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IT関連企業で72歳をリスキリングしてみた結果・・・(青森のITばあちゃん)

オンライン秘書企業「株式会社リモットさん」を経営しておりますタナカミカです。たびたびSNSではご報告しておりましたが、今年4月に72歳のばあちゃん(青森県在住)が入社いたしました!ちなみに前職は看護師さんです。パソコンもスマホも、必要最低限しか使わないライフスタイル。

シニア層には、「もう十分働いたからこれからは仕事以外のことを楽しみたい!」という方々もいると思いますしそれはそれで素敵。弊社のばあちゃんは、仕事好きで、働いていないと落ち着かないタイプ。入社前の関係性の中で、ITスキルはさておき仕事ができることは知っていたので、入社していただきました。

同時にnoteも始めてもらいつつ。業務で必須のSlack・Zoomも使えない状態から始まりまして。MFクラウド経費で領収書の写真を撮っては驚き、Eightで名刺の写真を撮る業務をしては驚き・・・(笑)

驚かれることに驚くというような新鮮な日々を過ごしつつ。1,2ヶ月で自分に必要なスキルを認識したばあちゃんは、なんと自分から簿記の学習に挑戦。8月にはサクッと簿記初級検定に合格し、今も簿記の学習を継続中です。

弊社のばあちゃん、すごいでしょ!というのもありつつ、実は本日言いたいのはそこではありません。地方のシニアのリスキリングをしてみて気付いたことがあって、この記事を書いております。

前提知識として、リスキリングとは何か?リカレント教育との違いは?等については、JMAMさんのこちらのページでご確認ください。

シニア層特有の、我々にはわからない感覚を認識せよ

弊社のばあちゃんがよく言います。
5年後の話をされたって、生きてるかわかんないんだから、約束できませんよ!せいぜい1-2年!
35歳の私はその感じに全く共感できないわけですが、なんとなく理解はできます。若者に比べて、自分のキャリアの終わりというか人生の終わりについて具体的にイメージしている人が多そう。そんな中で、新しいことを学ぶってどんな感じかな?と思うのですが、業務に生かすためのスキルを学んでいるときのばあちゃんはイキイキしています。若い層が「将来のためにこのスキルを学んでおこう」というのとはわけがちがうので、今を生きてる感があります。だからと言って、人生の大ベテランなわけなので焦ったりはせず、どっしり構えている感じ。なるようになる、みたいな感じは、田舎のばあちゃんならではなのか、個人のパーソナリティーの問題か。
シニア層に対してリスキリング環境を提供する若い人たちは、大前提としてこの感覚を認識して認めないと、上手くいかない気がしています。リスキリングって、学ぶコンテンツを提供しただけじゃ絶対に上手くいかなくて、学ぶ側が納得して、自律して進めていくことが絶対重要ですよね。シニアだからってことでもないのですが、その人の中にしかない感覚を知ること、それを否定しないこと、認めることは重要だと気付きました。

仕事と学びを分けないリスキリングが重要

普段から弊社では、(シニア層ではなく主に30-50代女性の)リスキリングを行っていて、仕事があるからこそそこに生かすための学びにはみんな一生懸命に取り組むし勝手に学ぶというのを感覚として持っています。シニアのリスキリングについても同じです。好きなことを学ぶ→働く→学ぶ→働くというように繰り返すリカレント教育ではなく、仕事をしながらもDX等の変化に対応するために必要な知識やスキルを加えていくリスキリングだからこそ、ばあちゃんは自律して学んでいるように思います。簿記という未知の分野にトライしつつ、Money Forwardと格闘しつつ、ZoomでMTGに参加しつつ、Slackでリアクションしつつ、noteを書きつつ。仕事をしながら学んでいる姿は、企業内の学びの理想ではないかと思いながら見ています。

シニアに「若者と同じ」を求めなくても、戦力になる

弊社のばあちゃんはnoteのアイコンにこのイラストを使っているので、白髪の超シワシワなおばあちゃんを想像してしまうと思うのですが(笑)

