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エッセイ・コラム

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感じた事をいろいろ書いていきますので、読んでみてください。
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#和歌

とある和歌

とある和歌

 平安時代に勅撰和歌集として編纂された古今和歌集の中から、現代において最も広く知られている短歌について書いてみようと思います。

我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで

 わたし達が知る歌は冒頭が「君ヶ代は」ですが、時代を経て変わっていったようで、江戸時代に入ってこちらが主になったようです。

 実はこの和歌は、朗詠のための和漢朗詠集にも収められているのです。場合によっては少し節

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額田の紫野は茜さしてこそ

額田の紫野は茜さしてこそ

子供の頃画用紙におひさまの絵を描く時、当たり前のように赤いクレヨンを使わなかっただろうか。

茜草という植物がある。表紙はその茜草の写真だ。薬草として、また染料として利用するのだが、その時に出る色はとても明るい赤だと言う。

『あかねさす』
和歌の世界において枕詞として有名なこのあかねは、茜草の色彩から太陽をイメージして昼間、日、照るの枕詞として使われる。子供の頃に描いた光るおひさまの色だ。
とて

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