2023年 原点回帰の旅


2023年は飛躍の年にすべく、トリニティリングとともに意気込んでいたけど、実際は走馬灯かと思うほどに原点回帰の年でもあった。


不思議なことに、これまで好きだったものに触れる機会が何度も訪れた。2023年のまとめは月別ではなく、原点に立ち返ったタイミングをまとめてみようと思う。


●音楽

・蓮沼執太

いまとなっては映画オタクの私だけど、映画を好きになる前はずっと音楽が好きだった。でもJ-POPを全然好きになれなくて(特にヒットチューンの歌詞に共感できずにいた)しばらく音楽から遠ざかっていたところ、蓮沼さんの“歌と楽器が同じバランスで響く音楽”を知ってからは、またかつてのように音楽を愛する気持ちが蘇ってきた。蓮沼さんのことは2022年の終わりから猛烈に好きになったので、正確には原点回帰ではないのだけど、「音楽」という広い視野で捉えると十分に原点回帰のきっかけだったと思う。写真は、1月に蓮沼さんの音楽ルーツを掘り下げるイベント・BACK TO MY ROOTSに参加したときのもの。

このイベントではじめて蓮沼さんと会話したトキメキを忘れないための写真(再入場スタンプ)


・モーツァルトのオペラ

私も小さい頃は何にもハマらない、心を動かされて感動することもない子供だった。しかし当時大人気だった『のだめカンタービレ』で、惹かれる音楽がみなモーツァルト作曲だったことを知ってから、作家主義になる。これが私の芸術原体験(オタク原体験とも言う)。一番好きなのは《フィガロの結婚》序曲。こっちのオペラはまだ未体験だけど、《コジ・ファン・トゥッテ》が公演されることを知り、すぐチケット確保。初めて生でオペラを体験した。劇中で特に好きなのは「Prenderò quel brunettino」。シャンタル・アケルマンの『囚われの女』でも使われていて気になっていたから、生で聴けて大変嬉しい。


・アラン・メンケン来日

上述の通り、モーツァルトで作家主義に目覚めてから、まず意識して聞くようになったのがディズニー音楽の作曲家。ディズニーのなかで特に好きな音楽が「パート・オブ・ユア・ワールド」や「ホール・ニュー・ワールド」で、それらすべてアラン・メンケンが作曲したと知ってからは、まわりの友人たちがどのアイドルが好きかで盛り上がっていようと私はアラン・メンケン一筋だった。2023年は2回も来日公演があった。自伝のように過去を振り返りながら進行されたソロコンサートでは、目の前で大切な話をたくさん話してくれるメンケンがあまりに親友の距離感すぎて、勝手に感慨深くなった。


●映画

・ジャン=リュック・ゴダール『はなればなれに』

ゴダールは初見で好きになったのではなく、段階を踏んで好きになっていった。初めて観たゴダール作品は『気狂いピエロ』であまりの尖り具合に絶句し、『女は女である』を観てからチャーミングなゴダールを知り少しずつ好きになり、『はなればなれに』を観てからヌーヴェルヴァーグそのものにのめり込むようになった。音も映像も自分の掌で自由自在に組み合わせるセンスに惚れ惚れした。有名な割にあまり観る機会のない『はなればなれに』を劇場でようやく観ることができて、とても嬉しい。

2023秋公開した『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家』入場者特典のシール


・エリック・ロメール  オールナイト

こちらについての記事👇

『満月の夜』で印象的なダンスシーンに使われている音楽がSpotifyにあった!


・ジャック・ロジエ『メーヌ・オセアン』

ロメール好き発言ばかりしているけど、ジャック・ロジエも大大大好き。どちらもヴァカンス映画の巨匠と称されているけど、ロメールは色彩で、ロジエはグルーヴの人だと思っている。ロメールは私にとって師匠的存在だけど、ロジエはもっと身近な(だけど憧れの…)存在。おそらくロジエはギャハハ笑いする女の子が好きなので、私のこともきっと好きになると思います(?)

『メーヌ・オセアン』の大好きすぎるシーン


●ディズニー

・ディズニー100周年と『トレジャー・プラネット』(&宇宙)

私にとってディズニーアニメーションのなかで最も大切な作品(=心の映画)が『トレジャー・プラネット』。“実父が家を出てから非行を繰り返している天才少年ジム”という設定の時点で、一般的に想像されるディズニー映画とは一線を画しているのだけど、高校生の時にDVDでこれを観たときは床に湖ができるレベルの号泣をした。ディズニー映画のなかで唯一自分と重ねてみることができた作品。
そして2023年はディズニー創立100周年であり、これまでのディズニー作品が再び日の目を見る機会にもなった。一瞬とはいえ、映画館の大スクリーンでジムの動く姿を観ることができるなんて…!


