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【note版】スルースキル実践トレーニング

このnoteに興味を持って頂きありがとうございます。

僕は現在、職場の人間関係で悩んでいる人に向けて主に職場にいる攻撃的な人に関する悩みに対して解決のヒントになる情報を発信しています。


他人を攻撃する人の対処法を解説した本がありますよね。

ですが、そういった書籍は攻撃する人の分析は詳しいのですが、分析よりも重要なはずの対処法がないものが多いと個人的に思っています。


対処法の解説があったとしても
・そういう人とはなるべく付き合わないようにしましょう
・攻撃する人をかわいそうな人だと思いましょう
こういったものが多いです。

もちろん具体的で実践的な内容を解説している本もありますが、残念ながら一部の本ではないでしょうか。

このnoteは実践を前提として作成しました。

受け流す

★このnoteがオススメの人★
・職場にマウントをとる人や高圧的な人がいる
・一緒に働きたくない人が職場にいるけど、今のところ仕事を変えるつもりはない
・スルースキルを身に付けたいけど方法がわからない


このnoteはススルースキルを身に付けるための実践ガイドです。

このnoteの内容を実践するうえで「言い返さない我慢もしない穏やかな気持ちで過ごすこと」という状態がゴールだと考えてください。

物理的に距離を置くことができない状況で悩んでいる人に、無理して仕事を変えることなく穏やかな気持ちで過ごせる毎日を取り戻してほしいと思っています。

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スルースキルを身に付けることによって、我慢とは別の感覚が得られるでしょう。

苦手な人と一緒にいても萎縮もせず、心が削られなくなります。

自分に自信が持てるようになるので、マウントをとられても気にならなくなります。

嫌いな人と物理的に距離が置けなくてもスルースキルを身に付けて楽しく過ごしましょう。


【プロローグ】本当のスルースキルとは?

プロローグ

ネットでも高圧的な上司、面倒なお局さん、上から目線の同僚など攻撃する人の対処法があります。

いろんな対処法があると思いますが、
・職場に合わない人がいるけれど転職するつもりがない
・相談したけれど何も変わらず改善しそうにない
・距離を置きたいけれど同じ職場にいるから物理的に距離を置くことができない
こういう悩みがあるなら解決方法はスルースキルしかないです。

スルースキルを身に付けることによって、簡単には心が折れなくなります。
他人から言われたことで一喜一憂しなくなるので心が安定します。


ちなみにこのnoteは他人を攻撃する人の特徴や心理については解説していません。

攻撃的な人の特徴や心理はネットでいくらでも情報収集できるので、このnoteでわざわざ解説する必要はないと考えました。

特徴や心理についてはいっさい触れずに対処法だけを解説しています。


対処法に関してですが、攻撃的な人と距離を置くことが理想です。

ただ物理的に距離が置けないことで悩んでいる人が多いですよね。

ですから同じ職場にいて離れられないことを前提にこのnoteを作成しました。

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人間関係でストレスをためる人は言い返すか我慢するかになりがちです。

穏やかな気持ちで過ごすためには相手を理解することと受け流すことが必要です。
「この人ちょっとおかしいな」と思う相手には理解することが難しいと思います。
だからこそ、スルースキルが必要です。


このnoteの内容

プロローグ2

僕が解説するスルースキルには3つの要素があります。
①心を整える
②自尊心を育てる
③境界線を引く
この3つです。


そして、この3つの要素をさらに5つの考え方に要素分解しました。

5つの考え方はスルースキルの基本の型として常に意識してほしいことなのですが、スルースキル基本の型は1章で解説します。

スルースキル基本の型を実践すると、自分の世界に入り込むことができます。

自分の世界に入り込めれば、不必要に反応することがなくなり心のダメージが激減するはずです。

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【1章】スルースキル基本の型

1章ではスルースキルに必要な3つの要素や基本となるスタイルを解説します。
・スルースキルに必要な3つの要素
・ポジティブ思考とポジティブイメージの違い
・スルースキルの基本となる5つの考え方etc


【2章】高圧的な人にストレスをためない心の整え方

・イヤな感情を一瞬で消すマル秘テクニック
・不快な感情を手放す4つのアプローチ
・出来事に対する別の解釈や視点を持つetc


【3章】マウントをとる人の言葉をスルーする自尊心の育て方

・心の地雷を見つけて乗り越える方法
・自分の世界観をつくって「自分は自分」と考える方法
・自尊心を満たすライフスタイルetc


【4章】攻撃する人から自分を守る境界線の引き方

・攻撃的な人を●●だと考えると楽しくなる
・心のバリアでダメージ回避
・3つのリアクションを使い分けるetc


★このnoteのコンセプト★

コンセプト

スルースキル基本の型を職場で実践して嫌いな人との心理的な距離をつくり、どうでもいい批判に心が折れないように自尊心を満たす自分軸を構築する

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このnoteは実践することを前提に作成しているためワークやエクササイズがあります。

ワークは自分と向き合うための質問で、エクササイズは習慣にしてほしいことや実行してほしいことです。

ワークの答えとエクササイズの内容が具体的な実践内容だと考えてください。


ワークはあなたにとっての最適な行動で、人によって答えが違います。

エクササイズは思考習慣や意識してほしいことで、実践する人の共通した内容です。


自分と向き合うことが解決方法という考え方でnoteを作成したので、以下のような人にオススメです。

・1人でいる時間が好きで内省が苦ではない方
・自分と向き合い簡単には折れない自信を手に入れたいと思っている方
・相手を変えようとするのではなく、自分を成長させて問題を解決しようと思える方

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ワークは自分と向き合う作業で、エクササイズは自分を成長させることです。

「他人を攻撃する人が悪いのになんで自分が努力しなければいけないのか?」と考えてしまう人には向かない内容かもしれません。

以下のような人にはオススメできません。

・自分を成長させることなく相手に変わってほしいと考えてしまう方
・内省が嫌いで考えること作業をしたくないと思っている方
・自己成長なしで簡単に悩みが解決すると考えてしまう方

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あなたは「スルースキルが高い人は自分軸で生きている」と聞いたことがありますか?

