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都会で味わう静寂〜上野東照宮・やすらぎ散歩

上野公園の一画に、喧騒を離れ心を鎮めることのできる場所があります。

上野東照宮。
「東照宮」という名の通り、徳川家康公と徳川吉宗公、徳川慶喜公の三柱をお祀りした神社です。家康公の遺言によって建立されたそうです。

たくましい狛犬さん

都心にありながら、奇跡的に数々の天災や戦災を免れ、江戸時代に建立された金色殿(重要文化財)が残っていることから、強運の神さまとして信仰を集めているとのこと。

一般のお参りは唐門の外側からになりますが、拝観料を支払って中へ入ることができます。

中へ入ると人も少なく、外の賑やかさが嘘のように穏やかな時間が流れています。

まず目に飛び込んでくるのが、樹齢600年以上といわれるご神木の楠と、「静心所」。

静心所はご神木と向き合い、社殿の拝観前に心を整えるためのスペースです。小上がりのようになっていて、靴を脱ぎゆったりくつろぐことができます。以前、この場所にあった大きな銀杏の木を安全のため切り倒すことになり、その木材が屋根に使われているのだとか。

目の前に立つ楠のエネルギーと、かつてここにあった銀杏のぬくもりにすっぽり包まれる、とても居心地のいい空間です。

心を整え、色鮮やかな透塀や金色に輝く社殿を拝観します。職人技の粋をあつめた建築や彫刻の数々はただただ見事で、ぽかんと口を開け見入ってしまいました。

唐門には、昇り龍と降り龍の彫刻が施されています。
日光東照宮の「眠り猫」で知られる名工、左甚五郎の作品だそう。
立派な人物ほど頭を垂れるということで、頭が下を向いているほうが昇り龍なんだって。

「昇龍守」のデザインがとてもかっこよかったので、季節の御朱印とともに、授与所で分けていただきました。

聞けば、家康公の月命日である17日の前後3日間限定のお守りなのだとか。
知らずに偶然訪れたのですが、ご縁をいただいたようでうれしくなりました。

社殿の外側には「栄誉権現社」という小さな神社があり、たぬきの神様がおられます。
たぬきが「他抜き」に通じることから、強運や受験の神様として知られているそう。
ぐいっと上を向いているお姿がかわいらしく、ほっこりしました。
授与所では、たぬきのお守りも分けていただけるそうです。

何度となく上野公園を訪れていながら、東照宮にお参りするのは初めてでしたが、ほっとひと息つける素敵な空間でした。
美術館や動物園の行き帰り、深呼吸をしたくなったときに、とてもおすすめの神社です。

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