このイラスト、80代って感じですよね!笑

実は髪は黒いですし、背中も曲がってないですし、比較的若く見えるシャンとしたシニアです。今どきの70代って、まだまだ若い。
とはいえ、当然ながらパソコンの小さい文字は見えにくくなりますし、20-30代の社員と同じ速度でタイピングできるようになってくれと言ってもそれは難しいと思います。
では企業として、どのようにシニアのスキルアップに取り組めばよいのか?という話なのですが、その人のスキルや人生経験を生かせるような仕事を担当してもらうのが重要なのではないかと思っています。弊社のばあちゃんは、元々看護師で大学で教えていた経験もあるので、「リモートワーク✕健康」をテーマに資料を作ってもらったり。弊社の経理の仕事はスピード感よりも丁寧さや信頼感が必要なのでそのあたりをお願いしたり。若者と同じ方法でやらなくても、仮にやれなくても、バリバリ戦力です。
 少し話が脱線しますが、世界最高齢のアプリ開発者として有名になった若宮正子さんをご存知でしょうか?

若宮さんが作ったHinadanというアプリ、使ったことはありますか?私はもちろん、自分のiPhoneに入れてみました。80代のおばあちゃんが作ったのか!というところに驚きはありつつも、30代の私がすごく楽しく遊べるゲームかというとそういうことではなく、絵の感じもレトロというか古風な感じ。でも、アプリを入れた若者が帰省したときにおじいちゃん・おばあちゃんに見せながらやったらきっと楽しめるんだろうな〜と想像できて、それってすごい価値を生んでいるよなぁと思いました。シニアにはシニアの視点があって、それを生かすことで価値が生まれるのですよね。

ベテランのリスキリングは「アンラーニング」が課題になりそう

今回、弊社のばあちゃんのリスキリングが上手くいっているという話を書いたのですが、どんなシニアでもITに対応できる!がんばればリスキリングできる!という感じでは考えていません。たまたま弊社のばあちゃんが、上手く「アンラーニング」できる人だったから上手くいったのだろうと推測しています。

「アンラーニング」は、「学習棄却」とよばれ、既存の仕事の信念やルーティンをいったん棄却し、新しいスタイルを取り入れることです。

https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0070-dx_reskilling.html

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事、後藤宗明氏の著書「リスキリング」の中で、ベテラン中高年社員がリスキリングを開始する前に捨てるべきものとして以下の3つが書かれてあります。

執着(現状を変えたくない、ラクをしたい気持ち等)
過剰なプライド(営業成績トップだった自分の意見が正しい等)
ノスタルジー(昔は◯◯部の部長で、部下が50人いた等)
上記のような感情を自覚し、距離をおくことができるようになることが理想ですが、年齢や過去の成功体験がそれを難しくします。なぜそのような気持ちを持つのか、という自分の気持ちに向きあいながら、丁寧にアンラーニングを進めていくことがとても重要です。

「リスキリング」著者:後藤宗明氏

ばあちゃんは上記の3つがリスキリングを邪魔することなく進むことができているのですが、一般的にベテラン世代の方々の中には、その3つを強く持ちすぎて新しいものを受け入れるのが難しい状態になっている人もいるように思います。そしてそれこそが、なかなかDXが進んでいかない原因の一つだろうとも思っています。

日本って、世界デジタル競争力ランキング2022で63ヶ国中29位だったそうです。10年前と比べて9位ダウン。完全にデジタル後進国・・・

私は今、日本の中でも特にデジタル化やDXが浸透していない青森県に住んでいます。そしてIT周りの仕事をしていて時折、そういうベテラン世代の感覚に触れることがあります。青森が置いていかれているのが嫌だ。都会においていかれるだけじゃなくて、世界においていかれているんです。

まとめ

この数ヶ月、弊社のばあちゃんのリスキリングから色々気付きもあったし、まだ入社半年なのでこれからも色々わかることが出てくると思います。最後は地域のDXの話に少し飛躍してしまいましたけれども、結局私は、誰かや何かが置いていかれるのを見ていられない性分なので、しっかり誰かを支えていけるような仕事をこれからもしていきたいです!


25歳〜72歳のオンライン秘書、青森→沖縄&海外在住者も活躍中!


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