このnoteは自分の世界観をつくって自分軸で生きるための考え方を解説しています。

ですから嫌いな人と完全に違う世界観で生きようと思える人にはこのnoteは合っています。


自分軸で生きて嫌いな人との心の距離を遠ざけたいと思っている人にはオススメの内容です。

逆に相手との関係性を改善したいと考えている人にはオススメできない内容です。


1章は無料で公開するので、お試しで読んでください。

1章を読んでもっと知りたいと思ってくれた方で、「買ってもいいかな」と思ってくれたらうれしいです。


スルースキルは鈍感力?

プロローグ3

スルースキルは鈍感力だと言われていますが、「鈍感になったらロボットみたいになるのでは?」と疑問に思うのではないでしょうか。

本当のスルースキルは鈍感力ではありません。


鈍感になることは感じないようにすることです。

たとえば、すごく大切な人が亡くなったときに悲しい気持ちにならなかったら、それこそ悲しいことですよね。

可愛がっていたペットが死んでしまったときに「気にしない気にしない」と考える人がいたら、「本当に愛があったのか?」と疑ってしまいますよね。


ネガティブな感情になることがダメではなく、どうでもいい人のどうでもいい言葉に振り回されることがよくないことです。

本当のスルースキルとはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力です。

自己コントロール力を高めることによって、リアクションするかしないかを自分の意志で決められるようになります。

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悲しむべきときは悲しんで、ときに怒りも感じることが人間らしさです。

心の安定は重要ですが、感受性を犠牲しては意味がありません。

とはいえ、感受性だけだと傷つきやすくなるので、情緒安定性との両立が必要です。

スルースキルは感受性と情緒安定性を両立させることだと考えてください。


僕は昔、1時間おきに気分の浮き沈みがありました。

「こんな人に見下されるってことは自分ってダメ人間なのか?」と考えていた1時間後に「いいや自分はやればできるはずだ」と考えていたのです。

落ち込んでは鼓舞して、鼓舞しては落ち込むというサイクルをくり返していた時期があります。


落ち込む原因となった出来事はたくさんあって、上司にビンタされる、年下からマウントをとられる、怖い先輩から蹴られるなど挙げればキリがありません。

過去の僕は精神的にも弱くてターゲットにされやすい人でした。

いろんな勉強をして心を強くして今では情緒安定性が強みになっています。

ビッグファイブ


ビックファイブという性格診断テストを受けてのですが、なんと結果は100点ですよ!

それでいて充実感を感じる毎日を過ごしていています。

内面から強くなれたので、ターゲットにされにくくなりました。


僕は自己主張しようと思えばできますが、ちゃんとした対話ができない相手に対しては面倒だから何も言い返しません。

なぜならマウントをとる人と議論する価値がないと思っているからです。

”言えない”のではなく、あえて”言わない”という選択をするようになりました。


もちろん我慢している感覚もなく、まさにスルーできている状態です。

言い返さず我慢もせず穏やかな気持ちで過ごせるようになっています。


スルースキルは人の話を聞かないこと?

プロローグ4

スルースキルに関してよくあるのが「人の話を聞けなくなるのでは?」という疑問です。

・「話を聞いているのか?」と言われた
・「涼しい顔がなんかムカつく」と言われた
このような話も聞きます。


本当のスルースキルは人の話を聞かないことではありません。

あくまで重要でないと判断したことのみスルーしましょう。

くり返しになりますが、スルースキルはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力です。


相手の話は聞くけれど、それをどう受け止めるかは自分次第です。

傷つくか傷つかないか?怒るか怒らないか?

自己コントロール力を高めると、自分で感情の選択がある程度できるようになります。


あくまでスルーするのは心だけで、話を聞かずに無視することではありません。

仕事でミスをしたら、それに対する対処と謝罪は必要ですよね。

でも、上司に怒られても落ち込まないという選択肢があっていいのです。


「いやいや、落ち込まないって本当にできるの?」という疑問が残ると思います。

だからこそ、スルースキルの3つの要素の中に心を整えることと自尊心を育てることを入れました。

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スルースキルはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力だとお伝えしました。

だからそのことが重要か重要でないかの判断も必要です。

重要か重要でないかの判断は4章の「境界線を引いて適切なリアクションを考える」のところで解説します。


「もし、涼しい顔がムカつくと言われたらどうすればいいの?」という疑問もありますよね。

「スルーすることに対して相手が文句を言ってきたらどうすべきか?」も4章で解説します。


【1章】スルースキル基本の型

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プロローグでスルースキルはどうでもいいことに反応しない自己コントロール力だとお伝えしました。

