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真夏
2020年5月6日 20:17
ある朝出勤すると、長髪の男が盛大にラーメンをぶち撒けていた。辛いタイプのラーメンだったらしく、床にもソファーにもテーブルにも、殺人現場のように赤い汁が飛び散っている。「くそっ、最悪だ」わたしは足早に受付の横を通過しながら、朝ごはん用に買ったパンの入ったコンビニの袋とカフェラテのカップをカウンターの上に滑らせて、カフェスペースの一番奥へ急いだ。「大丈夫ですか?」真っ赤に染まったチ