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エキストラのバイトをした時の話②

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(守秘義務のため、ある程度のフェイクやぼかしを入れつつ書いています。)

集合時間が朝早く、5時台の電車に乗った。
朝の5時、まだ真っ暗な時間帯にも、それなり乗客がいるから東京はすごい。

集合時間まで時間を潰すにも、まだカフェも空いていない早朝です。ビル風の冷たさと、がらんとした暗い街。コンビニで肉まんと白湯を買って、凍えながら道路脇に座って空を眺めます。手をポケットから出すと冷たいから、スマホすら触らない。冷たすぎて顔も手も足も痛い。

こんな凍える早朝からのエキストラにわざわざ応募したのは、とある目的のため。寒いし眠いし辛いけど、いつもよりわくわくです。というのも、今回私が申し込んだのは「着ぐるみ役」。着ぐるみの中の人を、一度でもいいからやってみたかった!わくわくしながら、迎えの車を待ちます。


そして現場に到着。着ぐるみ、サイズ合わず。


いや、身長とか靴のサイズとか、前もって確認しておいてくれよ。防げたでしょ、この悲しい事件。頼むよ。期待のやり場に困るだろう。
スタッフもちょっと困り始めました。「着ぐるみになれなかった方、どうします?」「こっちのチームいれる?」と話しているのが聞こえてきます。悲しすぎる。着ぐるみになれなかった方って呼び方やめてくれよ。

適当に役を割り振ってもらって、その日の撮影には無事参加することができました。服装も私服ベースで小道具もらってなんとかなった。
着ぐるみは別の方が担当することに。

今回の撮影での私たちエキストラの役割は「お祭り騒ぎ馬鹿騒ぎをしている人々」。
着ぐるみも、華やかな衣装の女の子たちも、法被姿のお兄さんもいます。全身スパンコールみたいな衣装もある!あれ着ろって言われなくてよかったー。


いざ、撮影。

わーいわーいとお祭り騒ぎを皆でやります。
踊る人、スキップする人、「ふぅー!!」と声をあげながら歩く人、にこにこ手を振る人、皆思い思いにはしゃぎまくります。
太鼓など、音の出る小道具をもらった人もいるようで、とんとことんとこ愉快なリズムも聞こえてきます。

演技の経験がない私は、楽しげなお芝居ができるかしらと少し不安だったのですが、賑やかな格好の人々や、賑やかな声や音に囲まれていると本当に楽しくなってきました。
というか、知らない大人たちが、撮影の合図でいきなり騒ぎ出すという状況が面白くて、素で笑えてくる。

そして、カット!!の声で、皆がすんっと何も無かったような顔で立ち止まり、また初めの場所に歩いて戻り、指示を待ちます。

なにより本当に、このテンションのON/OFFが面白い。あなたさっきまでウェーイしてたじゃん。いきなり落ち着くなよ。傍から見ると、まあまあ狂気的な集団です。

あと、撮影されてない時のOFFモードの着ぐるみの哀愁がすごくよかった。着ぐるみのテンションが切れる瞬間ってあんまり見られるものじゃないもんね。
着ぐるみさんはトイレいくのも大変そうでした。

着ぐるみのON/OFFと聞いて、まず思い浮かぶのはこいつ


ハイテンションなお芝居を繰り返していると本当にちょっとテンションが上がってくるもので、監督のOKがでると皆でわーいと拍手。不思議な一体感のなかで楽しく撮影できました。

今回はお昼をまたいで丸一日かけての撮影だったので、お弁当もいただけたのですが、お昼もまわりの子が声掛けてくれておしゃべりしながら楽しく食べられてよかった。


ああ、楽しかった。本来の目的である着ぐるみはできなかったけど、これはこれでいい思い出になりました。でも、やっぱり着ぐるみはやりたかったな!!

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