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向日葵の散る刻に

◇主要登場人物
🌸樋坂 海羽(ひさか みう)
零泊学院高等部1年
人間恐怖症・不登校・保健室登校生
コンプレックス:声・背中にある火傷・過去
心を閉ざしている・成績は中の下
失声症

🌙神影 秀誠(みかげ しゅうせい)
零泊学院大学部1年
何事も適当に生きている・人に興味がない
元人間恐怖症で不登校生
大学部で成績優秀・主席

◆あらすじ
過去の「だれにも話せない思い出」が引き金となり、声が出せなくなった海羽。進学したくなく、通信に通いたかったが家の者が猛反対。仕方なく、県内で有名な私立の高等・大学院に進学。だが、誰にも近づけず、かといって不登校できずで、先生と相談し保健室登校で課題をすることに。ある日いつも通り課題をしているとやってきたのは茶髪の先輩。「お勉強中失礼します~」偶然の出会い。だが交流を重ねることに海羽の心に変化が…

第一章:気分の悪い快晴


気分悪い快晴の日。私は「いつもどおり」保健室に向かう。
ノック音:コンコン…
先生:「ん。どうぞー。」
(………)
この人は数少ない私が対面できる人、保健室の先生【神楽宗助】いつもミステリアスな風貌でへらへらしてるけど、多分以前の私とよく似ていると思う。
ドア:ガラガラ…
(…ペコ)
神楽:「あ、海羽ちゃん。おはよう。今日の気分は、どう?」
(…フリフリ(横に振る))
神楽:「そっか。まあそんなときもあるさ。はいこれ、今日の課題ね。…あ、そうだ!」
(……?)
先生:「正直に答えてね。…海羽ちゃん最近前より学校来ることが苦痛になってきてる?」
(…!!)
神楽:「…驚いた顔してるね。まぁ、それもそっか。…最近来ることが減ったし…【あの子ら】との厄介ごとの噂が聞こえてきたんでね。」
(…)
神楽:「ま、そんなわけでさ~昔隅に部屋作ったままなんだよね。だから、良ければって思ったんだけど…どうかな?」
(!!…ブンブン)
神楽:「うわ!めっちゃ振るじゃん!?!?ビビるって…あ、でも。人に慣れなきゃだめだよ!?ってことで…数時間後。楽しみにしててね。」
(……?)
神楽:「ってなわけで、先生はこれからちょっと用事で会議なんだ~休憩しながらでもいいから自習しててね~」
そう言いながら出て行った。
(…スタ、…パタパタ)
ドア:バタン
(…楽しみにしてて、ってどういう意味なんだろ。)
そう思いながら私は勉強道具を取り出し、いつものように勉強を始めた。

…数時間後…
(わかんね…)
ここにきてから数時間たっているというのに私はまだ数ページも進んでいない。
(…もう全部だるい)
神楽は、休憩しながらでもいいといった。なら、私はそれに従うだけだ。
(…スゥ)
そうしてまどろみ、つかの間の休息をとったのだった。

-第一章終わり-

絵:ノーコピーライトガール様

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