見出し画像

ITエンジニアの海外就職ログ ~国選び/企業探し/面接/渡航までの全て to ベトナム~

こんにちは!

2019年の2月くらいから就職活動を始め、2019年8月に内定受諾し、12月に移住したmihiratと申します。2020年2月現在、ベトナムにてITエンジニアとして仕事を始めて2ヶ月経ちました。

この記事では、渡航したい国の情報収集、就職活動、面談、渡航準備まで全ての流れを記載しています。エンジニアに限らず海外移住や海外での就職に少しでも興味がある方に、ぜひ知っていただきたい内容をまとめました!

コンテンツ

・「そもそもどうやって就活をはじめればいい?」

・「就活する国について情報収集の方法は?」

・「行き先の企業をどうやって探す?」

・「ITエンジニアの種別として、どこの国にどんなタイプの募集が多い?」

・「面接ではどういった内容が聞かれる?」

・「海外転出ではどんな手続が必要?」

・「転出までに具体的にやるべき準備って?」

・「転出時、投資信託や株についてはどう扱うべき?確定申告は?

といった、実際に自分が出国に到るまでの8ヵ月間について、2万字書いてまとめた記録です


簡単に自己紹介しますと

・Web系エンジニア。自社サービス企業に新卒入社して、3年半後に転職。インフラとサーバーサイドを担当、たまにフロントも書くSRE。コーディング力は平凡。

・英語はそこそこ(TOEFL83 / TOEIC875、外資企業でインターン経験)

・個人事業主として開業して副業。投資は初心者

移住検討・就職活動をした地域は、ヨーロッパとアジアです。オランダ、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシアなどで就職活動をしました。

最終的に日系企業の内定を2つ、現地企業の内定を3つもらい、ベトナムの現地企業に就職を決めました。

就職に到るまで、本当に情報収集に苦労しました。何をするべきなのか、まとまった情報源がなかなかありません。
興味がある方へ向けて、自分が調べた全ての情報(本、ネット、現地の転職エージェント、税務署、区役所、銀行など)を詰め込んでいます。

なぜ海外で就業したい?

早速ありふれた話なのですが、新卒での就活と同じように「どうしてわざわざ海外で就業したいのか」の軸作りが大切です。普通の就活よりも考えることが多く大変なので、軸がしっかりしていれば後々判断に悩むことが減ってよいです。

自分の場合、動機はふわふわなのであまり参考になりませんが、
・他国にたくさんの知らないもの・コト・考え方がある。若いうちにもっと色々触れないともったいない。
・たくさん旅行したいが、日本からは高くて時間がかかるので難しい。
・花粉症がない世界に行きたい。暖かい国に行きたい。
あたりが、ずっと考えていたことですね。

キャリア観点だと、10年先を考えたときに、自国でしか働いていない職歴がマイナスに働くのではないかという不安、そして自国の人以外と働く経験が将来大きなプラスになるだろうという直感です。

なぜ30歳というタイミングだったのか?については、もっと年齢を重ねたときに行きづらいのが大きな理由ですね。(子供の教育、家族を養える給与の仕事探し、日本の親の介護など)

最終的にはアジア圏での就職活動に注力し、ベトナムで就業しました。
ヨーロッパやアジア諸国を旅行して感じたことですが、アジアの方がヨーロッパより断然活気があり、またチャンスも非常に多いです。アジア人蔑視のような居心地の悪さを感じずに働けるのも、良かったと感じています。

ではここから、現地採用で海外転職をするまでの具体的な流れを説明していきます!


どこの国にする?

まずは、行きたい国をざっくり絞ります。
住んでみたいと思っていた国、余裕がある暮らしが希望なら物価の安い国、ダイビングがしたければ海が近い都市など、自分の希望に沿った国をいくつかピックアップしてみます。
その中で、自分のスキルや経験が活かせる求人があるかを探し応募、なければ他の国を検討して応募、というのが転職決定までの大まかな流れになります。


そのため、行きたい国のイメージ作りの情報収集をします。
・観光ガイドブック、移住体験記などの本
・在住者のブログ
・留学・インターン・ワーホリ
・出張や駐在が多い友人の話を聞く
・TwitterなどSNSで現地の人をフォロー

自分の場合は、ヨーロッパ圏は旅行やインターンである程度見知っていたので他の地域が気になっていたのと、大きく発展中のアジア諸国のほうが長期のチャンスが大きいと判断して、アジア圏を対象に選びました。


幸い、知人にアジアでベンチャー企業をやってる人や駐在員がいたので、遊びに行かせてもらって、現地の暮らしぶりを聞いてみました。また、その国に旅行したことがある友人に話を聞いてみるのも参考になります。TimeTicketなどのwebサービスや、フラミンゴなどの語学サービスを通じて現地出身の方に事情を聞いてみるのもアリかなと思います。

また、就活の過程でエージェントに登録すると、オンラインでの面談があります。そのときに気になっていること(物価、日本食、空気はきれいか、など)を聞いてみるのもおすすめです。エージェントとしては現地にある日系エージェントがおすすめですが、情報をあまりくれないエージェントもあるので、いい担当者に会えるまでいろいろ登録しましょう。


ただ、現地を旅行で訪れてみるのに勝るものはありません。スーパーでは何をいくらで売っているか、フリーペーパーがあれば読んでみる、外食の単価やレベル、空気のきれいさ、治安のよさ、交通機関の充実度、などなど。

内定をもらう前に訪問すると「この街は自分に向いてないのでは…?」と気づくこともあります。現地に住んでいる人にアポが取れると、より現地の暮らしぶりがわかるのでベストですね。

自分は下見の過程でマレーシアのクアラルンプール、ベトナムのハノイとホーチミンに行きました。どこも住みやすそうだったのですが、ハノイだけは空気が悪くてダメでした。曜日や風向きなどの影響もあるので、長めに滞在するとより情報が得られますね。

本については、ちょっと情報が古かったりするのですが、記事の最後に良書をまとめて紹介します。

仕事はどうやって探す?