どうでもいいことで不快な感情を引きずらないマネージメント力ともいえます。

能力が高くてもメンタルが極端に弱かったら仕事が長続きしにくいですよね。

ですから、心を整える練習をしましょう。


心を整えながら心理的に距離をつくることがスルースキルの基本です。

1章では前提として必要な知識とスルースキル基本の型を解説します。


★1章で解説すること★
■スルースキルに必要な3つの要素
■思考で感情をマネージメントする
■スルースキル基本の型5つ


スルースキルに必要な3つの要素

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スルースキルには3つの要素があるとプロローグでお伝えしました。

ここでは3つの要素について解説します。


■スルースキルに必要な3つの要素
【要素①】心を整える
【要素②】自尊心を育てる
【要素③】境界線を引く

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【要素①】心を整える

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受け流すためには心を整えることが必要です。

不愉快なことを言われたら気分は不快ですよね。

その不快な気分を解消するために心を整えることが必要です。


心の整えることができれば、上司に怒られても気持ちの切り替えが早くなります。

気持ちの切り替えが早くなれば、ミスを引きずることもなくなり職場で萎縮しなくなります。


【要素②】自尊心を育てる

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自尊心とは自分に価値を感じる気持ちのことです。

自己肯定感という言葉が今では広く認知されていますよね。

自尊心も自己肯定感も英語では同じ「self-esteem」です。
※self=自己、esteem=尊重する
「自己を尊重する気持ち」というのが直訳※


受け流すためには「self-esteem」が重要です。

人から悪口を言われたときになぜ傷つくのでしょうか?

マウントをとられたときになぜ怒りを感じるのでしょうか?

それは自分の価値が下がったという感覚になるからです。


他人を攻撃する人は「お前は価値がないよ」というメッセージを送っています。

マウントをとる人は「お前はオレより価値が低いよ」とあなたに伝えたいのです。

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攻撃する人は相手の自尊心を傷つけたいという意図があります。

だからこそ、簡単には傷つかない自尊心を手に入れる必要があります。

心の底から「自分には価値がある」と思えれば、簡単には心が折れません。


自尊心を育てることができれば、マウントをとられても気にならなくなります。

「これが真に受けないってことか」と体感できるようになるでしょう。

自尊心はスルースキルを身に付けることにおいてキーになる要素です。


ちなみにこのnoteで解説することはスルースキルにつながる自尊心の話をします。

一般的な自己肯定感の考え方や自尊心の話はしません。


【要素③】境界線を引く

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「攻撃する人から離れましょう」とよく言われますよね。

同じ職場にいる人と物理的に距離を置くことができないから悩むわけですよね。

ですが、境界線を引くことによって、その問題は解決します。


僕ら日本人にはあまり馴染みがない概念ですが、人間関係には境界線という考え方があります。

自分と他人との間にある境界線のことをバウンダリーと呼びます。


境界線を引くことは自分と他人を区別する感覚す。
・どこまでが自分の責任で、どこからが相手の責任なのか?
・これは誰の所有物なのか?
・それは誰がやるべきか?誰ならできるのか?
こういった判断基準を持って「これは自分の責任で、これは自分の責任の範囲外」と考えます。


境界線の引き方で自分と相手との距離感が決まります。

「境界線を引くと孤立するのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。

ですが、境界線を引かなかったら身勝手な人に振り回される可能性もあります。

境界線を引くことはドライになることではなく、境界線を引くことは自分を守るために必要だと考えてください。


自分の責任の範囲内にあるものを総称して「課題」と呼びます。

「これは私の課題で、これは相手の課題だ」と考えることが境界線を引くことです。

課題には所有物などの有形ものと感情や価値観などの無形のものがあります。

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特にポイントとなるのが自分の感情を他人の課題だと考えないことです。

たとえば、部下が仕事でミスをしたらミスをしたことは部下の責任です。

それによって発生する上司の怒りは上司の課題だと考えてください。

もちろん、部下がわざと上司を怒らせていいという意味ではありません。

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上司は部下に指摘することは必要ですが、その指摘によって部下が落ち込むのは上司の課題ではありません。

上司から指摘されたときに落ち込んだ気持ちを回復させるのは部下の課題です。


「じゃあ上司は部下にどんな言い方をしてもいいんですか?」というのが疑問だと思います。

ミスの指摘や仕事の指導は必要ですが、傷つける目的で発言することはダメです。

部下がわざと上司を怒らせたのなら、それは上司に対して攻撃していることと同じです。


それと同じように上司が部下の人格を否定する発言をしたら、それは部下の感情に対して攻撃していることになります。

仕事に必要な指摘と攻撃との差は相手を傷つける意図があるかないかの違いです。

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感情も含めて相手のエリアにあるものに攻撃をすることを「境界線を越える」という言い方をします。

あるいは「バウンダリーオーバー」と表現することもあります。


境界線を越えることは不法侵入のようなイメージです。

改善を望んで上司が部下に指摘することは仕事として必要なことですよね。

それによって部下がどう感じるかは部下の課題です。


ですが、部下の自尊心を傷つける目的で上司が発言をするのは境界線を越えることです。

だから悪意のある発言をスルーするのは失礼なことではありません。

悪意のある発言をスルーするのは、セキュリティー対策のようなものだと考えてください。


上手に境界線を引けるようになると、機嫌の悪い人がいても悪影響を受けにくくなります。

自尊心と境界線をセットで学ぶとさらに効果的です。

自尊心と境界線を学ぶことによって、「相手と同じ土俵で戦わない」の意味を理解するだけでなく実践できるようになります。


思考で感情をマネージメントする

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感情は外的要素と内的要素の2つの要素から影響を受けます。

