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【随筆】 パンダの目


つまずいて転び、コンクリートの角で額を打ち

ピンポン玉のようなコブが出来た。

「痛い」と感じたのと同時に

誰かに見られていなかったかと周りを見回す自分がおかしい。


翌日コブは腫れとなり目のまわりにきて、まぶたが重い。

次の日、内出血の色がつきパンダの目になった。

普段は使用しないファンデーションをぬり、色を隠すこと1週間。

目立たなくなりホッとする。


若い時ならバランスをくずしても倒れない。

まだ若いつもりでいたが、

息子から「年だから気をつけるように」と言われ

心ならずとも「ハイ」と言ってしまった。






この随筆はがん闘病中の祖母が趣味で始めたもの。

決められた文字数で、祖母が見たこと感じたことを綴り
できあがった随筆を新聞社へ投稿しては
掲載作品に選ばれるのを楽しみにしている。

祖母の随筆は思わずクスッと笑ってしまうような微笑ましいものから
ふと考えさせられるものまでさまざまだ。

そんな祖母の随筆を好きなときに読めるよう残しておきたい
そう思ってnoteに少しずつ投稿している。




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