ある程度国が絞り込めてきたら、仕事探しです。

まずおすすめするのは就活イベントです。海外就職のエージェントや関連企業が主催で、海外就職関連のイベントが定期的にあります。実際に海外で働いている方と話す機会や、近隣の国の概要や実情についての知見が手に入るので、参加するとグッとイメージがわきます。
『海外就職 イベント』などで検索するとヒットします。

こういったイベントではどんな仕事があるかを質問できるので、自分のスキルと経験を担当者に話してみて、どんなポジションがありそうかざっくり聞いてみるとヒントがつかめます。ただ、高額なセミナーや商材に誘導される傾向が強いので、本当に必要かどうか見極めましょう。
就活を始めたばかりのタイミングだと、どんな求人があるか、どんなエージェントが信頼できるかが不明なので、とりあえず10社くらい登録してひたすら面談してもらいました。

選ぶ求人についてですが、海外就職では未経験でのスタートはかなりハードルが高いです。海外から人を採用する場合、「なぜ自国人ではなく海外の人をわざわざ採用する必要があるのか」を客観的に説明できる方が、ビザが取りやすいためです。同じスキル・経験なら海外から人を採用する理由がないと判断されます、移民を推奨している国でないと特にこの傾向が強いです。

なので、業界、職務、規模のうち2つくらいが現職と類似した求人を選んだ方がうまくいく可能性が高いです。(地域やタイミングによって状況は違います)同じようなポジションでの経験が3年以上あるかどうかが求められることが多いです。

例えば下記のようなイメージでしょうか。
- 同じスキルセットが要求されるけど、未経験の業界
- 同じ業種だけど、マネージャーなど一つ上の階級として採用される
- 大企業からベンチャーなど、会社の規模が変わる

ただし、例外はあります。日本語が話せることが募集要件に入っている場合です。日系の現地支社などでどうしても日本人を採用したいような状況だと、未経験でもアピール次第で通ります。

とはいえ、周囲は知らない人ばかり、なんか仕事中に歌ってる人がいる、言葉が通じない、などあらゆる点でエネルギーがかかるので、ある程度慣れた業種や業務内容の方が、疲弊しすぎなくてよいかなと思います。

自分の場合、当初は日系企業も含めてIT系のエンジニアの求人を検討していました。しかし「日本人エンジニア」をわざわざ現地で採用するのは、ほとんどの場合ブリッジエンジニア(現地と日本の仲介役)の募集です。

なぜか?

例えばアジア圏だと、ただのエンジニアなら日本人1人雇う給与で現地人が複数人雇えます。日本人であることを売りにして高い給与を得ようとするならば、なぜ日本人/日本語が求められているのかをよく考えた方がよいです。

欧米など給与水準の差がない国で日本人を狙って採用する場合は特に、日本人の顧客対応や日本向けマーケット調査など、日本が関連することが業務に含まれている傾向が強いです。

自分はもっと開発がしたかったので、日系企業はこの時点でほとんど選択肢から外れました。日系転職エージェントが持っているエンジニア求人の9割がブリッジエンジニアであるため、SNSや転職サイトが主な就活の手段になってきます。(素敵な担当者に出会えるといろいろ紹介してもらえることもありました。運ですね。)

LinkedIn

海外就活といえばLinkedInが一番メジャーです。企業の調査に向いてます。
プレミアム会員になると、最近の採用者数推移などが見られます。LinkedIn経由の情報と思われるのであくまで参考値ですが、離職者が増えているかどうかは非常に参考になります。一ヶ月無料期間があるので、気になる企業をリストアップしておき、登録後にまとめて確認すると良いです。

ただし、応募についてはLinkedIn経由だとあまり相手にしてくれない会社が多いので、各企業のHiringページから直接応募した方が早いです。それでも4つ送って1つ返事が帰ってくるくらいでした。


grassdoor

これは会社の評判の調査でだいぶ役立ちます。支社によって評判にばらつきがある企業もあります。グローバルに事業を展開している企業だと、国や地域で状況が全然違うので、支社単位で調べられるのが大きいです。

例えばベトナムだと、ハノイとホーチミンで求人の傾向が違います。ハノイだと日本のオフショア開発は多いですが、ホーチミンはハノイの5年先を行っていると言われており、エンジニアの給与が高騰し始めているのでオフショア系は数が減ります。

https://www.glassdoor.com/


JobStreet
アジア圏でメジャーな求人サイトです。ただ、職務要件はジュニア付近が多いような印象で、連絡が来るのも「日本語話せる人急募!」みたいな案件が多かったのですぐやめました。あとほとんど電話連絡なので、仕事中にやりとりするのが厳しいです。

https://www.jobstreet.com

monster
こちらも海外でメジャーな求人サイトです。あまり積極活用しませんでしたが、シンガポールやマレーシアからは今でもスカウトが来ています。

https://www.monster.com

Twitter
これで就職が決定しました。
もともとは、各国のIT業界の情報収集ツールとして利用していました。「この国は最近移民を締め出していてやばい!リンクはこちら」みたいなツイートが参考になるからです。

ふと、募集もしてないかな?と思い検索し、良さそうな募集にDMをした日に偶然CEOが来日していて、そのままあれよあれよという間にオファーをいただきました。
事業内容の納得感が高く、同時に会ったCTOも自分と同年代かつ明らかに優秀だったので、直感で決定しました。
これは本当に運としかいいようがないのであまり参考にならないような気もします。相手が日本人だと、自分の職歴を正確に評価してもらえ、やっていたことも説明しやすいのは大きなメリットだなぁと痛感しました。

