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<児童虐待に起因する傷の見方について、の講習を受けて>保育士として感じたこと

昨日、業後、児童虐待に起因する傷の見方について、と言う講習会に参加しました。当初、園から聞いていたのは、虐待に関する講習会、と言うだけで内容は全く分からなかったのですが、参加してみました。
虐待については今までも色々と学んで来ましたが、今回の講習は、大阪府児童虐待等危機介入援助チーム委員の橋爪さんの講習で、真に迫るとても内容の深いものでした。丸2時間、釘付けで学びつつ、実際の虐待による傷の写真を何枚もスライドで見てはとても心が痛みました。

傷を見た時、虐待で出来たアザかどうかはプロでも判断しづらいけれど、親の言うこととケガの様子に相違がある場合、そして、色々な色のアザがある場合は、虐待の疑いが高いということ。
この場合、保育園の保育士としてするべきことは児相に通告。
(親に通告の報告は不要。)

アザというのは、色が日に日に変化していくということを聞き、確かにそうだな、と実感。虐待と断定出来なくても否定出来ない場合は通告する必要があります。これは、保育所と言うところは通告の義務があるので、予め入園式などで保護者に説明しておくと良いのでしょう。
虐待と言うのは、特別な親がするものではなく、ごく日常の育児の中で誰にでも起こり得るもので、それを見過ごしているとどんどんエスカレートする。その前の段階で援助が必要。
子どもの証言と親の証言が一致しているか、様々な面から専門家の人達は判断していく。

また、顔のアザに関しては、ぶつけた所と違う部分に血腫が移動して現れる。まぶたにアザがある時、瞼をぶつけて出来るものではなく(まぶたをぶつけても柔らかい部分なのでなかなかアザにはなりにくい。)額を叩かれる、またはぶつけて出来るもの。
これも私自身経験があるので、深く納得しました。この認識があるとないとでは、子どものアザを見つけた時に全く対応が違うな、と。虐待の明言は出来なくとも可能性が高いかどうかが、通告の判断基準になると言うこと。

また、ネグレクトについてもお話がありました。これも身体のキズよりも判断しにくい部分もあるけれど、育児能力の低い親は支援の対象になるので、普段からの保護者とのより深い信頼関係が必要になって来ます。どれだけ保護者を知り、寄り添えるか。
遺伝的なものは除いて、肥満と言うのもネグレクトの一つ。栄養の偏り、例えば毎晩マクドナルドだったらどうでしょう。
ネグレクトについては、10人の保育士が居たら、6、7割の人がおかしいと思ったら通告だそうです。これについても保育所の現場でどれだけの保育士がその子どもに関わっていて理解をしているか、より多くの保育士が知っておく必要があると感じました。
一保育士として率直に感じたことは、日々の集団保育に追われ、一見手のかからない子どもに関しても、細かく見ていくことなど改めて責任のある立場だと思いました。

繰り返しますが、虐待は徐々にエスカレートする。
手前で見つけて手を差し伸べる。
親も困っている。
虐待は特別なものではない。
相談しやすい環境を作る。
保育士は親と一緒に考えていく環境。
その為に、子育ての工夫、躾のコツ(私は躾と言うワードをあまり好みませんが)など、引き出しを沢山持っておき、保護者の困り感に耳を傾けられる保育士でありたいと思います。話しやすい環境が作れたら、私の目指す子育て支援に繋がるのではないかと改めて思いました。
虐待と言うのは特別な親がするものではない、子育ての孤独は、私自身も経験していること。我が子に手をあげたことが全くない親の挙手を講師の方が促しましたが、誰も手をあげませんでした。家庭環境により保護者は社会から孤立して孤独で居ることも多いです。子育てが楽しかった私でさえ、苦しい時期もありました。だからこそ、私は子育て支援がしたいのです。
この時、例え虐待の疑いを見つけたとしても、親との関係は対峙ではなく寄り添いです。あくまでも援助が必要なところへ必要な援助が届くこと。それを繋げる立場でもあります。

子どもを守るため、それと同時に保護者を守るため、
悲劇が起きる前に気づくことが出来たら・・・。

また、個人的に感じたのは、虐待と発達障害との関係。
子育てしづらいと感じる保護者の困り感が、ここに起因している場合も多いにあるのではないかと感じます。保育士になって早々に発達障害に関しての学びを深める必要性を感じ、独学+講習で発達支援サポーターの資格を取りましたが、この分野に関しても見ると聞くとでは大違いなので、これからも引き続き加配の担当の日もしっかり向き合って行きたいと思います。

4月から正社員になろうとしている私が、現状残業100時間/月にも迫る勢いの保育士の足りていない現場で、どこまで出来るでしょうか。
社会問題と言うのは、様々な根深い問題が絡み合っていて、少子化にも関わらず保育士不足なのも、待遇の悪さが要因の一つとしてあります。正社員になったとて、基本給はとても低く、労働時間がとても多い。休暇のリフレッシュも出来ないまま、狭い保育園という世界にしか目を向けられない状況で、正確な判断、対応が出来るでしょうか?保育士の労働環境の改善は必須だと感じていますが、保育士を増やすにはどのような環境が必要なのか、やり甲斐だけでは続けていけなくて退職して行く人がどれだけ多いか。人材育成にも目を向けられるゆとりが、現場には必要です。これは、5つの保育園を経験して思うことです。保育士も大切にされる必要があります。

色々と思うことがありまとまらないけれど、昨日の講習の感想でした。

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