毎日学校に行かない子がいるけれど、それまでよりいい仕事できたら、カッコよくない?
子ども二人が不登校気質。――もしあなたがそうだったら絶望しませんか?
私はしました。
子どもの心配もさることながら、私、もう行き止まりじゃん、とも思いました。
――でも、それって本当?
*
現在小2の次女は、入学直後のGW明けから、毎朝私が同伴して登校しています。それまでは行けてたんです、一人でランドセル背負って。それが連休明けた瞬間に、行き渋り始めた。それはもう、鮮やかな「THE 五月病」っぷりでした。
そんな様子を見ていた同じマンションの先輩ママさん(娘ちゃんは小6)が、優しく声をかけてくれました。
――あの時の私よ、聞こえますか……。
実はこれはね、五月病じゃないんだよ……。
あなたも2年がんばっちゃうんだよ……。
いや、がんばるしかないんだよ……。
1日1日積み重ねてあっという間の2年だよ……。
が、一応ね、そんな中でもちょっとだけ上向きになってはいるんです。
10分足らずの道のりを60分かけて通っていたのも、学校についたはいいが教室に入るまでに90分かかっていたのも、今は昔。
昇降口の前についたら大好きなお友達が来るのを一緒に待って、タッチしてバイバイ!往復15分で完結する身軽さよ!!そしてそれがデフォルトになることで見通しが立つことのありがたさよ!!
ところが。一難去ってまた一難。
時を同じくして、思春期に入った長女。
今度はこちらが、「登校するのが当たり前」ではなくなりました。
そんな姿を見ていれば、もともとようやくがんばって学校に行っていた次女は気持ちが引っ張られる。そこで「じゃぁ、もし次女ちゃんだけがんばっていった日は、『がんばったで賞』としてゲームを10分余計にやっていいよ!」というシステム導入したところ、むしろ嬉々として出発するように。
とはいえ、それも長く続くとやっぱり甘えん坊の次女はうらやましさが膨らむばかり。ついに最近、安定登校が崩壊の危機に陥っています。連日先生からお迎え要請のお電話がデフォルトになりつつある今日この頃。
私は小さなときから自分のペース(しかも超ハイペース)で、予定通りに進めることを美徳としている生き物なのですよ。ゴールを変更されたり伸ばされたりするのは大嫌いだし、天気も地球の自転も、どうか私についてきて!Follow Me!!なタイプなんですよ。なんなら出産後、親に「実は、あなたの気質的に、思い通りに行かない子育てに耐えられるかしら、って思ってたのよ……」って言われたくらいですからね。なのに、そこに「不登校気質の2乗」って、ストレスが……もう……もうっ!!!!!
世の親御さんたちの中にはね、「もうこの世の中、学校行かなくても選択肢はあるし」「学校にいくことが、すなわち幸せじゃないよね」というご意見の方も、今は多くいらっしゃいますよね。私もそう思っていたし、今も思っているし。
でも、でもね。当事者になると、これがまた、いろいろあるんだわ!!!
本当に、こちら側にこないと、わからないことが、いろいろと!!!!
正直、「そんなこと言うなら、学校の授業時間中は、休んでるこの子をあなたが面倒見てくれや!!!」って言いたくなるんだよ!!!!!見てくれよ!!!!!!(お門違いなのは重々承知)
と、それは一旦さておき。
まぁ、こういう自分を理解していたからこそ、今はフリーランスって道を選んでもいるのですけれどもね。それでもやっぱり仕事時間にいないはずの存在が身近にいるってのは、それが大人でも子どもでも身内でも他人でも、調子が崩れる。そして突然の休みとか送迎とか……仕事も、楽しみにしていたご褒美な約束も、リスケするのが日常茶飯事で。フリーランスで良かったのは間違いないんだけど、フリーランスだからこその停滞感もものすごい。仕事もペースも、自分で獲得して、あるいは生み出して、組み立てなくちゃいけないから。収入も経験も成長も、自動的にやってくるわけではない。
もともと、バッキバキのキャリアを目指していない私も、さすがに戸惑うわけです。この流動的で不透明な状態は、詰み、なのか?と。
ところが、ですね。
昨日あることに気づいてしまいました。
いつお迎えコールがくるかわからない。
明日休むかもしれない。
でも必ず終えなくちゃいけないことがある。
――そんな切迫感に置かれたら、仕事の効率が上がって、凝縮された時間を過ごせたんです。
具体的な状況としてはこんな感じ。
そうしたらね、全部終わったんです。いや、結果的に子どもが早退しなかった、というラッキーも重なったから、ではあるのですが。それでもいつもの原稿の倍くらいの速さで書けた。質は、多分変わっていない。
……これ、いままで私何やってたんだ?って思ったんですよね。365日24時間はさすがに疲れるけど、それでもこの濃度で過ごす瞬間を増やしたら、もっといろんなことできるよね、できたはずだよね、って。
――あぁ、子どもが邪魔してたんじゃないんだ。
私がブレーキかけてたんだ。
勝手にスイッチオフにしてたんだ。
子どものせいにしてたのは、私なんだ、って。
もちろん、物理的にできないことはたくさんある。例えば、遠方で長時間のアポとか難しい。相手が超ご多忙な方とか、多くの関係者を巻き込むような仕事も、なかなか現実的ではない。
でも、たとえばここにいながら1本多く書くことや、いろんなやり方を試すこと、種を蒔くための時間をもっと生み出すことはできそう。
*
そういえば、わたし昔から「逆張りして面白がる」が後悔しない王道パターンだってことを思い出しました。
中学の頃、数学の先生に「数学のセンスない」って言われたけど、女子で理系ってカッコよくない?という安易な発想で目指してみる、とか(まぁ、結局センスがなかったかし、志向もマッチしなかったら文系就職するんだけど)。
受験生で夏期講習行きたいから体育祭応援団長断るつもりだったけど、結局引き受けることになって、だったら勉強と完全両立させるって決めて準優勝して、受験も無事に完結、とか(王道の準備スケジュールを完全無視して、夏期講習と両立できる方法を考えた)。
40歳だけど、そこからエンジンかけて取材ライターを目指してみる、とか(まぁ、こんな状況だからまた取材難しくなりつつあるけど)。
いつも「○○だけど△△できたらカッコよくない?」的な発想で、やりたいことをやってきた。
だから今こそ、再びこのパターン発動の時!
――そんな母親(43歳)って、かっこよくない?
今後私の状況が安定するのは、2人のコンディションが上向きになるタイミングが奇跡的に一致するときなんだと思う。それを静かに待ちつつ、それでも、今ここでできることがあるはずなのです。
ギュギュっと過ごす、新たな実験の日々を!
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