見出し画像

10月31日週【中途採用市場動向】

企業動向

2022年7-9月期 転職時の賃金変動状況

■ 全体
7-9月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は33.4%。
新型コロナウイルスの感染が拡大を始めた2020年1-3月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年2021年1-3月期には概ね感染拡大前の水準近くに復した。足元2022年7-9月期は、そこから更に伸長を続けており、最高値を更新している。

職種別
IT 系エンジニア
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 38.7%。
2019 年頃より幾分減速感が見られていたが、2021 年は上昇基調に復し、足元 2022 年 7-9 月期は更に伸長を続けており、最高値を更新している※2。

機械・電気・化学エンジニア
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 29.8%。
2019 年以降、下落基調が続いていたなか、2020 年 10-12 月期を底として反発。以降は上昇基調に復し、足元 2022 年 7-9 月期は、2012 年以降で最も高い水準となっている。

営業職
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 33.0%。
新型コロナウイルスの感染が拡大を始めた 2020 年 1-3 月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年2021 年 1-3 月期には概ね感染拡大前の水準近くに復した。その後、一時的に弱含むも、足元 2022 年 7-9 月期は、2012 年以降で最も高い水準となっている。

事務系専門職
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 30.8%。
2017 年以降、弱めの動きが続いていたなか、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、2020 年頃にかけては幾分水準を切り下げた。その後、2021 年 4-6 月期以降は上昇基調に転じ、2021 年 10-12 月期は最高値を更新※2、足元 2022 年 7-9 月期も引き続き高い水準を維持している。

接客・販売・店⻑・コールセンター
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 38.6%。
新型コロナウイルスの感染が拡大を始めた 2020 年 1-3 月期を起点に大幅に水準を切り下げたが、その後は 2020 年 7-9 月期を底として反発。以降は上昇基調を続け、2021 年 7-9 月期には最高値を更新※2、足元 2022 年 7-9 月期も引き続き高い水準を維持している。

求職者動向

<年収750万円以上の即戦力人材にアンケート> 副業・兼業を「している」約2割、「今後始めたい」約6割

■現在、副業・兼業を「行っている」または「今後始めたい」ビジネスパーソンは76.5%。直近1年で「興味・関心が高まった」が43.5%
年収750万円以上のビジネスパーソンのうち、現在、副業・兼業を行っている方は17.6%でした。また、今後副業・兼業を始めたい方は58.9%で、既に行っている人と合わせて76.5%と、多くのビジネスパーソンが副業・兼業に興味を持っていることが分かりました。また年代別に見ると30代の意欲が最も高く、40代が続く結果となりました。
さらに、直近1年で副業・兼業への興味・関心が高くなった方は43.5%で、副業・兼業を考えるビジネスパーソンが急激に増加していることが分かりました。興味・関心に変化があった理由として、日本経済や労働環境の変化による将来への不安から、キャリア自律の意識が高まっていることが考えられます。自身のキャリアを中長期的に捉え、副業・兼業を始めるビジネスパーソンが今後、増加することが予測されます。

■副業・兼業をしたい理由は「新たな経験やスキルを得て、仕事の幅を広げたい(38.7%)」が最多。42.2%が、報酬よりも「仕事内容」を重視
副業・兼業を行っている、または始めたい理由は、「新たな経験やスキルを得て、仕事の幅を広げたいから(38.7%)」が最も多く、「自身のこれまでの経験やスキルを試してみたいから(37.2%)」「企業に依存しないキャリアを築きたいから(32.9%)」が続く結果となりました。
また、副業・兼業においては、「仕事内容も報酬も同程度重要」と回答したビジネスパーソンが最も多く約半数となる一方で、「報酬よりも仕事内容を重視」が4割以上となりました。「仕事内容よりも報酬を重視」は1割未満にとどまります。年収750万円以上のビジネスパーソンにとって、自身のキャリア形成につながる「仕事内容」であるかどうかが、副業・兼業を行ううえでの重要な要素であることがうかがえます。

「仕事でやりがいを感じている」と回答した20代は約3割。「誰かの役に立っていると感じられたとき」「売上など定量的な成果を上げることができたとき」にやりがいを感じるの声/20代対象アンケート

(1) 仕事で「やりがいを感じている」と回答した20代は約3割
(2) 仕事をする目的について、「お金のため」と回答した20代が94.3%、「自己実現のため」は44.1%
(3) やりたいことを「仕事」で実現したいと回答した20代は、25.3%