余裕があればですが、日本の転職エージェントや転職サイトなどで自分の相場をみるのも並行してやってみるとよいです。

企業を絞り込む中で、日本で転職できそうな企業と就職先候補企業を、行くつもりがなくても比較してみると、「こんな激やば企業に行こうとしてたのか…!」って気付けます。特に待遇は要比較です。(給与、解雇リスク、キャリアが作れる業務内容かどうか)
また、この時点で「日本でこれだけいい内定が取れそうなのに、本当に海外に行きたいんだっけ?」と考え直す機会にもなります。面接の練習もできますし、ぜひ。転職ドラフトなどは始めやすくてよいですね。


企業調査の注意点

大企業でない限りは、海外の企業の細かい情報は、ネットからではなかなか手に入りません。イケてる紹介記事2年前にリリースされてたからといって、最近は低迷していないとは言い切れません。企業の動向はできるだけ調査しましょう。
特に投資フェーズの企業では、計画通りに進まずにユーザーが離れているなどの情報がプレスに出ていたりするので、ちゃんと見てみるとよいです。


また、自社サービスの会社を持ってるところは、一度そのサービスを訪問してみましょう。

ある企業の募集条件が非常によく、面接に進もうとしていたのですが、そのサービスがどうしようもない品質でユーザーからも酷評を受けていたのでやめました。これをチャンスと捉えるかリスクと捉えるかは人によりますが、自分はユーザーが気に入ってるプロダクトに携わる方が好みです。


CV作成

応募する際にはCVを送付し、これが一次選考になります。応募フォームでCVサイトを受け付けているケースもありますが、基本はpdfが無難です。フォーマットなどは『CV engineer』などで検索して英語のものをいくつか見てまとめました。あとはGitHubなどで公開しているエンジニアも多いので、この人のCVは面談したくなるなーと思うCVをパクりましょう。

基本的には職歴、職務内容(数字で言える成果が出てると話しやすい。CVRをN%改善した、コストをN%カットしたなど)、大学、話せる言語や資格、などを記載します。

CVに記載した内容と面接での自分の回答が乖離しないように、定期的にメンテが必要です。

これで応募が通ると採用担当から連絡が来て、来週の何時に面談ができるか、などの調整を経てSkypeやZoomでのオンライン面談となります。面談はほとんどの場合、現地時間の平日10~18時くらいに行われます。頑張って調整しましょう。日系のエージェント相手だと、融通を効かせてくれるケースもあるのですが。

面接で聞かれるのは何?

現地企業や多国籍企業での現地採用を狙う場合、日本人であることをメリットとして持ち出さず、現地人との比較において純粋にスキルで勝負し、かつそれを英語で適切に説明できる力が求められます。想定問答は作れるだけ作って練習しておくと安心です。
日系と外資含めて4社ほど内定をいただいたのですが、だいたい以下のような内容でした。


・自分の個性について紹介(長所・短所)
・今の仕事について紹介。どんな製品?チームの人数は?自分の役割は?
・なぜ海外で就業したいのか?
・今後どんなキャリアを作っていきたいか?
・スキルチェック
・会社・求人の説明
・いつから働けるか

注意したいのはいつから働けるかです。日系企業だと事情を汲んで待ってくれる場合が多いですが、海外企業は内定が決まったらすぐ働き始めてほしい企業が多いため、2ヶ月後でも長いと言われる場合があります。
現職の退職へ向けた準備をコソコソ進めていくしかないような気がしますが、なかなかそうも行かないので難しいです。頑張りましょう。

今後どんなキャリアを作っていきたいかは、現職と海外就職の延長線上に何を描いているかを矛盾なく説明できればokです。このあたりは普通の就活と大差ない気がします。

なお、企業によっては1次面談はSkype、2次面談は現地の場合もあるようです。1次で同僚となるエンジニアなどから主にスキルチェック系の面談が入り、2次でマネージャークラスとの面談を経て、内定となります。自分の場合は、全て現地入りなしで内定が出ました。


内定の返事はどれくらい保留できるか?
交渉次第ですが、1週間くらいが妥当な気がします。この1週間の間に複数の企業を検討できるように、内定時期はできるだけかぶらせましょう。メールの返事を少し遅らせるなど、多少の小細工はフル活用です。
また、このタイミングで給与や労働開始日、ビザ補助、保険、その他労働環境なども確認して懸念事項をなくしておきましょう。交渉するのもありだと思います。
基本的には大きな企業の方が福利厚生は多く、例えば渡航時の航空券代や予防接種などもカバーしてくれる企業もあります。加えて日系大手だと、一時帰国の航空券代や家賃補助、国によっては運転手つきの車が貸与される場合もあります。


個人的には、一番精神的に疲れたのはこの企業探しでした。仕事から帰宅して、ひたすらLinkedInのメッセージを確認し、見つけた企業の名前でいろんなサイトを巡回検索し、英語読み続けて時には現地語を翻訳し、たまの面談でしどろもどろになり、サイレントお祈りにグッタリします。
ある程度絞り込めてくると、後は片っ端から応募するだけなので、そこまで気をしっかりもって頑張りましょう。

各国のITエンジニア求人情勢

ここはIT系以外の方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。自分の就活した範囲で、国ごとのざっくりとしたITエンジニア求人の傾向をお伝えします。

自分はデータエンジニアリング、SRE、クラウドエンジニアリング、Kubernetesなどの経験が多かったので、このあたりをキーワードに探していました。このような新しめの技術の求人は先進国の企業が多いです。ベルギー、オランダ、イスラエル、シンガポールなどからはSNS経由で声をかけてもらったので、何度か面談しました。

