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宝宝『おい!サイコーに愛なんだが涙』が終演した話

宝宝(1かいめ)『おい!サイコーに愛なんだが涙』終演に寄せて
公演が終了したので、私の感想や企画のまとめを行います。
本当にありがとうございました。読んでくださったら嬉しいです。

上演の様子その①


ご挨拶

本当にありがとうございました。2024年6月2日をもちまして、宝宝(1かいめ)『おい!サイコーに愛なんだが涙』は無事に終演いたしました。全7ステージ、各回満席のうちに終えることができました。途中雨が降ったりしたにも関わらず、開演時間を押したりすることなく始めることができたことは観客席にお集まりいただいた皆様のおかげです。本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。ほんとほんと、ほんとに嬉しい毎日で、まさに奇跡の中にいるなぁと日々ふわついていました。

開幕してから、お褒めのお言葉を紙アンケートや主にXやInstagramのポストでたくさんいただいて当日券をお求めのお客様も大勢いらして……どうにかどなたも帰さず、作品を観ていただくことが叶いました。(満席の中予約したいという方には当日券で立ち見の可能性があるとお伝えさせていただいていました。諦めさせてしまった方、申し訳ございませんでした)

客席に詰めて座っていただくことをお願いすることもございましたが、皆様お願いを聞き入れてくださって、感動していました(私は開場中案内をしていたのです)。また再三お願いした携帯電話の電源をOFFの設定にしていただいたことや、待機列が外の設定になっていたことなどもお願いを聞き入れてくださり本当にありがとうございました。上演はトラブルなく、進行することができました。

これもひとえに、皆様のおかげです。関係者各位、またご来場のお客様、お心を寄せていただいた皆々様。本当にありがとうございました。

小さな会場でしたが、私はインストールの途中だビル様で公演できたことがとても嬉しかったです。延べ160名超の方がこの作品をご観劇くださいました。宝宝というユニットを始めたばかりの私が、初めての主宰公演で、しかも出演者は私ひとりにも関わらずこんなに多くの方に見守っていただくことができたことがいまだに正直信じられない…!という感じです。

上演台本も完売したし(!) 予想を大きく超える反響をいただきました。ヒーーーーーという感じです。ヒーーー!

さて、いつまでもこの調子で書くとありがとうございますシリーズが永遠に続きます。
ついて来れていますか?本当に恐縮しまくりでございます。

この記事では、私の気持ちとか今回の公演を通してどういうことが見えたかということと、アンケートの一部を紹介させていただくこと、クリエーションや運営に際して良かったことと反省したいことを列挙して参ります。

すごい分量になるのでは?とも思うのですが簡単に書いていきたいと思います。公演の記録をするということ、そしてそれを公開するということは私は演劇を続けていくために、また新たに誰かが演劇をやるために必要なことだと思います。お金の設定のこととか細かい言いづらいところは言えないのですが、気になる方は私に直接ご連絡ください。

私の公演を終えての所感はこの記事の最後にまた長々と書かせていただきます。

気になるところだけ読んでいただけたら幸いです。ハートもぜひ押してね。

アンケート一部紹介

アンケートに書いていただいたことの一部を文章編集して紹介させていただきます。重複していた内容を優先的に取り上げております。

個人的なことを書いてくださった方のものは、長井が秘密に大切にさせていただきますのでご安心くださいませ。多数だったものを主に取り上げさせていただいております!
アンケートは私が大切に保管して死んだ時はちゃんと棺桶に入れて貰いたいと思っています。

▪️印象に残ったシーンやセリフがあったら教えてください

電話でお父さんと話すところ・柱でキャラクターが変換されるところ
小道具の使い方が良かった・こんなうどん屋さんは愛だ
姉のシーン(産後)・「ごごごごごご、ごめんね」
教授全般・「自分の考えとか気持ちとかすっとまとめるのが苦手で〜」
ハチクロ単行本、GTO・「自分が本当に欲しかったものは強さ、みたいなものだったんじゃないかということ…」
ベッドシーン・パンツ・大の字になるところ・窓の演出・「だるま欲しい」
「長い時間をかけて、じっくりと手紙を書くような…」

など

▪️今後の宝宝(長井健一)に期待することはありますか?

