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タコの厨二心くすぐり力がすごい。自然界のクロロ・ルシルフルを発見した話【「タコの才能」ログ②】

今回も「タコの才能」の備忘録。読書の進行度でいえばまだ20%にも満ちてないくらいだ。
(本についての紹介は前の記事でしているのでよかったらみてね)


突然だが、この記事を読んでくれているあなたはタコの種類別の名称を知っているだろうか。
種の名前まで知っているタコがいるか、10秒かけて思い受かべてほしい。



思いつかないだろう。そして「思いついたぜ!」とドヤ顔をしそうになっているあなたもきっと思い浮かべたのは「マダコ」の名だろう。
もしマダコ以外を思いついたあなたがいるならそれはとてもすごい。この本を読む才能に溢れているので購入をメチャクチャお勧めする。(そうでない人にもオススメする)

かくいう僕もタコの名前なんて知っているのはマダコだけだった。
なぜならマダコは回転寿司のメニューに書いてあるからだ。100円で美味しいものを食べながら得られる知識は僕でも吸収しようと思えるし吸収できる。

そんな僕もこの本にめぐり合い、これから紹介するタコの名前にとても惹かれた。
この僕の揺さぶられた心が平常心に戻ってしまう前にここに書き留めたいと思った。


ということで今回はタコの名前の話をずーっとする。


・厨二心くすぐるタコの名前


「タコの才能」にはこんな一節がある

「タコは世界じゅうの海に長い腕を伸ばす。(中略)ただ、もっと極端な環境を選んだ種もいる。たとえば、ウルカノクトプス・ヒュドロテルマリスは、水深数千メートルもの深海のミネラル豊富な熱水噴出孔の近くに住み着いている。南極水域で見つかったタコ、パレレドネ・トゥルクエティや、ダンボに似たグリムポテウティスのように、身も凍る極地の深海に生息するタコもいる。」(タコの才能一番賢い無脊椎動物 より)

ウルカノクトプス・ヒュドロテルマリス…パレレドネ・トゥルクエティ…グリムポテウティス…

これらが全部タコの名前らしい。すごい厨二ネーム力だ

ウルカノクトプス・ヒュドロテルマリスは「ヒュドロ」とかいうヒドラを想起させるようなフレーズと「ウルカノ」がとても豪快で強そうなモンスターを思わせて胸を躍らせるし、パレレドネ・トゥルクエティはそれと対照的に技巧派でスマートな、蝶のように舞い蜂のように刺すキャラクターを思わせる。多分ヒロインだろう。「パレレドネ」というフレーズもパラライズっぽくて毒を駆使するキャラクターっぽくて素晴らしい。
そしてグリムポテウティスはこれらより少し小柄な純粋な戦闘力は高くないタイプだろう。言うまでもなく「グリム」がグリム童話を思わせ少年のような姿を想起させる。

豪快なウルカノクトプス・ヒュドロテルマリス、技巧派パレレドネ・トゥルクエティ、小柄なグリムポテウティス

綺麗にRPGのパーティっぽい組み合わせじゃないか。
スクエアエニックスの新作の主役が彼らになっても僕だけは驚かない自信がある。それどころか喜んじゃうだろう。

しかもこれらがみな深海や極地にいるのだからそれもまた胸が踊る。
さっきはRPGの主人公のように表現したが、「極地にいる」と言う情報が付け加えられるだけで「伝説の生き物」っぽくなる。すごい。

倒したら主人公たちが深海を自由に移動できるようになる能力とか身につきそうだ。ドラえもんのテキオー灯みたいにって言うとダサいが。

しかし、言語が変わるだけで身近な生物の名前がこれほどかっこよく感じるのだから不思議だ。これらの名は全てスペイン語らしいので、スペイン語を履修してみたくなる。

「次に勉強したいことが見つかる」これが読書の楽しいところだ。

・自然界のクロロ・ルシルフル


タコの厨二力はこんなものではない。

これまで紹介したタコは「名前が厨二っぽいだけ」で、実際はただの極地に住んでいるタコだ。(極地に住んでいる生物というだけでもロマンを十分感じるが)

ここからは僕がこの記事を書くきっかけになった、名前だけじゃないタコの話をする。

「ムラサキダコ」というタコだ。

「なんかさっきまでのと比べたら名前普通だな」と思ったかもしれない。僕自身は紫色が大好きだし、ムラサキダコという名前も風情があって大好きだが確かにインパクトに欠ける。

だがこのタコの真骨頂は「タコの才能」で触れられていた、このタコの持つある特性にある。

ムラサキダコは、カツオノエボシ(いわゆる電気クラゲ)の毒のある触手の切れ端をうまく使っていることが確認されている。タコのほうはどうやらこの毒に免疫があり、カツオノエボシから触手を奪って、吸盤でしっかりつかみ、天敵をひるませるのに使っているようだ。(タコの才能一番賢い無脊椎動物 より)

つまりムラサキダコは、「他の生物の特性を奪い、それを武器にしている」生き物なのだ。そして奪うのは電気クラゲの毒手だ。

「他の生物の能力を奪う」…「痺れ毒の武器を持ってる」…

この二つを聞いて僕はこのムラサキダコという生き物がHUNTER×HUNTERのクロロ・ルシルフルにしか見えなくなってしまった。
他の生き物の能力奪うとか「盗賊の極意」だし、「ベンズナイフ」みたいな武器持ってるし。

しかもムラサキダコ自身はこの毒に免疫があるらしい。ベンズナイフが効かなかったシルバの要素も持ってる。カッコよすぎる。
そして紫っていう色もクロロのイメージと合ってるような気がしないでもない。
海の中にも幻影旅団がいるのだろうか。構成員は誰なんだろうか。ワクワクが止まらない。

我ながらワケのわかんないことを言っていると思うが、とにかくこんな生き物が自然界にいることにとても感動したのだ。

武器を奪うとか別の生き物の一部を武器にするとか、猿みたいな人間に近しい生き物ならともかくあんなぐにゃぐにゃのよくわからん生き物にそんな芸当ができることに驚きを隠せないのだ。


この武器を奪う発想ができるということは、知能が進化すればたとえばタコは「将棋」を作る事すらできてしまうだろう。進化を続けたらAPEXとか作り出すかもしれない。
もっともタコに「暇」「遊びたい」という概念があればの話だが。

なんにしてもこのタコのクロロっぽさと知能には驚かされた。ぜひその毒でクジラを制して海の長になってほしいものだ。

・終わりに

この本を読み進めていくたびに、だんだんとタコの神秘に触れていっている実感が湧いてくる。
この本を読み終わった時の僕のタコへの興味がどのようなものになっているのか今から楽しみだ。

今夜もタコの神秘に近づけるよう「タコの才能」を読み進めよう。

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