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茶道でマインドフルネス

お茶の稽古。

今朝はベテランの先輩と、3人だけだった。

静かな茶室に、お釜の湯が沸く音(松風)と、衣擦れの音が響き、流れるようにお点前が進んでいく。

私も流れを滞らせないよう、集中して、雑念が入らないように手を動かす。

茶筅を振りながらふと、茶道はマインドフルネス、「今、ここ」に意識を集中することに似ているなと思った。

1杯のお茶を美味しく点てる。

そのことだけに意識を向けていると、ふっと心が軽くなって、自分とお客さんの間に境目がないような、不思議な気持ちになる瞬間がおとずれる。

瞑想をしているときの感覚に、よく似ている。

「こうやって、お茶を頂けるのは本当に幸せなことですね」と誰かが言った。

茶室にいた方々、皆が同じ思いでいたようで、深く頷きあう。

お茶が薫り高く美味しいとか、こんなご時世に健康でいられる奇跡とか、さまざまな要因があるのだけれど、突き詰めると、静かにお茶を点てて飲む、今この時間がただ無条件にしあわせ。ということのような気がする。

そう考えると、私にとって茶道の稽古の目的は「上手にお茶を点てられるようになる」というより、「今、ここにいる」練習をすることなのかもしれない。

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