ワークショップの開催
再演・新作のクリエーション
長井が思うままに健康で演劇を続けていくこと
もう少し大きい会場での上演
『おい!サイコーに愛なんだが涙』の映画
二人芝居・ひとり芝居の新作

▪️長井と次に組んでほしい作家・演出家・出演者・劇場などがあれば教えてください

ダンス作品・玉田企画・長井フレンズの出演
かまどキッチン・古民家
新宿ブリーカー・中野Twl・コント
三浦直之さん・小住優利子さん
関根信一さん・伊藤悟さん

私♡・世田谷センスマンズ・バーバーペンギン
いいへんじ・チャミチャムとの対バン
カフェムリウイ
みさくぼ・蜷川幸雄・かるがも団地

次回も駅から近い会場が良い
かるがもフレンズ・猿博打
今回のチームでもう一本作品が観たい

▪️運営やSNSについてお気づきの点があれば教えてください

カルテットオンライン以外の予約サービスの使用を勧めるとの旨
チラシやSNS全般が良かった
受付・案内が親切丁寧で良かった

▪️その他感想

こちらは多様すぎて全てがラブなので割愛させていただきます…!基本的に全てが莫大な愛と応援のメッセージでした。とてつもないです。
ありがとうございます。

アンケートの回収率がえげつないほど良くて、知り合い・初めましての方に関わらず各回半数くらいの方がアンケートを書いてくださいました。なかなかない経験です。関係値のある人ほどスッと帰られる方が多かったり(後でSNSで感想やLINEくれたりしました)して、純粋興味で観にきて感想を残していってくださったかたがとても多く感激です!!!ありがとう!!!

こういうところが良かったんだ〜とか自分で思いもしないところで誰かが反応してくれていて、そういうことが可視化されて本当に良かったです。
また、誰と一緒にやっているところが見たいかというのが本当に参考になりました。
私だって玉田企画やロロ、いいへんじや猿博打、世田谷センスマンズに出たいすぎます…!大好きなんです。関係者に届いていたら是非よろしくお願いいたします。
まだ出会えていない方々のお名前も多数寄せていただいたので、今後チェックさせていただきます。

かるがも団地やかまどキッチンというもう身内と思える人たちとのクリエーションも今後心待ちにしつつ、傾向としては同年代とのクリエーションを期待していることが見受けられて非常に参考になりました。ダンスというのも思ったより多くて、えー意外!!という感じです!
自分が好きな劇団や作家さんと相性良さそうと思ってもらえることは本当に嬉しいです。それに宝宝に対して私!とかいつか関わりたいということも言っていただけたことはこれって超やばいことかも!嬉しいです。

上演の様子②

今回の企画を通じての良かったことと反省点

良かったこと

無限にあるのですが、これは主に演劇公演を企画をするにあたってのことをまとめます。そりゃ良かったことなんてほんと無限だぜ。キリがないものね!