🔽ディズニーキャラクター総出演の短編映画『ワンス・アポン・ア・スタジオ』の公式フル動画


ディズニー200周年はこの目で見ることが出来ないと思うと、人生の儚さに寂しくなってくる。メメント・モリ…。

ちなみに、『トレジャー・プラネット』の原作はロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』で海が舞台だけど、ディズニー版はタイトルにある通り宇宙が舞台になっている。2023年はやけに宇宙に惹かれる年でもあった。

愛読書


・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : VOLUME 3』公開

卒論のテーマをアメコミ映画にしたほど(特にMCUが)好きなのだけど、そもそもアメコミ映画を好きになったきっかけが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : リミックス(GotG2)』。主人公の境遇が上述の『トレジャー・プラネット』と似ていると聞き観に行ってから、評判違わずの内容にどハマりした。2023年はGotGシリーズの最終章が公開し、MCUの数多いるヒーローのなかでもやっぱり彼らが好きだと再認識。聖人君子などおらず、口は悪いし喧嘩っ早い彼らだけど、仲間や弱き者を思う優しさは誰よりもある。


・実写版『リトル・マーメイド』公開

『トレジャー・プラネット』は「心の映画」だけど、「人生の映画」は『リトル・マーメイド』。人魚に憧れていた私にとって、まさにバイブル的作品。その実写版が公開された日には、たとえそれが平日でも有休をもぎとって観に行くに決まっている。音楽はレジェンド作曲家アラン・メンケンに、(レジェンドになりつつある)新進気鋭のマルチ音楽家リン=マニュエル・ミランダ。お互いの良いところが見事に絡みあったコラボレーションに大満足の作品。


・「レジェンド・オブ・ミシカ」(東京ディズニーリゾート アンコール!ザ・モーメンツ展)

2006〜2014年の間、東京ディズニーシーで毎日公演されていたレギュラーショー。ディズニーオタクでこのショーを嫌いという人をまだ見たことがありません。私も例に漏れずこのショーが大好きだった。2023年は東京ディズニーリゾート40周年。それを記念して開催された回顧展で、久しぶりにこの衣装を目の前で見て、過去の記憶が色々蘇ってきた。ウォークマンに入れた音楽を通学中に聴いては、パークに想いを馳せていた高校生時代…。

青春時代をともにしたウォークマン
いま思うと音質悪いけどお気に入りだった


音楽熱が再燃した2023年に購入したスピーカー
これからもよろしくね


●お茶犬カフェ

これ、2023年の写真だと言って誰が信じてくれよう?

お茶犬のロボットぬいぐるみを、幼稚園生の頃から今現在まで大切にしている。緑色だった体は茶色く焦げ、耳はほつれ、顎は外れ、舌も折れている。側から見たら拷問されたような姿のお茶犬だけど、20年も“愛されすぎた”証だ。平成を代表する癒しキャラとしてブームが去ってからは細々と(誰も気づかないレベル)で活動していたお茶犬。それが昨今の平成レトロブームに乗っかり、見事復活を遂げた。「疲れたOLを癒す」というコンセプトで誕生したお茶犬。その当時はまだ幼稚園生で「社会」も「疲れ」もまったく意識しておらずただ可愛いからというだけで愛でていたけど、お茶犬が復活したいまOLになっている私は、ようやく本来のコンセプトが何倍にも増して響いている。

お茶犬・リョクのグリーティング

お茶犬カフェは過去にも原宿の竹下通りで開催されたことがあり、小学生だった私の初原宿もそのときだったから今でも鮮明に覚えている。
2023年、もう二度と開催されることはないと思っていたお茶犬カフェがソラマチに復活した。信じられない。「推しは推せるうちに推せ」だし「それでも推し続けていればいつの日かカムバックする」だ。リョク(緑茶犬)のグリーティングのために朝からソラマチに行き、その日のご飯は夜まですべてお茶犬カフェで過ごした。


友人におすすめされてから人生の書のひとつとなった写真集👇


●旅行

・イタリア旅行

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・名古屋旅行

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・山形旅行

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●ファッション

出来事がありすぎてまとめるのが難しいくらいに、2023年で最も取り組んだのはファッションだったと思う。とにかくファッショニスタが集まりそうな場には足を運ぶようにした。そしてファッション業界の知り合いがたくさん出来た。ファッション系の学校に通っていたわけでもなく、アパレルで働いてるわけでもない私がファッション系の交友関係を広げていくのはとても難しかった。ファッションが好きだと公言することすら恥ずかしがっていた私が、これはもうファッションを仕事にした方が良いのではというレベルに、本格的にのめり込んだ年だった。原点回帰の年を経たあとの私はどのような姿になっているのか全く想像がつかなかったけど、年末になってようやく、小さい頃からの夢であった“ファッション業界で働く”ということを叶えるべき時期に来たのだと分かった。


そして2024年、年明け早々から夢を叶えるべく動き始めている。どう転んだとしても、きっと今より大変になる。でもこれを叶えるまで自分の人生終われない。来年の今頃はどのような姿になっているか、いまから楽しみだ(応援のほどよろしくお願いいたします!)


あまりに思い出がありすぎてまだ記事にしたことがない、私にvintageの魅力を教えてくれた人のPOP UP SHOPが年末に開催された。これで店舗をcloseするとのことで、過去に買った服を着ていって、思い出話に花を咲かせた。
これがそのショップで買った(正確には買ってもらった)はじめての商品。どの雑誌を読んでも、どのお店に行っても、ファッションへのトキメキを失っていた頃に出会った。いまではすっかり昔以上のファッション好きに。この人がいなければ今の私はない。

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