外的要素は出来事、人間関係、環境などがあり、内的要素は思考と行動です。

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攻撃的な人の言動は外的要素です。

外的要素には重要なことだけでなく、どうでもいいこともあります。
マウンティング発言など攻撃的な言動はあなたにとって重要ではない情報だと理屈ではわかっていますよね。

でも、つい反応してしまうからこそスルースキルが必要です。


自己コントロール力を高めることによって、どうでもいいことに反応しなくなります。

自己コントロールとは内的要素である思考と行動をマネージメントすることです。

特に職場の人間関係の悩みで重要なのは思考をマネージメントすることです。


行動の要素にはコミュニケーションをとることがあります。

相手が健全な人ならコミュニケーション能力を磨くことは有効です。

それによって良好な人間関係が構築できますよね。


ですが、相手が自分のことを否定する人だったらコミュニケーション能力で解決しません。

そもそも相手が自分の自尊心を傷つけたいと考えているなら、話し方を変えても聞き方を変えてもムダになることが多いです。


もし、コミュニケーション能力を高めたいと思ったら、まずは折れない自信を持ってからにしましょう。

自尊心を満たしたうえで話し方や聞き方を変えるほうが望ましいです。


ちなみに自己コントロール力を失うことを「操縦席が乗っ取られる」という表現をします。

「操縦席が乗っ取られる」とは感情に振り回されることです。

自分をコントロールする操縦席が乗っ取られると望んだ目的地に到着しません。

いわゆる「売り言葉に買い言葉」の状態が自己コントロール力を失っている状態です。

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本来の目的は相手に言い返すことではなく、仕事であれば作業を完了させることが目的のはずですよね。

感情に振り回されることは、九州に向かうはずだったはずの飛行機がなぜか北海道に到着してしまうことと同じです。

冷静さを失うとあなたの操縦席は乗っ取られます。


そして、操縦席とはあなたの脳のことです。

自分をコントロールする操縦席は脳にあります。

ですから「思考=自分の操縦席」だと考えてください。

ここでは思考について解説します。

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★ここで解説すること★
思考で感情をマネージメントする
■気分のアップダウンの原因は反芻
■ポジティブな要素を見つける認知的な思考
■状況と切り離した非認知的な思考

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気分のアップダウンの原因は反芻

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上司から怒られたときのことを想像してください。

キツイ口調で責められたときに内容が正論であっても理不尽であっても、言われた言葉が頭の中に残ることはないでしょうか?

・「あんな言い方しなくていいのに!本当にムカつく人だな」
・「上司が言うように自分は頭が悪いのかな?この仕事に向いていないのかな?」
このようにイライラや落ち込む原因となる思考を反芻(はんすう)と呼びます。

反芻

ネガティブな思考をくり返してイヤな感情をくり返し味わうことが反芻です。

イヤな気持ちにさせるものが頭の中をグルグルとかけ巡るから反芻は「グルグル思考」とも呼ばれています。

スルースキルを身に付けるためには、グルグル思考である反芻をやめることが必要です。


たとえ上司がネチネチ言わなくても、自分がそのことを考え続けるとどんどん落ち込んでいきます。

反芻することによって心にダメージを受け続けるだけでなく、冷静な判断もできなることもあります。

仕事でミスをしてしまったときこそ、考えすぎないことが大切です。


「仕事でミスをしたら原因を考えることも必要ですよね?」という疑問が残ると思います。

「何でもスルーしたら成長しないし周りにも迷惑がかかるのでは?」とも思うでしょう。


思考にも望ましい考えと望ましくない考えがあるので分けて考えましょう。

望ましい考え方をリフレクションと呼び、望ましくない考え方をブルーディングと呼びます。

リフレクションの意味は内省で、分析のようなイメージを持ってください。

内省は自己分析や問題の原因を考える思考です。


それに対して、ブルーディングはグルグル思考である反芻です。

リフレクションは自分も他人も責めずに自分の内面や原因と向き合う作業だと言っていいでしょう。

ブルーディングは自分または他人を責めて、ネガティブな感情を引きずることです。


「この問題の原因は何だろう?」とか「さて、どうするかな?」と考えることには意味があります。

ですが、「どうしてこの人はキツイ言い方をするの?」や「自分は無能なダメ人間なのか?」と考えても何も解決しません。

自責も他責も意味がありません。

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もちろん、自分に非があることに関しては謝ることは必要です。

でも罪悪感を抱えることが目的ではないはずです。

罪悪感を引きずったままだと萎縮してしまいます。

萎縮すると仕事のパフォーマンスが下がるはずです。


大事なのは落ち込むことではなく、改善することですよね。

だから反省ではなく分析しましょう。

落ち込んだ表情だとマウントをとる人が喜びます。

クヨクヨ悩むのなら反省と反芻は同じだと言っていいでしょう。


「なんで自分はこんなミスをしてしまったのだろう?」と考えるのが反省で、「さて、どうするかな?」と考えるのが分析です。

反省=反芻、分析=内省と考えても大丈夫です。


【エクササイズ①】
■仕事でミスをしたときや上司に怒られたときのマインドセット
反芻ではなく内省する


ポジティブな要素を見つける認知的な思考

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グルグル思考をやめることが気持ちを切り替えるうえで大事です。

でも人間には脳があるから「考えないでください」と言われても考えてしまいますよね。


たとえば「ダイエットをするなら甘いものを食べちゃダメだ」と考えたとしましょう。

「甘いもの禁止!甘いもの禁止!甘いもの禁止!」と考えながらコンビニに入ったらどうなると思いますか?

