見出し画像

さめない夢の、そのつづき〜ライブの余韻を、最高に楽しむ方法

一度はやってみたいと思っていたのです。
ライブの後、余韻に浸ったまま、現実に引き戻されることなく眠るという至福。

ライブの時間が素晴らしければその分だけ、混雑した電車に乗り、帰宅して溜まった家事をこなしたりする時間とのギャップがあり、その間に魔法が解けてしまうような気がして。
コップのふちまでギリギリいっぱい、あふれるほど受けとった音楽がこぼれる心配をせずに、じゃぶじゃぶと贅沢に浸りながら眠りたいものだなあとつねづね思っていました。

週末、有明のガーデンシアターへUNISON SQUARE GARDENのライブを見に行くことになったとき、「せっかくだからゆっくりしておいで」と家族が言ってくれて、「そうだ、隣のヴィラフォンテーヌに泊まろう!」と思いつきました。

ライブが始まる数時間前にチェックインして、ゆっくり買い物をしたり、腹ごしらえをしたりして万全の準備。

必要最低限のものだけ身につけてホテルのエントランスを出たら、目の前にガーデンシアターの入場列が。なんという便利さ!

ライブでは、最初の一音から最後の一音まで余すところなく全身に音を浴びて、完全充電しました。
目を瞑って聴いたら、10人分くらいの音に聴こえるのに、ステージ上には3人しかいないのが、毎回信じられない。
今自分がいる場所も、時間も途中から吹き飛んで、音楽の中に自分が溶けてしまうような気がしました。

横浜でも同じセットリストのライブを観ているから、次にどの曲がくるかかはだいたい覚えています。
同じメンバーが、同じ曲を演奏しているはずなのに、場所が変わり時が変わると、全然違って聴こえるのもライブのふしぎ。

今回の席は3階バルコニーの5列目センター付近だったのですが、傾斜がついているぶんアリーナよりも全体が見わたせて、とても良かったです。
終盤の曲で照明がめちゃくちゃかっこいいフレーズがあって、思わず「うわあー」と声が出ました。異世界にいるみたいな浮遊感。
ライブはアーティストだけじゃなくて、音響や照明や数えきれないほどたくさんの人たちの手で創られているんだなあとあらためて思います。

UNISON SQUARE GARDENは来年で20周年、ずっと3人で演奏し続けてくれて、ただただありがとうという気持ち。
「つづける」ことの難しさを、きっと彼らは誰よりもよく知っていて、技術を磨いたり良い曲をつくったりすることは大前提だけれどそれ以上に、全力で「自分たちを」飽きさせない、楽しませるための工夫をしているんだろうと思うのです。
だから私たちも安心して推せるし、両手を離して目をつぶって「えいっ!」と飛び込める。

みんなをひととき別の世界に連れ去り、夢中の時間をプレゼントして、最後はきっちり安全に元の場所へ送り届ける。
でも、その経験をする前とは自分の内側の何かが変わっていて、明日を生きる活力が湧いてくる。
そういう冒険を、私も文章で創っていきたいなあと思いながら会場を後にしました。

ライブが終わった後、隣のショッピングセンターにオープンしたばかりの自然食レストランで軽めの夕食をとって、ホテルへ。

電車に乗らず、余韻に浸ったまま部屋に戻ってゆっくりできるの、予想以上に快適でうれしいです。

部屋のテレビで隣接する温泉施設の混雑状況を確認できるので、買っておいたサングリアをちびちびと飲みながら空いてくるのを待って、ライブで筋肉痛になった身体をほぐしに出かけます。

私は利用しませんでしたが、マッサージや岩盤浴もあるみたい。
天然温泉でさっぱりすっきりして、女性専用のリラクゼーションルームでライブの余韻を楽しみながら、夜の有明をぼんやり眺めます。
雨で濡れた道路に車のライトが映って、とても幻想的。
あとは部屋に戻って眠るだけという状況、本当に幸せすぎる・・・!

翌朝は少し早起きしてノートを広げ、コーヒーを飲みつつこの半年を振り返り、次の半年に思いを馳せる時間をつくりました。
やってみたいこと、書いてみたい文章のアイディアもあれこれ思いつき、満ち足りたひととき。
家にいるとつい、目の前の〆切と家事、育児に追われてしまい、長い時間軸でゆっくり考えることを後回しにしてしまいがちなので、ときどき思い切って場所を変えること、大切だなあと思ったのです。

いつもこころよく送り出してくれる家族に感謝。


この記事が参加している募集

泊まってよかった宿

読んでいただきありがとうございます! ほっとひと息つけるお茶のような文章を目指しています。 よかったら、またお越しくださいね。