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シャチが好きすぎるので食べた話

「食べてしまいたいほど好き」ってあるじゃん。
それを実践してみようと思ったんです。


私はシャチが大好きです。あの濡れて黒黒とした肌の質感とか、どっしりとした重厚感あるフォルムとか、モノトーンでわかりやすい模様をしているのもいいですね。

みなさん、シャチのショーを観たことはあるでしょうか。ジャンプであがる水しぶきの激しさ。本当にすごいのでぜひ観てほしい!
あの大きな身体が水面に叩きつけられるのだから、もはや水しぶきというよりは水のかたまりが浮かび上がるようなものです。ショーを前列で観る際には相当な覚悟が必要です。かなり濡れます。

屋外ではなく、水槽側からショーを眺めるのもいいですね。ジャンプで水中に飛び込んでくるシャチの姿と、それに伴って生まれた気泡の舞う様子がたまらなく綺麗で、目も心も奪われてしまいます。何千キロもの身体が飛び込んでくるわけですから、水槽の水が一気にかき混ぜられたように、きらきらと泡立ちます。圧巻です。

そんな迫力あるシャチの姿に、まわりのお客さんの歓声があがるのも大好きです。
ぜひとも行こう、名古屋港水族館!


ところで、シャチって食べられるんでしょうか。
クジラは食べたら美味しいけど。

横浜に、「珍獣屋」というへんてこな名前の飲食店があります。名前の通り、いろんな生き物を食べられる楽しいお店です。名物は「異物混入プリン」。どんな食べ物かはご想像にお任せします、検索する際には自己責任で。

横浜に行く機会があったので、ついでに寄ろうかしら、と珍獣屋のメニューやお知らせをSNSでチェックしたところ、とある投稿が目に入ったのです。

「シャチ刺しをいただきました!」

行くしかないじゃん。食べてみたい。
好きな生き物を食べることについて、酷いと考える人もいるかもしれません。愛犬家に犬食の話をしたら、多分どん引きされます。なんなら縁を切られます。

ただ、私はシャチを食べることへの抵抗感はまったくありませんでした。私のために殺して食べるって言われたら断るけど、もう店に出ちゃってるし。生き物(私)が生き物を食べるのは自然の摂理だし。
そもそも私は残酷なところも含めて自然や生き物が好きなのです。シャチはいたずらで食べもしない動物を殺すこともあるけど、それでも好きなのです。

そんなわけで、来店&注文。

シャチの心臓が目の前に置かれました。カットされて調理された状態で。これが……シャチ……。

意外というかなんというか、そこまで感慨深いわけでもありませんでした。へぇそうなんだ、くらい。水族館で見る姿と比べて原型ありませんからね。
お肉は予想よりやわらかく弾力があります。心臓ってもっと筋肉っぽい固いイメージがありましたが、そうでもないんですね。いつか丸ごとを見てみたい。

味は、おいしい。あまりに語彙力がなさすぎるのだが、本当にただおいしい。
臭み、固さがまったくない。私が食べたことあるものの中で例えるなら、マグロのお刺身がいちばん近いかも。赤身っぽいお肉の味。歯ごたえはあるけど舌ざわりがよい。おいしい。ただおいしい。

ついでにラクダやスズメもいただきました。おいしかった。楽しいお店です珍獣屋。


その後、改めてシャチに会いに行きました。悠々と泳ぐシャチを眺めて、罪悪感が湧くようなこともなく。やっぱり美しいなあと思いました。


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