以下、各国の求人の雰囲気です。

ヨーロッパ(中欧)、イスラエル
・高給ですが、競争が激しい&英語の要求水準が高いです。また、日本市場向けのカスタマーサポートエンジニアのような募集も多くあったので、自分が希望する業務ができるかをちゃんとすり合わせた方がよさそうです。現地語が要求されることもあります。(フランスなど)
・ビザサポートがない企業も多い(今なんらかの労働ビザを持っている人が対象)のでしっかり確認しておく必要があります。
ニュージーランド・オーストラリア
・給与水準が高いです。月額70-100万が相場なんでしょうか?自社サービスを開発している企業はあまり多く見当たらず、外資系の支社が多めな印象です。データ系だとコンサルティング系が多かったです。
シンガポール
・開発系のポジションはかなりありますが、スキル・英語ともに要求水準が高いです。英語だとTOEIC850が足切ラインです。Skypeで面談してくれますが、その前にだいたいwebのコーディングテストがあります。また、ビザ発給において卒業した大学名でスコアが変わるので、シンガポール政府の評価が高い大学だと有利です(基本的には偏差値の高低と同様の傾向)
マレーシア
・コールセンター系の企業が多いため、それに関連したポジションが多いです。一番見かけたのはカスタマーサポートエンジニアなど。英語が公用語なのがいいですね。
・開発系だとブリッジエンジニアか、WordPress, HTML, CSS, jQueryといった案件が多いです。Webサービスの開発拠点を見つけるのはあまり簡単ではないです。探せばありますが、本当に数が少ない。
・ここ数ヶ月、移民のハードルが高まっている様子です(Twitterより)
タイ
・マイクロソフトやグーグルなどの外資系企業は多いですが、そこに続くような規模の企業はあまりなく、ベンチャーや中小企業が比較的多いようです。
・英語の要求水準は高くないです、TOEICなら700程度。
・製造業が強く、製造業のIT化などのポジションは探してみるとあります。ただ中心部から遠く通勤が長かったりするのは要チェック。
ベトナム
・日系と韓国系IT企業が多いですが、いわゆるオフショア開発企業が多数派です。そのため、ポジションもブリッジエンジニアが多めです。
・英語の要求水準は高くないですが、ちょっと発音に癖があります。現地語が話せる方が仕事もプライベートもスムーズに行きます。
・外資系企業の開発拠点が増えてきているのですが、そこにエンジニアとして就職する場合、現地人相当の給与水準になります。生活水準をそれなりに下げる必要があります(額面で1200 - 1500USD / month程度)
インド
・エンジニアマネージャーポジションはありますが、エンジニアポジションは皆無といって良さそうです。現地のエンジニア5人分の価値が出せるか、と言われるとなかなか厳しい。すぐ探すのをやめました。

GitHubは充実させておくべきか?

もちろん充実してる方がよいです。自分がやってきたことや技術的な内容の説明を英語でしっかりできれば、ある程度カバーはできる気がします。大きめの企業だと、CV提出時にアカウントを要求される場合もあります。


自分のアカウントはろくでもなかったので、英語で書いた数少ないブログ記事をアピールしてみましたが効果薄。普段から日本語によらずアウトプットすることを意識しておいた方が有利です。

面接で聞かれた技術的な質問
下記のような感じです。面接が始まって自己紹介もなくいきなり技術の質問が始まることもあるので要注意です。

例) データエンジニアのポジションの場合
- DBのIndexとはどんな技術?Clustered Indexとはなに?
- RDBとKVSの違いは?
- Map/Reduceとは何?
- 行/列指向データベースとは何?分散DBにはどちらが適している?
- SQLのwhereとhaving句の違いは?
- Pythonのprivateの記法は?リストとキューの違いは?
- シングルトンパターンとは?アダプターパターンとは?
- Node.jsでのwebpackとはどんな技術?
- どうしてKubernetesを使う必要があるのか?Docker単体と比較した場合のメリットは?

肌感としては、7割くらい説明できてれば大丈夫な雰囲気でしょうか。普段から英語で技術書を読んでいると、苦労が少なさそうです。


渡航準備(ビザ、役所手続き、お金周り他)

無事内定して、労働開始日もざっくり決まったら、渡航に向けた準備です。一番体力的に疲れたのはこの渡航準備です。

現職の退職
内定が出たら即退職手続きに入った方がよいです。内定先への期日先延ばし交渉をしつつ、現職をできるだけ早く辞める調整が必要になります。

家族への説明も忘れずに。個々人の事情次第だと思いますが、内定が決まる前から相談や連絡などをしてもいいかもしれません。自分の場合は事後連絡でした。

ビザ手続き
ビザがないと長期滞在ができないので、内定があっても働けません。欧米での就職の場合、企業がビザサポートをしてくれるかは要確認項目です。アジアだとビザは出やすいです。(最近はどこの国も厳しくなってきているようです)

就職先のビザサポートがある場合も、確実に取得できるようにやりとりは細かくしましょう。ビザの取得がスムーズに行かないと、あらゆるトラブルが起きます。


ビザ取得の難しさは、ハーグ条約加盟国かどうかで大きく変わります。ハーグ条約加盟国だとビザ手続きが簡略化されますが、そうでないと各国の指定手続きに従って書類などを用意する必要があります。
以下、ベトナムで自分の転職先から要求された手続きです。

1. 書類集め
ビザ取得のために必要な書類を集めます。ベトナムの場合は翻訳公証と呼ばれる、日本語からベトナム語への翻訳を大使館に依頼する必要があったため、全て日本語で書類を集める必要があります。
・職歴証明書(+在籍証明書)
その会社に何年努めていたのかを証明し、経験があることの証明とします。後からどの書類が求められるかわからないので、在籍しているうちに証明書は一通り取得しておくとよいです。
・健康診断書
医師から「この人は十分に健康なので働けます』」という言質を取った書類を作成する必要があります。『海外渡航 健康診断』などでググると出てきます。1週間くらい余裕をみておくとよいです。
なお、渡航先の国で要求される検査項目が検査されるのか、確認できる範囲で確認しておきましょう。ベトナムの場合では、JETROのレポートが参考になりました。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/7449e5550e1db333/vn-rp.pdf
・卒業証明書
ビザ審査において大学卒業はかなり有利です。母校まで出かけるか郵送依頼しましょう。念の為日英を複数枚取得しておくとよいです。
・犯罪経歴証明書(渡航証明書、無犯罪証明書などとも呼ばれる)
犯罪歴がないことを証明します。警視庁に行って申請します。平日のみ & 2週間かかるのでお早めに。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/tetsuzuki/toko/toko.html
いかなる場合でも開封したら無効です。中身を確認しないと記入できない書類がある場合は、空欄にして封筒のまま渡します。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000552.html#04_04

