病中の祖母が趣味で始めたもの。

決められた文字数で、祖母が見たこと感じたことを綴り
できあがった随筆を新聞社へ投稿しては
掲載作品に選ばれるのを楽しみにしている。

祖母の随筆は思わずクスッと笑ってしまうような微笑ましいものから
ふと考えさせられるものまでさまざまだ。

そんな祖母の随筆を好きなときに読めるよう残しておきたい
そう思ってnoteに少しずつ投稿している。


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