おそらくデザートのコーナーやお菓子のコーナーが気になってしまうでしょう。

「甘いもの禁止!」は「甘いもののことを考えてください」と同じなのです。


考えたくないことを考えないためには別の何かを考えましょう。

相手の言っていることが正論であっても理不尽な内容であっても、自責の思考も他責の思考も意味がありません。

必要な思考は分析と気持ちを切り替える思考です。


不快な感情を手放して気持ちを切り替えるアプローチには、認知的な思考と非認知的な思考の2つがあります。

まずは認知的な思考から解説したいと思います。


認知的な思考とは出来事や状況に対して、
・どう解釈するか?
・どんな捉え方をするか?
・どんな判断をするか?
こういった考え方が認知的な思考です。


認知的な思考の1つにいわゆるポジティブ思考があります。

ポジティブ思考にも賛否がありますが、なんだかんだポジティブ思考も必要です。

その状況でポジティブな要素を見つけることができれば気分が変わります。

仕事のモチベーションも回復するでしょう。

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そして、認知的な思考はさらに2つの要素に分けることができます。

出来事や状況の解釈と自分の価値観や考え方の2つです。

「~であるはずだ」という思い込みと「~であるべきだ」という価値観です。
・出来事の解釈に対して「今とは別の視点を持って違う捉え方ができないか?」
・価値観に対して「自分の考え方にこだわりすぎず、もっと柔軟に考えられないか?」
こうした問いで考え方を変えることができます。


認知的な思考をどう変化させるかは2章の「思い込みを疑う反論思考」で解説します。

「ポジティブ思考が自分を苦しめることもあると思います」という意見もあるでしょう。


確かにポジティブ思考することで、前向きになるどころかもっと苦しくなることもあります。

たとえば、上司に「お前は使えないな」と言われたら、その言葉からポジティブな要素を見つけることはできないはずです。

上司にお前は使えないなと言われたことに対して、「この言葉も実は愛のムチだ」と考えることがポジティブ思考です。


自分の思い込みで相手を敵対視することはよくないので、事実と解釈は分けましょう。

ですが、どう考えても悪意を感じるのときは「この人は自分を傷つけようとしているのか?」という解釈は正しいと言えます。

事実と解釈が一致することも少なくありません。

どうしてもポジティブ思考がうまくいかないときは認知的な思考ではなく、非認知的な思考で対処することがオススメです。

非認知的な思考は次のチャプターで解説します。


★認知的な思考の2つの要素★
■1つは「自分はその出来事をどんな視点を持ってどう解釈しているか?」
■2つ目は「自分はどんな考え方や価値観を持っているのか?」
■「今とは別の視点を持って違う捉え方ができないか?」と考えると別の解釈が持てる
■「自分の考え方にこだわりすぎず、もっと柔軟に考えられないか?」と考えると柔軟に考えられる


状況と切り離した非認知的な思考

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仕事中に「週末にあれをやろう」と想像すると楽しい気分になると思います。

逆に仕事の失敗をプライベートで思い出したら気分はちょっとネガティブになりますよね。

出来事や状況にひもづく思考が認知的な思考です。

それに対して出来事や状況にひもづかない思考が非認知的な思考です。


3秒でいいのでネコを思い浮かべてください。

ちょっとだけ癒されませんか?

認知的な思考がポジティブ思考なら、非認知的な思考はポジティブイメージです。


どうしてもポジティブ思考ができない状況では、非認知的な思考で気持ちを切り替えましょう。

「失敗したことを喜べないけど、いい経験になった」と思えることがポジティブ思考です。

これは出来事や状況に関係している考え方ですよね。

それに対して、仕事中にかわいいネコを思い浮かべることがポジティブイメージです。

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目の前の作業とネコには何の関連性もないですよね。

状況と切り離した思考が非認知的な思考です。

出来事に関係のないポジティブな何かを思い浮かべることをポジティブイメージ法と呼びます。


ポジティブイメージ法を実践することによって、ポジティブ思考ができない状況でもいい気分をつくることが可能です。

ポジティブ思考とポジティブイメージ法のどちらが優れているかというはありません。

この2つの考え方に優劣はなく、どちらも実践するようにしてください。


スルースキル基本の型5つ

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これまでの内容は僕が考えるスルースキルに必要な前提として必要なことを解説してきました。