2. 公証集め
これらの書類は、持ってきた本人が本物であると主張しているだけなので、第三者による認証を受ける必要があります。英語だとlegalize / notarizeなどと呼ばれます。早い話がスタンプラリーですね。
上に挙げた書類では、犯罪経歴証明書のみが公文書、他は私文書になり、それぞれ手続きが異なります。
基本的には
・私文書: 公証役場での認証 + 外務省での認証
・公文書: 外務省での認証
ただし、私文書については、東京・神奈川・大阪の役場なら、外務省の認証をスキップできます。下記リンクが参考になります。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000607.html
公証役場では、書類が正しいものであると宣誓し、第三者に見届けてもらいます 。3分間話すだけで18,000円、いいビジネスですね。できるだけ予約を取って行きましょう。申請書のフォーマットは役場で印刷してもらうか、自分で作成して持参します。決まったフォーマットがあるわけでもないようですが詳細不明。自分は役場で印刷してもらいました。
なお、公証を受けた書類のホチキスをバラすと無効になるので注意。
外務省では、窓口か郵送で書類を渡すと、翌日くらいに受けとれます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000608.html

3. 大使館での翻訳公証

大使館にて、これまで集めた書類を翻訳してもらう & 領事の認証を取得します。
書類は全てコピーして、固有名詞(人の名前や会社の組織名など)、その他一般的でない用語にローマ字でルビをふります。翻訳に当たる人が翻訳をミスしないようにするためです。
5日くらいで返却されますが、ミスがないか必ず確認しましょう。自分が見た範囲で、本人の名前が違う、パスポート番号が違うなど基本的なミスを観測しました。
特にベトナム大使館は尋常じゃなく混雑し、3時間待ちはザラです。ミスがあると手間が増えるので、その場でローマ字は1語1語確認しましょう。

返却された書類をEMSなどで就職先企業に郵送して完了です!


海外転出手続き
 通常、1年以上海外に滞在予定の場合は海外転出届を出すことになっていますが、海外転出届を出さずに日本に住所を保持したまま転出することで、非居住者にならないという方法はあるようです。
これはかなり個々人の人生設計により変わる選択だと思います。自分は非居住者を選択しました。

非居住者になると変わってくることは、大きくは下記の3点です。
・住民税が徴収されないです。1/1時点で住民票がある場合、去年の年収に応じてその先1年の支払いが要求されます。他にも税制上のメリットはいろいろあります。
・国民健康保険には加入できなくなりますので、民間企業の保険を利用する必要があります。
・国民年金は任意加入でき、非居住者になっても個人的に加入はできますが別途手続きが必要です。

自分の場合、住民税を払うコストが、国民健康保険と国民年金に加入できるメリットに見合うか、を考えて非居住者になりました。
非居住者になるには、通常の引越しの転出届同様に役所へ向かい、海外転出届を出します。職員の方が必要な手続きを教えてくれるので、それに従って手続きをしましょう。出国の2週間前から提出できます。

なお、今の住まいから一度実家に戻る場合は、今の住まいを引越してから14日以内に転出届または海外転出届を提出しないと、罰金が発生する可能性があります。一時的な実家滞在のために住民票を移す面倒を考えると、今の住まいを引き払ってから14日以内に海外転出届を提出するのが楽かなと思います。

しかし、非居住者になると主に金策周りでやることが増えます。


持っている金融商品(投資信託、株)はどうしたらいいか?
 自分はSBI証券で投資信託と株を保有していたのですが、NISA口座や特定口座で保有しているものは全て一般口座に移動する必要があるとの回答でした(必ず問い合わせしてください)。電話で依頼して全て対応していただけました。証券口座によっては解約が必要になるようです。


ただ、自分の金融商品を保持し続けるするためには、常任代理人を新たに定める必要があります。その際、保持している分の追加購入はできませんが売却は可能です。その売却益は国内源泉所得として課税対象になります。
https://site1.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_home&cat1=home&cat2=service&dir=service&file=home_non_resident.html
なお、一時的な転出であれば、NISAは条件付きで保持可になるようです。
https://www.tabisland.ne.jp/news/tax/2019/0318.html

非居住者はマイナンバーを失うのか?
 自分の場合はマイナンバーカードは取得しておらず通知カードを持っていました。海外転出時に通知カードは「返納手続き」を行うように言われます。返納した場合には「返納済」というスタンプがカードに押されます。

しかし、返納することによって番号が失効するわけではなく、これまでマイナンバーを記載した書類について変更作業が発生するわけでもないです。(東京都杉並区役所にて確認)。
返納しないと何が困るのか?ですが、日本に帰国して再度居住者になる際に、返納していなかった場合は通知カードの再交付手数料が有料になるかもしれない、という回答。
正直なところ、返納の趣旨が理解できなかったのでしませんでした(強制ではない)。なお、マイナンバーカードは自治体に返却しなくてはならないとのこと。

これもご自身で確認した方が良いかと思います。

非居住者になる個人事業主は、廃業する必要がある?
 自分は副業で個人事業主として開業しており、青色申告も届けていました。この登録をどうすべきかについて不明だったので、杉並税務署で面談して確認してきました。
結論としては、自分の場合は廃業は不要でした。ただし事業内容により判断が変わってきます。


まず、国外所得については、滞在国にて納税する前提です。
個人事業主として開業していて、実質活動していないことは特に問題になりません。帰国して事業をする可能性があったので、いったんそのままにしています。
青色申告の取り下げも不要です。国内厳選所得が控除額範囲内であれば、申告自体をする必要がないためです。
「海外で働いているのに国内源泉所得が発生して課税退職になるケースは?」を聞いたところ、日本国内の資産を使って売上を上げたとみなされる所得 = 国内源泉所得とのことです。例えば海外でPCを使って完結する仕事は国内源泉所得に当たりませんが、日本にある不動産の運用などによる事業所得は国内厳選所得として課税対象になります。(杉並税務署より)

と思ったのですが、freeeには廃業・青色申告取り下げすべきと記載がありました。。。詳細は調査中です。https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/address/

非居住者になる場合、確定申告はしなくていいのか?

