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#冬

雪よ林檎の香のごとくふれ

雪よ林檎の香のごとくふれ

北原白秋の最も有名な歌

君かへす
朝の敷石さくさくと
雪よ林檎の香のごとくふれ

君が帰る朝、敷石がさくさくと音をたてる。
雪よ、林檎の香りのように、匂やかにさわやかに甘酸っぱい香りを辺り一面に振り撒いて降ってくれ。
そして、優しく彼女の足跡を消しておくれ。

これは、
隣人の妻と恋愛関係に落ち、
姦通罪で投獄された白秋が、
その女性を思って詠んだ歌。

このふたつあとに

ああ冬の夜
ひとり汝

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