・クリエーションメンバーがとにかく素晴らしかった
→後述します

・アーツカウンシル東京様に採択していただき本当に良かった
スタートアップ助成で個人採択していただきました。

・チラシを古戸森陽乃さんに頼んで・こだわって制作して本当に良かった

チラシ表
チラシ裏

チラシ写真は藤田さん、チラシ空間デザインは長井が担当しました。

レフ板を持つことちゃんと気を抜く長井
デロンギの下敷きになる恭ちゃん

・チラシで使用した以外の写真も運用して良かった
→noteのヘッダーやXでのポストなど。

・SNSを積極的に運営して良かった

・えんぶ・スポットライトで先行情報公開をして良かった

こちらのページです。俳優の自己PRの大会のようなものです。最多「いいね」賞をいただきました。えんぶに本当は掲載されたかったです。

エトエの公演(長井出演)に折り込みをしていただき本当に良かった

・各媒体に本作の情報を掲載していただき本当に良かった

ステージナタリー様NiEW様ローチケ演劇宣言!様「今月の優先順位高めです」【2024年5月号】

LChannel様Yahoo !News様などなど…

・開幕リリースをナタリー様に掲載していただき良かった

・チラシを撒き切ることができて本当に良かった

→劇団スポーツ『略式:ハワイ』への置きチラシ、エトエ折り込み、譜面絵画『良いキャンペーン』折り込み、お布団『破壊された女』折り込み 
など

・ワークショップ企画をやって良かった
→こちらの実施レポートはまた後日まとめます

・ペアチケットの設定をして本当に良かった

・鼎談企画【宝宝の座談会『わたしたち(えんげき)の現在地』】をやって本当に良かった
→俳優たち編では
はぎわら水雨子さん、石原朋香さん、竹内蓮さん
長い目で見て編では
笠木泉さん、坂本ももさん、綾門優季さん
にご登壇いただき、今演劇どないー?という話をしました!とっっても面白いと思います!!
これから何かを始めたい人や、もう何かしている人……是非読んでみてほしーです。

・紙のアンケートを用意して本当に良かった

・ゲネ撮影を中嶋千歩さんに頼んで本当に良かった

・トリガーアラート・観劇安心シートを用意して本当に良かった

・記録映像撮影を児玉健吾さんにご協力いただき本当に良かった

・ハラスメントガイドラインなど倫理的な部分をメンバーが共通認識を持っていて良かった

・楽しかった

・想像よりもずっと多くの人が来てくださったこと

・前説を私がやって良かった

反省するところ

・カルテットオンラインはもう利用しない。メールがお客様に適切に届かない。

・最大客席数を早めに把握すること・増席の検討が遅れたこと・当日券の正確な枚数が把握しきれなかったこと

・キャンセル待ち対応を検討するべきだった

・段が組めない会場だったので、席作りにもっと工夫が必要だった

・劇場にいる間無茶なスケジュールを組んでしまったこと

・舞台監督が実質不在であったこと(図面などの提出ができなかった)

・どうしても観て欲しい人には早い段階でご案内を送ること

・作品の内容が必要な層の方にリーチする方法を探るべきだった(頑張りましたがよりもっと多く)

・稽古場をほとんどメンバー依存で借りてしまったので、予約するシステムを獲得することや、何らかのコミュニティに参加して稽古場を円滑に借りれるようになりたい

・クリエーションメンバーでキックオフをやっておきたかった

・稽古場にもっと人が来てほしかった(ふたりでも楽しかった)

・WS(劇場版)に異常なほどキャンセルが多かったこと(連絡がつかなくなることもあった)

・物販をもっと充実させても良かった

・決済方法についてカードやPayPayを導入したい

・稽古場版WSの開催回数を増やすべきだった

・HPの更新が追いつかず、Xでほとんどの情報を発信していた

・SNS担当が長井ひとりで、公演期間中滞る可能性があった

・仕事や事務的作業を積極的に人にお頼みすることに慣れること(長井)

上演の様子③

今後の展望について

ありがたいことに『おい!サイコーに愛なんだが涙』の再演を希望してくださる意見(アンケート)がとても多く、私も前向きに考えたいと思っています。もっとこの作品が多くの人に見られて欲しいと、確かに思いました。今後、レパートリーとして何らかのイベントや演劇祭などで上演される機会があればそれが一番良いなぁと思っています。

劇場をまた上演するために借りて、設えて、リクリエーションして…ということもあり得るのですが、新作を、ともどうしても思うし、でもこの作品が愛されるのならそれもサイコーなことだなとも!もっと大きな会場でやってほしい、というのもまた嬉しいご意見でした。シアターイーストでやらせてください(ドリームすぎ)。

