ショートショート『自己実現器官』
ここはとある研究所。
ラボでは、博士とその助手が、未来の展望について話し合っていた。
「人類の未来は明るい。この『自己実現器官』の発達によって、人間は新たなステージへと進もうとしているのだ」
博士は以前、自らにある薬を投与していた。
その薬を投与すると、からだの全身の器官が自ら考えて行動し、自分だけの役割を見つけるようになる。
たとえば胃袋なら、より効率の良い揚げ物の消化方法を求めて試行錯誤を重ねるようになり、結果的に健康に貢献する。
眼球ならば、読書やPCなどの