マガジンのカバー画像

184
自作の詩です☆読んでいただけたら嬉しいです。
運営しているクリエイター

#写真

詩 すすきの穂

詩 すすきの穂

じゃあまたねと母は手をふった
ちいさな背を折らずに歩く後ろ姿
髪染めをやめた白髪は柔らかく哀しい

これから手を合わせる時はどうか
どうか自分のことを祈ってください
母親とはどうしてもそれができないものだと
一番良く知っているのにわたしは
わたしはそう思わずにはいられない

ぴんと冴える冬の空
すすきの白く豊かな穂が風を受けてそよぎ
母の髪を思う
目に焼き付ける姿を繰り返し変えながら
まだまだだ

もっとみる
銀杏

銀杏

遊歩道近く。強い風が吹いて、もう葉を落とした銀杏の木があった。

短歌と詩

葉を散らし時のままただ立つ銀杏
いさぎよくでも惜しむでもなく

うっすらと色の広がる夕陽を受けて立つ銀杏
ついこの間まで黄色に照り映える葉の下で、子供達の遊ぶ姿を見たはず
寂しかろうとか
心細さの中で佇む姿も美しいなどとは
人間様の勝手な思い

日がすっかり落ちる前に
灯りのある部屋で
一服の熱いお茶でも飲もう

銀杏散

もっとみる