宝宝としては、もともとアーツカウンシル東京様に提出した今後の展望という欄に記入していた通り、今後も作品創作を続けていきたいと思っております。

赤ちゃんが時間をかけて少しづつできることが増えていくように、このユニットでも少しづつ内容や設備、会場、スタッフワークなどをレベルアップしていきたいと考えています。また、ひとり芝居をやるというユニットでは決してないので、出演者(俳優)に適切にオファーをしたりオーディションをしたりして仲間が増えたら良いなぁと思っています。今回は最小人数にこだわっていたので、次回は例えばふたり芝居をしてみたいです。

「#宝宝2かいめ」というのがもしあったとしたら、どういう企画があると良いでしょうか…?みんなどんな長井が観たい?

ジェンダーアイデンティティやセクシュアリティのことについての物語にはまだまだ興味がありますし、それ以外にも差別や加害について、ケアについてなど、気になるモチーフがたくさんあります。今後、より社会と繋がっているものを創作したいなと思います。鼎談企画で俳優陣とお話したときに出てきた「呪いを解く」ということを、どんなに小さくても私はしていきたい。反面「呪う」ということにもとても興味があります。怖いな。

ただ演劇ができさえすれば良いとは、やはり全く思いません。内容がないことの素晴らしさもまた、私は知っているつもりではありますが、それはそれとして自分が興味のあることとは何なのかについて考えていきたいです。またそれをやった上で、どうやって人に振り向いてもらうかということについても引き続き工夫したいなぁと思います。

つい固いことを書いてしまいましたが、私は可愛くてポップでとっつきやすいものが好きです。わくわく、どきどきすることを見つけていきたい!!どんな服を着よう、とかどういう写真を撮ってもらおう、とかどういうチラシが好きかとか、そういうこともずっと考えています。あとグッズとか作りたいです。画餅さんみたいなやつとか超憧れ。
アイロンビーズの宝宝のステッカーとか、教授のシールとか欲しいと言ってくださった方がいてそれはとても素敵だなー!と思って楽しみです。劇団スポーツの早期予約特典とか凄く嬉しかった。

アイロンビーズで作った宝宝の文字

今後も体験価値的なところを重視してWS企画を並行して行なっていきたいとも考えています。作品で扱うモチーフや打ち出すものも、自分が向き合いたいことをやっていきます。その上で、お客さんやチーム、私自身がやる喜びを分かち合えたら良いなあ、、、と夢想している途中です。

頑張るぞー!おー!アイデアがある人や、仲間になってくれる人がいたら教えてください。

宝宝の展望はこんな感じですが、私としてはやはり継続して人の作品に参加するということ/芸能事務所や劇団への所属も切望しています。

次回の客演の予定が来年の8月頃になるので、それまでクリエーションの機会がありません。今回私のことが気になってくれた人は、是非お声かけいただけたらと思います。
自分から獲りにいくぞ!!とも思っているので、なんとかオーディションとかも頑張ります。地道!!!!!

喋る企画とかも、私はとても好きです。すでにお声かけいただいた方はすぐにでもやりましょう!と思っておりますので是非よろしくお願いいたします。

ワークショップも新たなプログラムを考えたりしながら続けていけたらハッピーです。今まで出会えなかった皆様とお友達になれたらギザウレシスです。健康に続けていけますように。

上演の様子④

私の所感・内容について振り返り

宝宝『おい!サイコーに愛なんだが涙』をやってよかったなぁと、心から思っています。

ひとり芝居をやってみようと思って、どうしてそう思ったのかということはいろいろなところで書いているので割愛しますが、心からやってよかったなぁと思います。

企画を開始するにあたって、不安すぎて色んな人に相談し、弱音を吐きました。
友人から「良い意味で、誰も長井くんのことなんか興味ないよ〜。やっちゃいなよ〜」と言われたことを覚えています。そいつは結局観に来れなかったのですが……その言葉が嬉しくも、不安に受け取れました。若干傷つきすらしたのですが、それより何より確かに〜!と思いました。
占いの動画を観るのが好きで、占い師の人が「今事業を始めたり、何か企画している人がこの動画を見ていたら、それは絶対にやってよかったと思うことになると思います!」と言っていて、あ、とおもいました(スピリチュアルすぎるやろ)。

