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特別展「きもの」を観てきました

こんにちは、micophy(みこ)です。

6月30日、東京国立博物館で開催中の『KIMONO』展に行ってきました!

↑このリンクの貼り方今初めて知った…!!(小声)

平日でしたが、偶然その日本業でお休みをもらっていたので、ひとり上野へ向かいました。ひっさしぶりの東京でした…
こちらでも何度かイラストを載せていますが、着物の知識もろくになく着付もできないけれど、着物の上品さや柄の美しさが大好きなんです。

着るのも少し手間ですし今や廃れつつありますが、日本人の体型に一番合う衣装だと思うんですよね…

↑昨年から頒布しているイラスト集『喫茶龍宮』より。こちらは大正浪漫をイメージした着物女子ばかりが出てくる一冊です。

こちらの展示、コロナの影響で延期になり、本当は4月からの予定でした。去年からとても楽しみにしていたので、こんな大変な時期でもなんとか無事開催してくれて本当によかったです。

まず感想は……着物が好きな方、内容が少しでも気になった方は、行った方がいいです…!

日本人の身でも、悲しいことに洋服が主流の今じゃなかなか着物を目の当たりにする機会ってかなり少ないですよね。
私もそのうちの一人であり、そんな人にとって着物を間近で見られるというのはかなり貴重です。それもかなりの量なので、あの圧倒感をぜひ体感してもらいたい…!
図録も盛れなく買った人間ですが、立体感、輝き、素材感など写真とは全く違うので、直接観賞されることをお勧め致します。本当に何百年も昔の着物なの!?と思うほど、技術の高さと美しさに圧倒されるはずです。

行こうと思った日がまさかの初日だった

コロナの影響で偶然平日に休みがとれた&真夏になる前に行こう…!と30日の朝に決め、即チケットを予約しました。
その時、30日が初日だということを初めて知りました。初日に行けるなんでなんだかちょっと嬉しい。

会場の『日時指定ネット予約』

緊急事態宣言後の博物館・美術館はこれが初でした。
チケットも『日時指定ネット予約』で、時間帯に分けられて、一定人数を越えないように配慮しているようです。
個人的に混みすぎた美術館は作品をゆっくり見られず苦手なので、この制度はありがたいし、今後きっと当たり前のように浸透していく…んじゃないかな。(ただ人件費とか労力のかかるところはもっとシステム化されていくといいな)

体温検査や予約時間の確認など、検問のようなエリアを通って中に入ります。
私が予約した13時の回は予約時点でまだある程度の空きがありましたが、そこそこの混雑でした。
中はちょっと周りに気を使えばじっくり観賞できる感じ。性別・年齢層は実に様々でした。

会場内はまさに豪華絢爛~素人の感想~

専門的知識がないのであえてど素人感想にしようと思います…


展示されている着物は、時代で言うと主に安土桃山(!)~大正時代のもの。
エリアを進んでいくにつれ、時代がどんどん現代に近づく…という仕様です。
同じ着物でも流行や時代背景、技術の進歩などによって全然違うものになるのが興味深かったです

中央にお土産屋さんを挟んでエリアが2つに分かれています
こういう特別展のお土産屋さんって展示を見終えてから最後に構えていることが多いので、今後行く予定の方は惑わされずに2つめのエリアも回ってくださいね…!(危うく見逃すところでした笑)

特に私が好きなのは江戸の寛文期に作られたという着物の数々
(こういうの、イラストレーターたるもの、挿絵とか交えて語るべきなんですが……絵の速度<レポ―トの鮮度を大切にしようと考え、過去の着物絵の羅列ばかりになってしまいましたことお詫び申し上げます(誰に…))

