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読書記録📖

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📕時にネタバレ御免🙏の、無責任に楽しんで書いた読書記録を集めました。ちらっとのぞいてもらえたら嬉しいです🐱
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2024年6月の記事一覧

読書記録⑨『ライアの祈り』森沢明夫著

読書記録⑨『ライアの祈り』森沢明夫著

次に読む本は、森沢明夫さんの本にしようと決めていた。この前なんとなく視聴していたYouTubeにゲストとして森沢明夫さんが登場し、彼の生き方や小説にまつわる話を楽しそうに語っていたから。
森沢さんは「小説のネタに困ることは一生ない」と言い切っていた。それは「生きている以上、どんな人でも絶対にものすごく辛い経験をしているはずだから」だという。

いい物語というものは、主人公が必ずといっていいほど、な

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読書記録⑧『夜が明ける』西加奈子著

読書記録⑧『夜が明ける』西加奈子著

直木賞作家の西加奈子さんのファンは多いと思う。特に女性。テレビやラジオにも出演経験のある彼女は、気さくな関西弁で熱のこもった話し方をする。見た目も華やかで笑顔もチャーミングだ。プロレス好きという男まさりなギャップもいい。音楽の趣味にしても、昔のレコードで名を馳せたような海外の歌が好みだというからかっこいい。
彼女の本のカバーイラストは、ほとんど毎回彼女の手描きだ。クレヨンでゴリゴリに描かれたそれら

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読書記録⑦『夜行』森見登美彦著

読書記録⑦『夜行』森見登美彦著

「好きな小説は?」と聞かれて私がすぐに思いつくのは、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』だ。もう手元にはないけれど、映画を観たわけでもないのに今でもいくつかのシーンが映像として思い起こせる。それほど印象深い物語だった。読書記録をつけ始める少し前は、同著者の『四畳半神話大系』も読んだ。別の物語ではあるけれど、この二冊の中には同一人物も登場している。そして、ままならなくて甘酸っぱい青春の雰囲気が、コミカ

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読書記録⑥『建設現場』坂口恭平著

読書記録⑥『建設現場』坂口恭平著

前回の読書記録⑤『独立国家のつくりかた』に引き続き、今回も坂口恭平さんの本を読んだ。前回はノンフィクションで、今回の本は長編小説だ。白いハードカバーの表紙には、L判の写真より一回り小さめな抽象画がこぢんまりと飾られている。その絵は著者自身によって描かれたもので、手前に金網、その奥に赤い塔だか建物、バックに淡い緑と水色の混じった空らしきものが見て取れる。

私がこの本を選んだのは、図書館の小説コーナ

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読書記録⑤『独立国家のつくりかた』坂口恭平著

読書記録⑤『独立国家のつくりかた』坂口恭平著

この前何気なく気になったnoteの記事を読んでいたら、そこで坂口恭平さんのnote記事『お金の学校』が紹介され推されていた。推している方の記事も熱が入っていて面白かったので、興味をそそられリンク先に飛んでみた。まず一記事文が相当長くてびっくりした。そして、それにも関わらず一気に読めてしまった自分にもちょっと驚いた。なんていうか、引力がすごかった。

お金の学校に関しては(1)〜(11)まで記事があ

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