信じづらいものや、複雑な気持ちのことばかりがつい思い浮かぶのですが、今クリアに思っているのは何よりも心を差し出してくれたクリエーションメンバーの皆様へのありがとうという気持ちと、観に来てくださった皆様にありがとうという気持ちです。本当にやってよかった。ありがとうございました!!
目の前にいる人たちへの感謝と、関わってくれる人への有り難さ、私や私たちに興味を持ってもらえることへのラブが、私の持っている自分や物事への信じれなさをブチ抜いてくれました。

スタッフの皆さんやお客様から長井が「愛されてる」ということをたくさん言っていただきました。

これまで私は、愛(情?)というものを勝手に抱き、振り回され、傷つき、ボロボロに、それこそボロボロになってきました(それは恋愛だけではなく)。そして同時に自分は本当に特に演劇をやっているこの世界の中で孤独なのだと思って啜り泣いてきました。
だから自分は所謂、愛されたいけれど過剰に愛している側の、惨めで情けない存在なのだと、それで良いから生きていくのだと思っていました。

自分が、たとえばこれを読んでくれているあなたから愛されているということを、キチンと顧みてこなかったのです。

だから、私がお客さんから応援していただいているということ、クリエーションメンバーから大切に大切に扱っていただいたこと、それらがもう驚きであるし、どうして?何故?と思っておりました。そして即ありがとう、と心から御礼申し上げます。

人生もう最終回なのかと思うくらい良いことばかりで、毎日2-3センチづつ浮かんでいってるのではないかと思っていました。
ずっとずっと、皆様ありがとうございます。どうかこれからも、私の大切な人たちで居続けてください。よろしくお願いいたします………そんな気持ちで劇場におりました。

ステージを終える毎に頂いた、万来の拍手に包まれながら、私はそれでもまだもっとを求めていて、本当に欲しがりなのだと思います。

さて、クリエーションメンバーについて。
同性愛の話を書いてほしい、と藤田さんにお願いしたのは去年の9月でした。私はよく藤田さんが自治会長をしているかるがも団地という劇団と仲良くさせていただいていて、いつもすごく楽しく参加させていただいています。私のことを面白がってくれる人と、作りたいと思っていました。藤田さんは私がトンチキな芝居をしても、いつも笑ってくれるのです。

そして、藤田さんが今後もしこの題材に興味を持ってくれたら、その時は絶対に私をキャスティングするようじゃないと嫌だな、と思ったのでした。間違っても実際にそうでない人にこのことを、最初に宛てて書いてほしくなかったとも思います。丁寧なヒアリングをしてくださったり、その上で藤田さんが書きたいことを書いてくださっていて(と信じて)、私はとてつもなく幸福です。
音響操作SE作成スライド操作作成、一部照明など上演中も手を動かしまくってくだって、もうなんというか本当に千手観音でした。

佃さんに企画をやりたいかもしれないと相談したのはもっと前、たぶん去年の7月の終わりでしょうか。いいですヨーと言ってくださって、時間はだいぶ経ちましたが最初に藤田さんと佃さんと私で会議をしたのがたぶん12月。お喋りができる人たちでよかった、と私は心から安心しました。佃さんはいつも聞き上手だし、話した上でクリティカルなことを言ってくれるし、それは佃さんの気持ちや業界や世界に対する視座が全部本物だと信じられるから、私は佃さんのことが好きなのです。聞いた上で、ツッコミ入れてくださるところも私はすごく嬉しいし、佃さんが仰っていることは実直なのです。鼎談企画の進行とアウトラインの作成などもご担当いただきました。はぎわら水雨子さん、石原朋香さん、竹内蓮さん、綾門優季さん、坂本ももさん、笠木泉さんとお話しできたのは佃さんのおかげです。素敵なみなさまに囲まれて(しかもみなさま観ていただけて!)、ウルトラハッピーでした。
ワークショップ企画とかに対しても私よりもずっとお詳しい(ドラマチック界隈を担当されてる)ので、私がファシリテーションしているのを見ていてくださって安心でした。