 自分の場合は、副業での事業所得があったため必要でした。その年度の確定申告が必要な状態で出国した場合、代理人経由で確定申告を行う必要があります。出国までに確定申告を行う方法もあるようですが、出国までに源泉徴収票を取得できなかったので諦めました。
また、年末調整を受けずに海外出国する場合も、還付を受けるためには確定申告が必要です。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1910.htm

代理人は納税管理人と呼ばれ、事前に選出する必要があります。税理士や親族に依頼することになります。
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1923.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kokugai/yoshiki/pdf/kisairei4.pdf

しかし、この確定申告自体を提出する税務署の場所も注意が必要です。自分が設定した納税地が、納税管理人の納税地と異なる場合、納税管理人の納税地になるように納税地の異動を事前に届け出ておく必要があります。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/06.htm


先述したように、1/1時点で住民票があるとその先1年分の住民税が発生してしまうこと、そして12月まで在籍していないと年末調整での還付を自分でやらないといけないことから、12月退職が一番よいタイミングなのかな、と思っています。

確定拠出年金(401k)はどうすればいいのか?
 自分の所属会社で確定拠出年金が採用されていたため、退職時にこの処遇に困りました。転職時には、次の転職先に持ち越すか、個人運用に切り替えるか、年金として現金化するかの3択になります。海外転出の場合は個人運用か現金化ですが、これ、放置して半年たつと勝手に現金化されて金融商品ではなくなります。

現金化するよりは運用したかったので、個人型で継続できる銀行を探しました。とはいえ大きな金額ではない&積極的に追加投資をする予定もないので、いったん年間手数料が低い個人型の口座に移行するのが良さそうと考えています。
なお、企業型を利用していても2年くらいで退職すると、運用していた資金は企業に回収されてしまう場合があるようです。

また、海外転出時は『運用指図者』という代理人を指定する必要があります。
https://www.jis-t.kojingata-portal.com/retirement/consumer/houhou.html
https://www.dcnenkin.jp/search/commission.php
https://ideco-ipo-nisa.com/35721
http://www.dc.tr.mufg.jp/transvection/QuestionBase/StartMutb.html?y=2017

銀行口座解約
 非居住者になり海外に転出する場合、いくつかの銀行口座は解約を求められます(住信SBI銀行など)。また、解約が求められない場合も、海外からの操作ができない銀行も多いです(ゆうちょ銀行など)。
三菱UFJ銀行は海外転出時に住所変更などをするように記載があるのですが、電話問い合わせしたところ特に強制ではなくあくまでも「オススメ」とのことだったので、いったんそのままにしています。

銀行口座開設
 解約せずにすんだ銀行口座も、海外からの操作に制限がかけられる場合があります。そういった銀行の場合、海外転出用の有料サービスを進められます。ただ、海外転出者用のサービスがもともと充実している銀行もあるので、それらをいくつか口座開設するべきです。
 重要視する機能としては、海外から操作が禁止でなく、振込手数料が安く、海外送金に対応している、などですね。自分はソニー銀行と三井住友プレスティアを開設しました。また、この時点でどこの口座にどれくらいの金額を入れておくか分配しておきましょう。振込手数料が安くなる口座や海外送金が安くなる口座に多めに入れておくとよいです。
 また、三菱UFJ銀行はアメリカのUnionBankの口座を簡単に開設できる手続きを持っています。後述する米国証券口座での投資において活用するため、開設しました。なお一ヶ月くらいかかるので、余裕をもって開設しましょう。住所が変わると書留の受け取りができなくなります。

クレジットカード作成と解約
 クレジットカードも、日本の企業に所属している間に申し込んでおきましょう。これを機に不要なものを解約するのもおすすめです。
自分はマイレージカードを持っていなかったのでANAのクレジットカード、海外ATMでの現地通貨キャッシングの手数料が安いセディナカードを新たに作りました。このあたりは詳しくないので、『海外ATM手数料徹底比較!オススメクレジットカードカード5選』みたいな記事をオススメします。

米国証券口座開設
非居住者になることで、日本の証券口座での購入ができなくなったため、少額から手数料少なく投資ができる証券を探して口座開設しました。Firstradeを選定しましたが、まだ投資は開始していません。下記ブログが大変参考になりました。

https://global-investment.net/whyabroad/


送金手段の確保
何も考えずに銀行の手続きに乗っ取って海外送金をすると、為替レートがとても悪かったり、手数料がやたら高かったりなどのケースがあるので、できるだけ安く済ませる方法を探しましょう。
ネットで探すとFX口座を介して行う方法などがありますが、手間がかかるので、自分はTransferwiseと呼ばれるサービスの登録を行いました。これらの口座も早めに開設しておくと住所変更と前後せずにすみます。



