ガビチョウの歌2

ガビチョウの歌|愛にとけていく

  あなたを感じたいのに感じられない朝
  一人座して瞑想する。
 
  ガビチョウが高らかに歌う声。
  不思議なメロディーを聴いていた。
 
  鳴き声は体内へと滑り込み
  私の性感を刺激する。

  遠くでウグイスや
       名も知らぬ鳥たちの歌が入り乱れる。
 
  単調で規則的なリズム
  無秩序で身勝手な休符
  即興のメロディー
  繰り返されるフレーズ
  全体の調和を乱す不協和音
  ふいに切り裂く高い音
  不似合いなかすれた低い音
  遠くから聞こえる和音
  近くでさえずる声

  予測できない音は
  官能を乱れ打つ刺激。
  エクスタシーを誘う。

ガビチョウの詩1


  法悦の中であなたを感じ
  抱きしめられる。
 
  鳥たちがさえずりをやめた。

  私は強く抱きしめられたまま
  身動きできないあなたの腕の中で
  鼓動を感じる。

  規則正しい振動は
  すっかり敏感になってしまった芯に触れ
  快感はさらに深まる。
 
  あなたを迎え入れるために
  両足を大きく広げるように
  私は鼓動に心を開く。
 
  くまなく私を刺激する
  執拗に繰り返される振動は
  私を揺さぶり続ける。 

  耐え切れぬ鼓動は私を放さず
  いったい何に感じているのか。。。

  見失う。。。

  自分が離れていく。。。

  空白の時間が訪れる。。。。

ガビチョウの歌3

  やがて
  振動の抜け殻を残して
  私は息を吹き返す。
 
  ガビチョウが遠くで鳴いている。
  急速に消えていく
  エクスタシーを見送りながら
  目を覚ます。
 
  ガビチョウはふいに沈黙し
  そこはいつもの見慣れた部屋。
 
  私は自分の鼓動でイってしまった。

  自家発電的
  霊的エクスタシー。

ガビチョウの歌2

(Photo: ©MikaRin)



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