ここからはスルースキルの実践の解説をします。


スルースキルの基本の型は思考で自分をマネージメントする考え方で成り立っています。

そして、思考には出来事や状況に関連する認知的な思考と出来事や状況に関連しない非認知的な思考の2つがあります。


また、スルースキルに必要な要素は
①心を整える
②自尊心を育てる
③境界線を引く
この3つだとお伝えしました。


3つの要素×認知的な思考or非認知的な思考の組み合わせが僕の考えるスルースキルです。
例)心を整える×非認知的な思考、境界線を引く×認知的な思考etc

これらの組み合わせで5つの考え方にまとめした。

5つの考え方にまとめたものがこれから解説するスルースキル基本の型です。


スルースキル基本の型を実践することによって、攻撃する人からの悪影響が減ります。

さすがに心のダメージがゼロというわけにはいきませんが、かなりストレスが減るはずです。


★スルースキル基本の型5つ★
①頭の中で好きな音楽を再生して常に心を整える
②不愉快なことを言われたら気分がよくなるものをイメージして心を整える
③第三者のように聞いて当事者として行動する
④常に内省モードで作業して、リアクションが必要なときも内省モードをキープする
⑤相手の機嫌の悪さは相手の課題だと考える

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①頭の中で好きな音楽を再生して常に心を整える

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「職場の人にこういうことを言われて傷ついたのですが、こういうときはどうすればいいですか?」という悩みは多いです。

不快な気持ちを味わったときだけ「何かいい方法はないかな?」と探しがちですよね。


でも、不愉快な出来事が起きたときだけでなく、常に心を整えることが必要です。

常に心を整えるために頭の中で好きな音楽を再生しましょう。

この方法は「心を整える×非認知的」の考え方です。


人からイヤなことを言われると心のペースが乱れますよね。

イライラさせられることもあれば、萎縮してしまうこともあるでしょう。

頭の中で音楽を再生すると、心のペースを自分でつくりやすくなります。

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イヤホンで音楽を聴いてもいいのですが、脳のトレーニングとして頭の中で音楽を再生することにも慣れましょう。

まずは通勤時にイヤホンで音楽を聴いて、職場に到着したら脳で再生することから始めてください。

慣れてきたらイヤホンで音楽を聴く回数を減らして、頭の中で音楽を再生する回数を増やしましょう。


この方法に限らずですが、イヤな出来事が起きたときだけでなく常に実践してください。

常に心を整えておけば心にダメージを受けることがあってもダメージが小さくなります。

気持ちの切り替えが早くなります。


では、仕事中に頭の中で再生したい音楽を考えみましょう。

【ワーク①】
Q仕事中に頭の中でどんな音楽を再生すると気分がよくなりそうですか?
10曲ぐらい考えてください。お気に入りの曲のプレイリストを頭の中につくり常に心を整えましょう。


②不愉快なことを言われたら気分がよくなるものをイメージして心を整える

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不愉快なことを言われたら気分がよくなるものイメージすることについて解説します。

この方法も「心を整える×非認知的」で、やり方はスルースキル基本の型①と同じです。


頭の中で好きな音楽を再生して、不愉快なことを言われたら気分がよくなるものをイメージしましょう。

頭の中で音楽を再生するのは心のペースを快にキープするためです。
それに対して気分がよくなるものをイメージするのは心を回復させるためです。


気分がよくなるものなら何でもOKですが、オススメは癒しを感じるものです。

好きな異性のタイプをイメージしてもOKです。

子供が好きなら子供をイメージして、犬が好きなら犬を思い浮かべましょう。

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方法を知るだけよりも具体的に決めると実行しやすくなります。

「もしAになったらBをする」という考え方をif-thenプランニングと呼びます。

if-thenプランニングで決めておくと、いざ不愉快なことを言われたときに実行しやすいです。

「もし上司から嫌味を言われたら私は◯◯を思い浮かべて心を整える」のように考えてください。

この「◯◯」をあらかじめ決めておきましょう。


不愉快なことを言われたときに気分がよくなるものをイメージすると、気持ちの切り替えが早くなります。


【ワーク②】
Qあなたの気分がよくなるものは何ですか?それをイヤなことが起きたときにイメージしましょう。
また職場であなたに不愉快なこと言う人は誰ですか?「Aさんにイヤなことを言われたらBを思い浮かべて心を整える」のように決めておきましょう。