昔のものとは思えない鮮やかな色、生き生きとした柄、そして今もなお光り輝く刺繍の美しさたるや
全面にびっしり、密度の高い刺繍が縫い込まれた着物の数々は圧巻です。
これを当時の人は手縫いでやっていたんだよな…!?と思うと気が遠くなるのと共に、当時の人々の器用さや集中力、そしてそんな情熱を注ぎこんだ着物に袖を通した人物というのは、一体どれだけの身分の人だったのだろう…といったことを、刺繍を通して空想しては感服していました。
中にはキャプションに「武家の娘の婚礼衣装」などといった史実が書かれているものもあり、さぞ盛大な結婚式だったんだろうな…!と想像を巡らすのもこういった展示の楽しみの一つです。

個人的に意外だったのが、「古典柄」という言葉のイメージがだいぶ違っていたこと。

私は 古典柄=昔の着物の柄=色の濃淡などを使って、写実的な花の模様が描かれた着物

と勝手に思い込んでいましたが、古典柄はどちらかといえば「図案的」です。

というのも安土桃山~江戸ぐらいまでは、江戸後期~大正に比べれば当然染めの技術が少なかったので、ひとつの染め方を工夫してバリエーションを増やしたり、一面に刺繍を施すといった緻密な作業で着物の柄を表現していました。
驚いたのが、日本の柄としてそこまでメジャーではないと思っていた『鹿の子柄』がそれはもう巧みに使われていたこと。(ちなみに私が思うメジャーな柄…七宝、麻の葉、格子etc)
全面に使われることもあれば、花の中に模様として使われていたり。グラデーションといった色の濃淡が難しかったからこそ、点描に近い手法として使われていたのかな、と勝手に推察していました。
そもそも鹿の子柄は染めの手法で出来る柄だったんですね…(着物の絵を描いておいて本当に恥ずかしながらこの展示で初めて知りました)

↑私がいつも使っているイラレでの素材データ。鹿の子柄作って保存しました笑 この記事のヘッダーにも使用しています。

ゆえに、写実的ではなく図案的なお花が多かったのは必然だったようです。日本でのデザインの概念はなんとなく北斎や尾形光琳あたりから芽生えたイメージがあるんですけど、そのベースとなるものは安土桃山の時点で十分あったんだなぁと感動しました。しかもそれが令和を生きる私が見てもとても可愛い…!

それが大正など近代になると、時代の流れで刺繍ブーム(?)が少し落ち着いた反面、染めの技術が発達し、花の中にグラデーションなど、より本物の花の持つ繊細な色の変化などの写実的な表現ができるようになったようでした。
西洋の建築や美術様式を思わせる柄なんかもいーっぱい作られたようで、外交が盛んになった時代背景なども感じられて興味深いです。この時代の着物はまるで絵画のキャンバスのように自由でした。(シャンデリア柄?なんかもあってかなりびっくり。)
柄の入った着物が時代の移り変わりで庶民にも着られる中で、これらの着物は紛れもなく彼らの個性を表現するツールだったに違いありません。
「見てみて~!!今日は西洋の宮殿をイメージしたコーデなの💕」と当時の女性たちがワイワイしている姿を想像すると和みます。笑

観てきたことを作品に生かす

上記のような発見こそがこういった生で見る展示の醍醐味だと思います。

今回きもの展で気付けたこと、そして実際に目の当たりにしてきた豪華な柄や色の数々は、今後の絵を描く上で活かしていきたいなぁと感じました。

↑コンペにて残念ながらボツになってしまった、振袖の女性のイラスト。

今年も半分終わったけどお仕事引き続き募集しております

もう令和2年も半年が終了したという非常に恐ろしい現実がありますが、今後も引き続きコミッションなどにてお仕事していきたいと思います。

主にSKIMA・ランサーズにてお仕事を募集しております。登録外だという方は、twitterを総合窓口にしておりますので、お気軽にご相談頂ければと思います。

SKIMAの方ではおかげ様で先日ランクがゴールドになりました…!どういう法則でランクアップするのかよくわかっていないのですが、ありがとうございます…!ランサーズはあと2日で登録から100日だそうです…!

今後はまた実績紹介をいくつか掲載する予定です。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

micophy

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