瀧口さくらさんに制作協力(助成金周りの窓口を主に)をお頼みして、本当に良かった。彼女がこのチームにいてくれなかったらどうなっていただろうと、想像するのも恐ろしい。この公演が、今私たちのできる誠実さを尽くすことができたのは瀧口さくらさんがいたからです。作品の題材に興味を持ってくださったこと、また実務や関連企画にも興味を持ってくださり、300%以上お頼みしたことをやり遂げてくださいました。彼女が活躍する場がここから大きく・広く拡がってほしい、と心から思っています。助成金周りの連絡窓口他、トリガーアラート作成、観劇安心シート作成、稽古場見に来てくださること、鼎談企画文字起こしそして参加、脚本演出相談、当日運営諸々………え、もっとあるたぶん。ワークショップも手伝ってもらったし。

そして、当日運営をしてくださったす〜す〜さん。直前まで自団体(すわろす)の公演があったにも関わらず、劇場に来て即全てを回し始めてくださり、受付卓が狭いのにも関わらず細やかなお仕事で華麗に上演開始を押すことなく捌ききってくださいました…!!!
別の現場で一緒になった時、す〜す〜さんが受付業務や劇場運営についてとても真面目で、丁寧な方だと思ってお声掛けさせていただきました。快く引き受けてくださって、そして劇場でのワークショップでも大変助けになってくださって嬉しかった…!本当に素敵な方なのです。

チラシの作成はマジで大事と痛感しています。古戸森陽乃さんにお頼みして本当に本当に良かった。私のわがままを一手に引き受けてくれて、サイコーのチラシを作ってくれました。このチラシビジュアルがとにかく私は気に入っています。これで観劇しようと思った、とのお声も多数頂きました。本当もう、何?この質感のデザインを任せたかったら是非ことちゃんにご依頼くださいね皆様。あーた本当サイコーだわよェ。なんならタイトルやあらすじを決める時も一緒に話してくれたし。最初の打ち合わせの時も、お互いが好きな雰囲気のディレクションを目指そうということになり、空間作り(長井担当)から撮影当日まで細やかなところをとてもよく相談に乗ってくださいました。私はことちゃんのフライヤーデザインがとても好きです。チラシの配色が美術や衣装のヒントにもなってくれました!

中嶋千歩さんの記録写真を皆様みてくださった???素敵なんです。千歩さんは普段は俳優をしていて、一度共演させていただいたのですが本当に素敵な方で、写真を撮るのもお好きということでお願いしました。ゲネや稽古を観ながら、笑ってくれながらこんな素敵な写真をこんなにたくさん……!!!???素敵です。ステージナタリー様に掲載いただいた開幕記事は千歩さんの写真です!あれのおかげでグッとさらに話題になりました…!千歩さんに写真をお頼みする方が増えたら嬉しいです。記録写真というのが本当に大切なものなのだなぁ、と思います。劇場でどういうことが起きているのか、魅力的に表してくれているし重要なところは隠してくれるし、、、!俳優として見て欲しいところを捉えてくださっているなぁと思って、本当に素敵でした。

そしてまだ皆様にお見せする機会が訪れるかは分かりませんが…!
記録映像を児玉健吾さんにご依頼しました。めっちゃいい映りなので是非早く見てもらいたい…!!!児玉さんはかまどキッチンという劇団を主宰されていて私もお世話になっております。上演に対してすごく勇気をもらいました。これは強度ある作品なので是非再演したりしたほうがいいです!とコメントをいただきました。すごい有難い。ありがたすぎる。最強の追い風。
児玉さんの作品を観る目というのを私かなり信頼しているので、もうなんというかギザウレシス。早く映像を私も観たいし、もしも可能であればどこかでみなさまに観ていただく機会が作れたらいいなぁと思います。