③第三者のように聞いて当事者として行動する

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3つ目の型は「自尊心を育てる×認知的」の考え方です。

正確には自尊心を育てるというより自尊心を傷つけないための考え方です。

何でもスルーすることはよくないことですよね。

でも何でも真正面から受け止めていたら心が折れます。


プロローグで「スルーするのは心だけで、話を聞かずに無視することではない」とお伝えしました。

仕事で手を抜かないほうがいいですが、精神的なラクは必要だと考えてください。

なぜなら自尊心を傷つけることが目的ではなく、成長することが大事だからです。


感情のラクと行動のラクを分けて考えましょう。

仕事でミスをしても自分を責めないでください。

行動のラクはダメですが感情のラクは必要です。

感情的にラクをするためには、たとえ自分が当事者であったとしても第三者のように相手の話を聞いてください。


「部下を甘やかしてはいけない」と考える上司の中には、苦痛を与えることが正解だと思っている人がいます。

でも、心のラクがないと苦しくなるだけです。


仮に自分がミスしてしまったとしたら、それは自分の責任です。

だから当事者として行動する必要がありますよね。

感情のラクを求めてやるべきことをやるために「第三者のように聞いて当事者として行動する」と考えてください。


自分の心の声を第三者のように距離を置いて見ることを心のディスタンシングと呼びます。

自分の気持ちに距離をとり見つめ直すことです。

自尊心が傷つくかもしれないことに対して、少し距離を置いて見るイメージを持ってください。

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自分のミスをまるで第三者のように考えてください。

「そうなんだミスしちゃったんだね」と心の中でつぶやくイメージです。

心だけ未来にワープさせて「あのときは大変だったね」と考えるのも効果的です。

第三者のように考えることや心だけ未来にワープさせると、今この状況で自尊心を傷つける原因から心の距離を置いていることになります。

でも自分のミスであることは事実だから当事者として行動します。


他人から言われたことが理不尽な内容なら、なおさら第三者のように聞くことが必要です。

正論であるなら第三者のように聞いて当事者として行動しましょう。


「第三者のように聞いて当事者として行動する」を言い換えると次のような言葉になります。
・必死にもがき苦しむのではなく本気で頑張る
・深刻に考えるのではなく真剣に考える
・泣きながら我慢するのではなく楽しみながら努力する
・手を抜くのではなく肩の力を抜くetc

言葉遊びがしたいわけではありません。

このようなマインドセットを持たないと苦しいだけです。


【エクササイズ②】
■仕事でミスをしてしまったときや誰かが自分に怒っているときのマインドセット
第三者のように聞いて当事者として行動する


④常に考え事をしながら作業して、リアクションが必要なときも内省モードをキープする

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4つ目の方法は「境界線を引く×非認知的」です。

常に考え事をすることは自分の世界に入り込むことだと考えてください。

没頭、集中、夢中といった言葉で解釈しても大丈夫です。


自分の世界に入り込みつつもリアクションが必要なときはちゃんとリアクションしましょう。

思考を一時的にストップさせても再び自分の世界に入り込んでください。

ちゃんとリアクションしていれば「話を聞いているのか?」と言われることはありませんよね。


相手の話を聞くことは必要でも、すべての言葉を真正面から受け止めなくていいです。

特に悪意のある言動なら自分の世界に入り込んでスルーしてください。


このnoteで感情に影響を与えるものは内的要素と外的要素の2つだとお伝えしました。

自分の考え事は内的要素で、他人の不愉快な言動は外的要素です。


常に内省モードをキープすることによって、悪意のある言葉をブロックして脳をと心を守ることができます。

考え事をして自分の世界に入り込むことは心のバリアのようなものだと考えてください。

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常に内省モードというのは少しだけ心の扉を開けて会話をするイメージです。

心の扉を全開にオープンする必要はありません。

相手の話が重要な話であれば話を聞くことに集中しましょう。

ですが、重要でないものは別の何かを考えながら相手の話を聞いたください。


これは僕の個人的な意見なので必ずしもマネする必要はありませんが、どうでもいい内容の話であれば僕は意識の8割以上は自分の思考に向けます。

誰かの愚痴を聞かされる状況では「ごめんなさい聞いてなかったです」と答えるのもアリだと思っています。

相手との関係を悪くしたくないならオススメできませんが、そういう考えの人もいると知っておいてください。


では、具体的に何を考えればいいでしょうか?

スルースキル基本の型の1つである頭の中で好きな音楽を再生するのがオススメです。

プライベートの予定などの考え事をしていいですし、作業のダンドリなど仕事の考え事をするのもいいでしょう。

とにかく不快な感情させられる言動からフォーカスをはずして、できるだけ自分の思考に意識を向けましょう。


■内省モードをキープしながらリアクションする例
・上司の小言を聞きながら頭の中では音楽を再生する
・お局さんの悪口を聞きながらプライベートの予定を考える
・同僚のマウンティング発言を聞きながら仕事のダンドリを考えるetc

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あなたは「自分の世界に入り込みすぎると人とちゃんとしたコミュニケーションがとれないのでは?」と思ったかもしれません。

「自分の思考に意識を向けているときは、そもそもちゃんとリアクションできますか?」という疑問もあると思います。


心を整えることや内省することは自分の内側に意識を向ける作業です。

相手の話にリアクションすることなど仕事に必要なのは外側への意識が必要ですよね。

リアクションはと内省モードでは意識のベクトルが逆です。


パソコンの作業は自分のことにだけ集中しやすいからスルースキルを発動させやすいはずです。

逆に接客業、電話の応対、相手から話しかけてくる場合などは、スルースキルを発動させにくいと言えます。

内省モードをキープしながら相手の話にリアクションするためには、内側への意識と外側への意識の配分を練習することが必要です。

トレーニングして慣れていきましょう。

内側への意識と外側への意識の適切な配分や判断基準は4章の「境界線を引いて適切なリアクションを考える」で解説します。


【エクササイズ③】
■心のバリアのために必要な考え方
常に考え事をしながら作業して、リアクションが必要なときも内省モードをキープする


⑤相手の機嫌の悪さは相手の課題だと考える

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5つ目の考え方は「境界線を引く×認知的」です。

このnoteで自分の責任の範囲内にあるものを総称して「課題」と呼ぶとお伝えしました。

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課題の中には感情も含まれます。

相手がどんなに怒っていても、その怒りは自分の課題ではありません。

相手は怒るという選択もできれば、怒らないという選択もできます。


あなたには自己コントロール力を高めて怒りなどの感情を適切に対処することが必要です。

それはあなたに対して怒っている相手も同じことだと思いませんか?

