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大好きな消防士を辞めた理由

2020年3月31日 発令通知書 辞職を命ずる 

辞令交付式で発令通知書を受け取り、消防吏員を退職しました。

7年間という短い期間でした。

どうしてもなりたくてなった消防士、
現場に居続けたくて「子供」という選択肢を捨て、
定年まで働く気しかなかった。
学生時代、関東地区指導会で活躍している先輩を見て、
「あの場に行きたい!」と思い、
地元ではなく、救助指導会の種目で選んだ消防本部。

パワーでは男性に勝つことはできないが、運転なら負けない!
そう思いながら日本一大きいはしご車の機関員になり、
所属のロールモデルのようになった今、

大好きだから、もっと良くしたくて、変えたくて、消防を辞めるなんて。

私が一番ビックリしています。笑

やりたかったことを実現できた時、その先には?

私は、学生時代からライフセービングをやっていて、ずっと人命救助に携わってきました。
しかし、海で人を助けることはできるけれど、私たちが要請するのは「119」
結局、救急隊に引継ぎくところまでしかできないことにもどかしさを感じ、

「この先をやりたい。仕事にしたい。」

そんな想いから転職し、消防士になりました。

そして、私は消防が大好きです。(マニア的な好きではない)
人の命を救う最前線の素晴らしい仕事
人の命を救うなら医者でもいいじゃないか?と思うかもそれません。
答えは NO
医者や看護師は病院にいる。受け身であり、傷病者(患者)は医者を選べる。

119は?
傷病者のSOSに対して能動的に動く機関。それが消防です。
医者でも看護師でもない、消防士という仕事に魅力を感じてなった職業でした。

誇らしくもあり、素敵な仲間もたくさんできました。
消防学校という、社会人になってまでも部活のようにガチガチな校則、ルール、電波時計がないとやっていけない生活。
同じ屋根の下、寮生活で過ごす半年間は貴重な経験でした。

救助指導会、大好きだよ。
だって、社会人になってこんなにも熱中して、本気で全国大会目指そう!なんて環境他にない。

会社の同僚ではなく、仲間という感覚。

逆に、
好きだからこそ、
もっとこうしたら良いのに。
これがあれば良いのに。
という思いが日に日に募りました。
そして、階級社会だからこそのメリット、デメリットもあります。
ラクをしようとすればそれなりに過ごせてしまう。
階級が上がるにつれて仕事をしなくなり、パワープレイが増える。
なのに給料が上がっていく。

こんなラクな仕事ある? 消防、ぬるすぎ。

どうにかして変えていきたい。そう思った時に自分の階級年齢立場が追いついていない。階級が上がるまで何年かかるか...待ってられない。若手公務員の離職がニュースになっていましたが、世の動きに敏感であり、視野の狭い上席が変わらないことを察知した結果だと思います。

そんな時に起こる災害。東日本大震災や毎年起こる大型の台風、集中豪雨。
世界の約20%の災害は日本で起きているとも言われていますが、こんなにも災害を経験しているのに、毎年災害で亡くなる人が多い。

現場動く最前線で活動する私たちは、119に入電する件数に対して、人員も資機材も追いついていない現実をずっと前から知っていました。

そのような現状に対し、対応できるよう訓練をしていた
というのが正解です。

事実、現状はそれで対応できています。(ギリギリなんとかしているといった感じ)
そんなギリギリの状態が最良な市民サービスなのか?という問いに対してyesとは言い難い。

しかし、この先起こると言われている首都直下地震や、南海トラフ地震。
それが起こった時に、私たちはどうなるんだろう?

正直、未知の世界です。

公助には限界があります。(人員と資機材と車両には限界がある)

どうにかしたい。でも、どうやれば良い?

BOSAI  Startups in Japan

Yahoo!で開催されたBOSAI  Startups in Japanで強烈なビジョンを共有できる仲間に出会いました。


BOSAI  Startups in Japan で入賞し、2ヶ月後に開催されたWBF2019へ…!

WORLD BOSAI FORUMに登壇!


自然災害や救急現場で多くの亡くなっている人たちを見てきましたが、その人たちは助かったはずの命なんです。

避難所を知らなかった
家族の状況がわからない
助けを呼べなかった

「私がいたら絶対に助かったのに。もっと消防を良くしたい。助かる命を助けたい。」

世界防災フォーラムをきっかけに、カタチにするチャンスが訪れました。

「公助の限界突破」
これを本気でやろうよ。キラキラ輝いた真っ直ぐな目で言い合える仲間。

やりたいと思った時に、それを実現できる環境。
タイミング・理解・協力・仲間
これがあったら、挑戦しない手はない。
◆挑戦して失敗する後悔と
挑戦しない後悔
迷わず前者を選択します。

だって、一度の人生だもん。答えはこれに尽きます。

私は公務員。
公務員は自らモノを生み出す力が欠けている。
でも4月からは公務員ではない。
今まで自分で培ってきた経験を、「モノ」=商品に変えていく。

それを生み出すことにより、消防組織の改革に繋がったり。助かる命が助かる。

現場に居続けながらやれるのが一番良いけれど、日本は時代がまだ追いついていない...。
今でも、もうはしご車で緊急走行できない!って考えるだけで涙が止まりません笑

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所属は変わりますが、想いや気持ちは変わらない!
Next Stageへ挑戦します!

#消防士 #公務員 #消防 #防災 #よんなな防災会

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