その他、役所の手続き
 まず、自動車無事故証明書の取得。国によっては入れる保険や金額が変わるようです。現地の自動車保険を検討している方は確認したほうがよいです。

そして、住民票(海外転出予定と記載があるもの)を複数枚入手しましょう。クレジットカードや銀行口座等の海外住所変更手続きに必要となる場合があります。

さらに、国際免許。現地で運転する予定がなくても、必要になるかもしれません。2,350円(東京の場合)程度なので、念のためにとっておくと安心です。
ただし、国によっては使えない場合があります!ベトナムはダメでした。

https://jaf.or.jp/common/global-support/international-driving-permit


なお、証明写真のサイズが違うのが多く必要になります。すでに適切な画像を持っている場合は、下記のようなサービスを使うと割安に印刷できます。


最後にパスポートの確認。ビザ申請時など、残りの有効期限が長く必要な場合が多いです。切れそうな場合は更新しておきましょう。有効期限が1年以内になると更新できます。



健康チェック
身体が健康でなくては働くどころではありません。慣れない海外生活で身体を壊さないように、できるだけ企業の保険に入っている間に全て終わらせましょう。
・歯医者
海外の歯医者は高い、というか日本の歯医者が安いです。日本にいるうちに直せる虫歯は直しておく、取っておいた方がよい親知らずは取っておくなどしておきましょう。歯磨きのやり方やフロスなど、自分の歯磨きについて改めるべき点はアドバイスをもらっておくとよいです。
・健康診断
ビザのために必要な健康診断はそこまで細かな項目を実施しません。忙しい社会人生活の切れ目はよいタイミングなので、これを機に人間ドックや脳ドックなどで検査してもよいかと思います。また会社の福利厚生で人間ドックに補助金が出る場合などもあるので要チェックです。
・予防接種
渡航先で日本と異なる病気がある場合はぜひ接種しておきましょう。アジア圏では狂犬病や破傷風などが該当します。また30歳前後だと子供の頃の予防接種ワクチンの効果が切れている場合があるため、それも合わせて再摂取しておくのもよさそうです。基本的に保険適用外のようですが、現職の企業や転職先の企業で補助金がないかダメ元で確認しましょう。
・薬
持病のある方は、持病の薬をまとめて数カ月分処方してもらえないか交渉してみるとよいです。渡航先で同じように処方してもらえるとも限りません。常備薬もこのタイミングで仕入れておくとよいです。

身辺整理

現住居の退去
自分は一人暮らしの家を引き払い、最低限の荷物を実家に預けて出発しました。荷物が多い場合はトランクルームなどを検討してもよいかもしれません。なお、日本に自分名義の住居を残していくような場合はもっと複雑になるかと思います。
基本的には一人暮らしの家から実家への引越しを想定すればよいのですが、追加の対応がいくつか必要になります。

不用品の処分の徹底
トランクルームを借りるにせよ、しばらく使わないのであれば不要な物を徹底的に処分した方が維持費が減らせてよいです。自分は今後いつ日本に住み直すかも未定なので、いったん全て処分することにしました。

いざ処分するとなると大変でしたが、下記のような流れで処分しました。

まず、小さめでちゃんと使える家電や家具や本については、友人や同僚に連絡を取って希望者に譲ったり安く買ってもらいました。食料品や細々したものは、宅飲みを開催し、ついでに持って帰ってもらいました。笑

希望者が出ないものについてはメルカリや地元のリサイクルショップ、引き取り手がいなかったシングルベッドなどは引越業者に回収依頼をしました。本来であれば粗大ごみに出したかったのですが、2週間先まで受付終了で間に合わなかったためです。確認は早めにしておきましょう。
なお、廃品回収業者に7,000円で引き取ると見積もられたものが、メルカリやリサイクルショップではある程度の価格で売れたりするので、ちゃんと比較するといいことがあります。

売れないけど使える食器や服については、寄付しました。
古着は古着deワクチンに依頼すると多少金額がかかりますが、実家にあった古着含めてダンボール箱3~4箱分程度を自宅まで集荷してもらえ、更に貢献にもなるので処分方法として検討するとよいかと思います。

https://furugidevaccine.etsl.jp/


食器の寄付はいくつか団体はあるものの、事前申請が必要で手続きに時間がかかる団体が多い中、下記のいいことシップはいきなりダンボールを送りつけても受け付けてもらえます。その場合は送料のみ自己負担になります。


不要な契約の解約
引越しに伴う電気ガス水道や火災保険はもちろんのこと、NHKなども解約しておきましょう。海外転出ならば簡単に解約できます。https://www.nhk.or.jp/faq-corner/2jushinryou/02/02-02-28.html
それ以外も自動更新になっていないか、自分のあらゆる契約を一通り確認しましょう。インターネットなどは、契約満了月以外に解約すると解約料が請求されるケースもあります。

実家等への郵便転送
源泉徴収票や銀行からの送付物など、重要な書類は少し遅れてやってきます。事前に海外での受け取り先が確保できていれば海外転送でもよいかもしれないですが、現地の郵便事情(例えばフランスは紛失が多い)の確認をしておいた方がよいです。

荷造り
渡航先で入手が難しいものを優先してパッキングしましょう。コンタクトやメガネ、日本製の歯ブラシなど。
HDDなどもこれを機に新調しておくとよいです。そして何より電子書籍。今はいい時代になったもので、本はネットで買って読めます。本はスーツケースの場所を取るので、日本にいる間から電子書籍を購入しましょう。他に持っていってよかったものやいらなかったものは、別の記事に書くかもしれません。

保険
現地でどのような保険に入れるか、就職先会社の福利厚生と合わせて確認しておきましょう。

現地で使えないサービスの確認
GmailやFacebookなど、普段から使っていて今後も使い続ける予定のサービスが、移住先の国でも同様にアクセスできるか確認しておきましょう。また、日本のオンラインバンキングや家計管理サービスなどは他国からアクセス拒否しているケースもあります。

VPNの確保
日本のサイトは海外の特定国からのアクセスを弾いていることも多いので、スマホやPCでVPNが使える設定をしておくと便利です。無料VPNサービスは多々あるものの、日本のサーバーを使う場合は有料オプションが必要になるケースが多いです。VPNGateは長期で使い続けるものではないため、有料オプションを契約するのが無難かもしれません。
エンジニアとしてのオススメですが、VPSサーバーを契約して自分専用のVPNサーバーを立てると有料オプションより安上がりです。個人情報が心配になることもないです(ちゃんとセキュリティ対策できてれば。)

各種お別れ
会いたい人にはちゃんと会っておきましょう、この年齢だと今生の別れになることも多いです、きっと。久しぶりの友人に会ってみると、知り合いが現地に滞在していることが分かったりして面白いです。