全年次の3割超が『役割が変化しない状況』に成長不安。2、4年目は『昇進・昇格できない』、3年目は『期待を聞いたことがない』状況にも不安を実感

「自分の成長」への不安は2年目が最も高く、「知識・スキル」への不安は4年目が最も高い。3年目はどちらも低い“く”の字傾向
・自分の成長に不安を感じる場面、全年次共通で3割超が「役割が変化しない」とき。 2、4年目は「昇進・昇格できない」、3年目は「期待を聞いたことがない」ときにも成長不安を実感
・自分の評価が適切ではないと感じる場面、2年目「昇進・昇格できない」、3年目「期待を聞いたことがない、褒められたことがない」、4年目「チャンスが回ってこない」とき
・自分の評価が適切ではない状況に対し、2、4年目は会社を辞めたくなり、3年目は不満を抱く
自分に足りない知識・スキル、2、4年目は「プレゼンテーション力」「発想力」、3年目は「計画力」「実行力」

転職において大変だと思うことは「自己PRや志望理由の作成」が最多。「良く言い過ぎると期待されすぎてしまい、謙虚すぎると選考通過が難しくなる」の声。/20代対象アンケート

転職活動で大変だと思うこと1位 「自己PRや志望理由の作成」
67.6%の20代が選択しました。
「良く言い過ぎると期待されすぎてしまい、謙虚すぎると選考通過が難しくなる」
「アピールも必要だと思うものの、自分の実力と企業が求めていることのミスマッチを生まないために、どの程度アピールするのが適切なのか迷いながら転職活動をしている」
「スカウトを受け取って、まだ企業理解を深められていない段階で志望理由を聞かれると戸惑う」
「志望理由を自分の言葉で話せる状態で選考に参加したいと思う。
 そのためにも、選考前にカジュアル面談などで企業理解を深める機会があると嬉しい」

転職活動で大変だと思うこと2位 「求人検索(応募したい企業を見つける)」
60.3%の20代が選択しました。
「多くの求人の中から希望に合致する企業を見つけるのが難しい」
「転職サイトやアプリを複数使用していると、選考不合格になった企業からスカウトが届くことがある」

転職活動で大変だと思うこと3位 「履歴書・職務経歴書の作成」
55.1%の20代が選択しました。
「プロジェクトのメンバーとして関わった仕事など、複数人で協力して取り組んだ仕事を、
 職務経歴書でどのように表現して良いか分からない。
 自分だけの成果ではないので、どの程度PRしたらいいか迷うことがある」
「第二新卒での転職だと職務経歴書に書けることが少なく、不安になることがある」
「在職中だとなかなか転職活動の時間を確保することが難しく、書類作成が進まず転職を断念したことがある」

人と組織が成長するキャリア自律支援サービス『プロテア』7,700名のキャリア資産に関する分析レポートを公開

・大企業はキャリア資産が高く、DX推進やリスキリング等の効果が影響していると推測
情報通信業や金融業など外部環境変化に伴う変革の必要性が高い業界は、キャリア資産向上傾向がある
・社外のステークホルダーとの接点の多い職種や研究・開発部門等の専門職はキャリア資産が高い
複業実施者は非実施者と比較して、生産性・活力・変身すべてにおいてキャリア資産が高い

情報通信業や金融業など外部環境変化に伴う変革の必要性が高い業界は、キャリア資産向上傾向がある
業種別にみると、情報通信業や金融業界、不動産業界においてキャリア資産が高い傾向が伺えます。これらの 業界は、外部環境変化に伴う変革の必要性がキャリア資産に影響していると推察されます。情報通信であれば 生活サービスへの参入、金融であればコンサルティング型への転換など、業界自体が変わろうとしていることが、キャリア資産から浮かび上がっていると見られます。

職種別にみると、経営者・社長室(経営企画)やマーケティング等、社外のステークホルダーとの接点の多い 職種や情報システムや研究・開発部門等、専門性が求められる職種は、キャリア資産が高くなる傾向がありま した。社外との接点が少ない職種においては、越境学習機会や自律学習など、業務以外の刺激が受けられる機会を創出することで、キャリア資産の向上につながる可能性があります。

複業実施者は非実施者と比較して、生産性・活力・変身すべてにおいてキャリア資産が高い
複業経験が、生産性資産、活力資産、変身資産のそれぞれの資産を増幅させる機会になっていることがわかりました。複業は越境学習経験として、一企業にとらわれない新たなビジネススキルの獲得や、ネットワーク構築の機会となるため、キャリア資産の項目増加につながっていることが推察されます。とりわけ、人生100年時代において最も必要とされる変身資産が最も差異が大きくでている点も、複業・副業制度に対して期待できる効果として考えられます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?