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ゆっくりと すすめばはかどる 習慣化(速い思考・遅い思考)


ググるかタグるかAIに聞いてしまえば、一瞬でほしい答えが手に入る。こんな便利な時代になってもササっと簡単に達成できる答えはないのが習慣化です。


日々の生活リズムが早いので、無意識のうちに「早さ・速さ」優先で2択を繰り返していたり、仕事においては上司や部下、得意先から「即断・即決」を求められる毎日ではないでしょうか。


そうそうという人もそうではない人にも共通してお伝えしたいこと、それは習慣化に関しては「ゆっくりと進める方がはかどる」ということです。


速い思考・遅い思考


これは、心理学者ダニエル・カーネマンによって提唱された概念です。


速い思考とは、直感や感情に基づいて素早く判断する思考で、例えば、緊急で対応する必要があるときや、日常生活で簡単な選択をするときに使われます。


過去の経験や感覚に基づいて、すぐに答えを出すことができるかわりに、時には急いで答えるあまり誤った判断をする可能性があります。



一方、遅い思考とは、判断や意思決定をする際に、慎重で分析的な思考です。


問題を深く理解・検討することに重点が置かれるので、情報を集めて整理して利点や欠点を考えながら、ゆっくりと時間をかけて答えを出すことで、より良い結果を出せる可能性があります。


遅い思考が習慣化と相性がいい理由


これを行動に当てはめると、速い思考はすでに習慣化された行動、遅い思考はそれ以外の考える必要がある行動に対して発動されます。


例えば、直感を信じて即行動するとか、高速でPDCAを回すとか、マルチタスク処理などの速い思考は、一見すると習慣化にとってプラスに働きそうですが、習慣化のコツは「スピード感重視の大胆な変化」ではなく「マイペースの小さな変化」を積み重ねることなので、遅い思考の特徴と合致します。


そう考えると、遅い思考が習慣化と相性がいいというよりも、速い思考が習慣化に向かないという表現の方がしっくりくるかもしれませんね。


脳にとっての速い思考・遅い思考


脳は速い思考が得意(好き)、遅い思考が苦手(嫌い)です。なぜなら、遅い思考はカロリーを大量消費して考えないといけないからです。


人は1日に35,000回の決断をしているそうです。もし、このうちの1割が遅い思考の対象だったら、脳はオーバーヒートしてしまう・・


だからこそ、初期設定が速い思考になっているわけです。


この無意識に発動する主観的・直感的速い思考に流されず、客観的・論理的な遅い思考を働かせるためにも「ゆっくりと考えて進むこと」は、習慣化の達成を目指すうえで、とても大切な考え方です。


いつもは、生産性や効率化を追求している人でも、習慣化に取り組むときは「ゆっくり」を意識してみてください。

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