そして、食べたいものはしっかり食べておきましょう。行きたくても行かなかったレストラン、馴染みの定食屋やバー、など。


直前の出発準備

滞在先の確保
 会社が用意してくれるなどのアテが特になければ、airbnbで2週間くらい予約しておきましょう。ベトナムだと2週間でも3万円くらいなので、そこまでの出費ではないです。
 そして、できれば働き始める前に、住居を契約したいところです。働き始めると仕事の勉強など懸念事項が増えてしまいますし、土日しか見学に行けないため時間がかかりがちです。ちなみにベトナムの不動産屋は月〜土対応が多いため、日曜日は見学ができませんでした。焦るあまり変な契約をしないように注意は必要です。英語対応可能で、信頼できるオーナーを探すのはなかなか骨が折れます。
 自分の場合は社長のご紹介でよき住居を見つけることができました。同じマンションでもオーナーの趣味で内装が全然違うためバリエーションが多く、家の見学はとてもおもしろいです。
東南アジアの場合、家具付きの物件が多いので、日本から持っていくものや、住んでから購入するものはかなり少なくてすみます。


現地通貨の準備
 ほとんどの空港でATMで現地通貨を引き出せます。VISAやMasterCardがあればクレジットカードでキャッシングで簡単に引き出せますし、成田空港などで両替すると高いので、ATMの利用がおすすめです。

とはいえクレジットカードがATMに吸い込まれるトラブルなども想定されるので、1万円分くらいは保険として持っていくと気持ちが落ち着きます。


出国スタンプ
成田空港では簡略化されていますが、『いつ自分は出国したのか』を証明することが必要になった場合(保険の適用など)、保険会社によっては出国スタンプを要求することがあるようです。念の為、また海外転出の思い出として、出国スタンプは押印しておいてもらいましょう。自分は忘れました。


移住前後の出費

実際、移住に関してトータルで何にいくらかかったか?と言われると…
・予防接種: 7万円
・渡航費: 6万円
・下見費: 10万円
・現地ホテル: 2~3万円
・出発に備えた買い物: 6~8万円
・引越し: 3万円
・医療費: 3万円
・送別飲み代: x万円

くらいでしょうか。実家があったのでだいぶ抑えられた点もありますが、単身ならそこまでかからないんじゃないでしょうか。

現地採用以外の、駐在などの選択肢は?

ここまで現地採用を前提として話を進めて来ましたが、他にも2つ方針があります。

1. 現地駐在、出向
 すでに所属する企業の支社などに、駐在員として出向するパターンです。メリットは、格段に違う待遇です。給与はもちろん家の手配や語学研修などの福利厚生などが、現地採用とは比べ物になりません。渡航準備も会社がある程度手伝ってくれたり、先輩など相談相手が多いのも有利です。自社にそういった募集がある場合は積極的に狙うとよいのではないでしょうか。

自分の所属会社ではそういった募集がそもそもなかったのですが、渡航時期および帰国時期が自分でコントロールできないことのデメリットが大きいと個人的には感じます。好きなタイミングで好きな国で働けるのがエンジニアならではのメリットだと思っているので、それを活かせるとよいなと。
 なお、声をかけていただいた国内のIT企業にそういったポジションの打診もしたのですが、多くの企業ではそもそもエンジニアを駐在をさせる理由がないようです。現地での技術指導なども出張ベースであることが多く、駐在ポジションには巡り合うことができませんでした。残念。


2. 多国籍企業に所属し、支社に所属変更する
 いわゆるGAFAなどですね、狙えるならこれがベストだと思います。給与水準を保ったまま、同様の業務内容で国だけ変えることができ、そもそも帰国する必要がないです。自分もこれを狙って、積極的に国内の支社にコンタクトを取っていました。


 ただ、そもそも行きたい国に支社がある企業に入社できたとしても、その支社でオープンポジションが出てこなければ移動できない点、そして入社して1年くらいは日本支社での就労が必要になる点は考慮すべきですね。(GとMからの回答)飛び抜けた実力があればそんなことはないんでしょうか。
 自分の場合は個人的な事情で1年待つことができなかったこと、ベンチャーに入社するなら早めがよいなと思ったことから、この選択肢は除外しました。

最後に

ここまで読んでいただいてありがとうございます!
もし、もっと知りたいことなどありましたら、Twitter(@techeten)などでご連絡ください。できる範囲でお返事や、この記事に加筆反映したいなと思ってます。
また、ホーチミンでの暮らしの始め方なども、ある程度まとまった段階で生活ノウハウをまとめて公開したいと思いますので、そちらもぜひお読みいただけると嬉しいです。

一年後の様子

参考になった書籍一覧


モチベーション

少し古い本ですが、海外移住したくなる本です。モチベーション作りに使いました。

これはkindle unlimitedでも読めます、これも海外行かなきゃって気持ちにさせてくれます。

最前線で戦う人たちの雰囲気が垣間見れます。

小説調です。掘り下げはあまりないですが、興味を持つ第一歩として。


暮らし

アジア諸国での物価、ビザ取得、住居や交通など、暮らしのイメージが具体的になります。

タイでの暮らしぶりについて。こ移住体験の書籍は現地生活のイメージを作るのにとても役立つので、国が絞り込めたらぜひ探してみましょう。

就活

就活全般について大いに参考にさせていただきました。このブログにもここから学んだノウハウが書かれています。

こちらはもう少し長期的なキャリアに資するという観点でアジア就職をオススメしています。

こちらはITに特化した海外就活本です、CVの書き方や面接対策などが参考になりました。アメリカ基準ですが、他の国でも十分活用できます。

資産運用

海外転出において、どこの国にどういった資産を持つべきか、考える指針になります。UnionBankやFirstradeの開設などはこの本に触発されて実施しました。


サポートはコーヒー代としてありがたく頂戴します!