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出発の朝

引っ越しが近づくと、家族のいろんな行動に「最後」の枕詞がつきます。
最後の出勤。空手道場最後の日。この道を通るのも最後。

当たり前の日常がとても大切に思えて、風景の色がぎゅっと濃くなります。
会いたかったひと、行きたかった場所もたくさん。
だけど、時間切れ。もう行かなくちゃ。

できなかったことを数えるときりがないけれど、楽しいことがたくさんありました。
きれいな景色もたくさん見せてもらった。
「いい時間をありがとう」という気持ちです。

もしかするとこの世界から旅立つときも、引っ越しの度に味わうこの気持ちを何十倍にも増幅したような感じなのかもしれません。

どんな場所へ行っても、今、目の前にある景色をしっかり味わって、一つひとつの出会いを大切に過ごしたいです。

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