梅干しが好き

小さい頃から梅干しが好きだ。

母方の祖母が梅干しを漬けていて、大きな瓶でくれた。

台所の下の鍋収納あたりに置いていたのだけど、よくコソコソと瓶を取り出しては取り出してしょっぱい梅干しを時間をかけて口の中で果肉を吸い出し、じっくり味わって食べていた。

小学生の女児が背中を丸めて台所で瓶から梅干しを取り出している様は側から見るときっと異様な光景だったに違いない。

そんな祖母の梅干しは私の子供の時の記憶にしっかり残っている。
私はびっくりする程記憶力も低いので、小さい時の記憶が本当に残っていない。

あとは、家に植えていた金木犀の香りとか。
味と香りはよく残っている。

そんな祖母の梅干しは、年を重ねて一人では住めなくなり、ホームに入ってしまって食べられなくなった。

あの、肉厚でお塩のしょっぱさが強くて。
紫蘇の葉がたくさん入ったあの祖母のつけてくれた梅干し。

自分で漬けるまではいってないけれど、時々産直市なんかで似たようなものを探す。