あなたが自分の不快な感情を人の責任にしてはいけないのと同じように相手も自分の怒りをあなたの責任にしてはいけないのです。


あなたが仕事でミスをしたらミスに関してはあなたの責任です。

それによって上司が怒ったとしたら、その怒りは上司の課題です。

もちろん、わざと上司を怒らせていいという意味ではありません。

自分に非がある部分に関しては謝りましょう。


最低限の配慮をしつつも相手が怒っていることを自分の責任だと考えないことが大切です。

くり返しお伝えしていることですが、罪悪感を抱えることが目的ではありません。


「開き直るみたいでイヤだ」と考えてしまうなら貢献することも考えましょう。

相手のために自分は何ができるのかを考えたうえで、相手の怒りの感情を自分の責任だと考えないようにしてください。

「貢献したい気持ちはありますが、あなたの怒りに私が責任を持つことはできません」というスタンスです。


相手が怒っているときに「あなたは怒っているのですね」と心の中でつぶやきましょう。

もちろん他の言葉でも大丈夫です。

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境界線を引いて相手の怒りを自分の課題ではないと捉えることができそうなフレーズを考えてみましょう。

「かなりお怒りですね」や「大変ですね」など相手の怒りを実況中継するイメージでもいいです。

「自分の感情には自分で責任を持ってください」や「自分の機嫌の悪さは自分でどうにかしてください」など突き放すようなフレーズでもOKです。


僕は「今日は一段とご機嫌ななめですね」と心の中でつぶやきます。

悪意のある人に対しては「怒らせておけばいい」と考えます。

境界線を引くためのしっくりくるフレーズを相手が怒り始めたときに心の中でつぶやきましょう。


3つ目のワークです。

相手の機嫌の悪さは相手の課題だと捉えるためのフレーズを考えてください。


【ワーク③】
Q相手が怒り始めたときにどんなフレーズを心の中でつぶやくと境界線を引けそうですか?相手の機嫌の悪さを自分の課題だと考えないために用意しておきましょう。


1章まとめ

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第1章の内容を実践するだけでもかなりストレスが減るはずです。

エクササイズの内容を習慣化してワークにも取り組んでください。


■エクササイズ

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【エクササイズ①】反芻ではなく内省する

【エクササイズ②】第三者のように聞いて当事者として行動する

【エクササイズ③】常に考え事をしながら作業して、リアクションが必要なときも内省モードをキープする

■ワーク

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【ワーク①】Q仕事中に頭の中でどんな音楽を再生すると気分がよくなりそうですか?お気に入りの曲のプレイリストを頭の中につくり常に心を整えましょう。

【ワーク②】Qあなたの気分がよくなるイメージはなんですか?また職場であなたに不愉快なこと言う人は誰ですか?「Aさんにイヤなことを言われたらBを思い浮かべて心を整える」のように決めておきましょう。

【ワーク③】Q相手が怒り始めたときにどんなフレーズを心の中でつぶやくと境界線を引けそうですか?相手の機嫌の悪さを自分の課題だと考えないために用意しておきましょう。


1章で解説したことを実践すれば気持ちもラクになるはずですが、効果を高めるには2章以降の学びも必要です。

スポーツで言うなら「その戦術が有効だとわかっているけど、筋力不足やスタミナ不足で実行できない」のようなことが起こる可能性がゼロではありません。


身体に筋肉があるのと同じように心にも筋肉があるという考え方があります。

2章以降で解説することはスポーツで言うところの基礎体力の向上や筋力アップのような内容です。

学べばスルースキル基本の型の精度も上がり、性格が悪くて頭のおかしな人が職場にいても気にならなくなります。

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【2章】高圧的な態度をとる人にストレスをためない心の整え方

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2章では高圧的な態度をとる人がいても、自分の感情に振り回されないようにするための心の整え方を解説します。

不快な感情を手放すには4つの考え方があります。

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①と②が出来事に関連しない非認知的な思考です。

③と④が出来事に関連する認知的な思考です。

まだ1章で解説できていないことがあります。

②と④に関することはまだ解説していません。


1章で解説したスルースキル基本の型5つは①と③の考え方です。

■頭の中で好きな音楽を再生して常に心を整える→①出来事に関係なく自分の心が喜ぶことを考える

■不愉快なことを言われたら気分がよくなるものをイメージして心を整える→①出来事に関係なく自分の心が喜ぶことを考える

■第三者のように聞いて当事者として行動する→③出来事に対する別の解釈や視点を持つ

■常に内省モードで作業して、リアクションが必要なときも内省モードをキープする→①出来事に関係なく自分の心が喜ぶことを考える

■相手の機嫌の悪さは相手の課題だと考える→③出来事に対する別の解釈や視点を持つ


たとえば相手の機嫌の悪さを相手の課題だと考えるというのは、「自分のせいで相手が怒っている」という考え方から「相手の怒りは相手の課題」と視点を切り替えることです。

1章で解説したことだけ実践しても効果は当然ありますが、心を整えるための引き出しは多いほうがいいです。


引き出しが多ければ、
・自分に一番マッチしている方法がわかる
・状況によって対処方法を柔軟に変えられる
こうしたメリットがあります。

心を整える方法のバリエーションを増やすための考え方を2章で解説します。

★2章で解説すること★
■心を整えるテクニック
■心を回復させる方法
■「どうありたいか?」と「どうしたいか?」を考える


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