あーん。もうみんな本当に好きです。こういうことを書くのって恥ずかしいことでしょうか?
でももうなんていうか、本当にみなさまにお頼みして私は大満足でしたので、また一緒にやってね……という気持ちでいっぱいです。それはこうして声に出していかないといけない気がするのです。
そして、みなさまが更なる活躍をしてくださることが、もしきっかけが今回だったらそれはもうウルトラハッピーなことです。演劇公演を企画しているみなさま、私のチームのメンバーはお勧めです!!!

全員ではないけどメンバーの皆様


さて最後に内容についてです。

タイトルの末の涙というのは普通に考えると、多分チャット文化ができてからのスラング的なものでオマケみたいな、愛嬌みたいなものだと思うのですが……人が話し言葉で、文意を発話して人に伝えるのだとしたら通常「涙」は発音しないもの・語られないものだと思います。

でも涙。言葉にする/しない/できない/できるを漂う祐介くんが最後涙、するのは本当にタイトル通りで良いなーと思っていました。

居るのに、そんな人はいないと社会の側に淘汰されているクィアな存在が、居るのだ!!ということを言いたくてタイトルの最後に涙とつけました。愛おしいタイトルです。

パンフレットにも書きましたが、時に愛という言葉が都合よく扱われたり、まるで価値のないものだとされることがあると思います。でもやはりどうしても、私は愛を無視できないと思います。

彼らが愛し合うこと自体を社会が否定している。無視している。愛し合うのはご勝手にどうぞ、というものではありません。無視してはいけない。

どうか彼らが幸せになりますように。好きなものを好きな人のことを好きと言って何も悪くない世界になりますように。

もはやこの作品は私の話では全くなくて、もうほとんど別人の話になったのだけれど、私の中にずっと祐介くんがいてほしいです。なんなら、私はどちらかというと穣くんのようなパーソナリティの人間なので、祐介くんは私のパートナーととてもよく似ているのです。

祐介くんと穣くんが、結婚できる世界にまずなって欲しいと切実に思います。
現実の世界で、同性婚を望むカップルが生まれた場所でも国でもない遠いところにいって難民として生きていく選択をしたことが私にはずっとずっとショックです。ふたりを否定する意味では全くありません。

穣くんには帰るところがありません。祐介だけが彼の居場所なのに、祐介はおかえりと、言えなかったのです。謝れて良かったなぁと思います。

思いがけず初恋の話となったので、彼らに結婚という選択を強く迫ることはできなかったのですが、、、彼らがずっと一緒にいれたらいいなと思います。それがただの口約束ではなくて、今ある、ただ私たちが使えない方法で解決できたらいいなと思います。それは結婚という方法ではもしかしたらないかもしれないとお考えの方もいるでしょうが、でもその選択肢ができることは必須のことだと私は考えています。

私なりのリアリティや、抱えてきた葛藤をぶつけながら、藤田さんと共に創作できて本当に幸せでした。当事者の方々から勇気になる作品と言っていただけたこともまた、幸せでした。

自分自身を表した先で、自分の周りの人のことを思い出したり、その人がいると想像することで自分自身を伝えたりできるってとても不思議です。

祐介くんと同じく、私も今後の活動が怖いなぁと思います。全然これからも差別されたり、失礼な物言いをされたりするのだと思います。あらゆる局面で傷つくのだと思います。私は決して美しい方でもなければ、特別なスゴイことができる人間ではないと思っています。

でもファイティングポーズをとって、闘ってまいります。見えない敵と闘うのではありません。この闘いを観てくれている人のために、やぶれかぶれでもなんでも闘うのです。負けそうになったら助けてください。私も助けられるようにしておきますので!

そんなところで、今日はおしまいです。ありがとうございました。
絶対にまた健康でお会いしましょう。

長井健一/宝宝

様々な教授

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