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春のお寺で和の心にふれる

桜の季節がすぎ、藤が匂やかに咲き始めました。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

わが家はこの週末、子どもたちが新たに入門した空手道場の春祭りに参加しました。

和の心にふれるというテーマで、会場はお寺の本堂、ドレスコードは和服という徹底ぶりです。

書道アーティストの先生によるライブパフォーマンスや、津軽三味線の生演奏などなど、圧巻の演目。

さらに書道や茶道の体験、わらべうたで遊ぶ時間などもあり、子どもたちを飽きさせません。

ここ2年あまり、子どもらがみんなで集まって何かに取り組む機会が減ってしまったから、本当にありがたい。

   🌸

楽しいお祭りの締めくくりは、豪華賞品をかけた全員参加の百人一首大会です。

トーナメント形式で戦うのですが、昔とった杵柄で、保護者の中でひとり決勝戦に進出した私。

試合が始まる前は「大人らしく、子どもたちに札を譲ってあげなきゃね」なんて内心思っていたのですが。

決勝まで勝ち上がってきた子どもたち、圧倒的に強い!

ほぼすべての歌を覚えていて、初句で札に手が伸びるのは当たり前。

すごい集中力で札の置かれた場所も覚えているので、譲るどころか私など手も足も出せません。

なんとか1枚でも取って大人の意地を見せなくちゃ…とだんだん本気になり、いつの間にか手に汗にぎり身を乗り出して札を見つめていました。

1位から3位までの6年生たちは、他の追随を許さない圧勝。

私は4位の座をかけ、黒帯の中学生と1対1の順位決定戦にのぞむことになりました。

「お母さんがんばれ!」と子どもたちの応援する声。

神様、じゃなくてお釈迦さま、どうか私の遠い記憶からこぼれ落ちずに残っている一首をお願いします…!

一同かたずをのんで見守る中、師範が読み札を取り上げ、おごそかな声で「はなのいろは…」

ジーザス!いや、お釈迦さま、ここで私の敬愛する小野小町を召喚してくださるとは、何たる幸運。

真剣勝負のお相手に、大人だからと手ごころを加えるのはむしろ、失礼というもの。

「わがみよにふるながめせしまに」

遠慮なく取らせていただきました。

   🌸

子どもも大人も夢中になって、全力で遊んだ春の一日。

はじめは「みんな、うちの子たちをよろしくね」という親の気持ちだったのに、帰るころには「楽しかった!また遊ぼうね!バイバイ!」というくらい童心に返ってしまいました。

素敵な先生方、よい道場に出会えて、本当によかったことだなあ。

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