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DXでSDGsを実現する:目標4 質の高い教育をみんなに(DXで目標達成に向かう)

「DXでSDGsを実現する」の投稿も、今回で4回目となります。

今回はSDGs目標4「質の高い教育をみんなに」を取り上げたいと思います。

1.目標4に関わる日本の課題

SDGs世界ランキング2021では、日本は世界18位にランキングされています。

2019年の15位からジワリジワリとランキングが下がっているのが残念です。

その中で、達成しているものは、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標16「平和と公正をすべての人に」の3つのようです。

今回の目標4については、世界標準と比較すると日本は達成と言えるのかもしれませんが、まだまだ、多くの課題を持っているようです。

例えば、

❶小・中・高合わせて少なくとも23万人の生徒が不登校

❷7人に1人の子どもが相対的貧困状態にあり、教育格差につながっている

❸学習障がいの生徒へのケアが十分にできていない

❹研究者に占める女性の割合は12%と低い

❺54%の社会人が「時間的」「金銭的」制約によって学ぶ意欲はあるものの学べていない

まずは、それぞれについて、目標4のどのターゲットに当てはまるかを見て行きたいと思います。

1-1)小・中・高合わせて少なくとも23万人の生徒が不登校

この課題に関しては、以下もターゲットの一部が該当します。

不登校の生徒も平等に扱い、だれも取り起こさないような学習のための環境作りと持続可能な社会をつくっていくための教育が必要だと思います。

4.1 公平で質の高い教育を無料で受け、小学校と中学校を卒業できるようにする。

4,7 教育を受けるすべての人が、持続可能な社会をつくっていくために必要な知識や技術を身につけられるようにする。

4.a すべての人に、安全で、暴力のない、だれも取り残されないような学習のための環境。

1-2)7人に1人の子どもが相対的貧困状態にあり、教育格差につながっている

日本においても、誰もが無料もしくは無理ない費用、または奨学金で必要な教育を受講できることが必要です。

以下のターゲットの一部が該当します。

4.1 公平で質の高い教育を無料で受け、小学校と中学校を卒業できるようにする。

4.3 無理なく払える費用で、技術や職業に関する教育や、大学をふくめた高等教育を受けられる。

4.5 特にきびしいくらしを強いられている子どもでも、あらゆる段階の教育や、職業訓練を受けることができる。

4.b 先進国で、高等教育を受けるための奨学金の数を世界的にたくさん増やす。

1-3)学習障がいの生徒へのケアが十分にできていない

障がいの生徒については、以下のターゲットの一部が該当します。

4.5 障がいのある子どもでも、あらゆる段階の教育や、職業訓練を受けることができる。

4.a 障がいをよく考えて、学校の施設を作ったり、なおしたりし、すべての人に、安全で、暴力のない、だれも取り残されないような学習のための環境をとどける。

1-4)研究者に占める女性の割合は12%と低い

4.1、4.3、4.5、4.6、4.7、4.aに男女平等に関するターゲットを含んでおり、日本での女性に対する対応に問題がないか紐解くことができます。

1-5)54%の社会人が「時間的」「金銭的」制約によって学ぶ意欲はあるものの学べていない

4.3 無理なく払える費用で、技術や職業に関する教育。

4.4 はたらきがいのある人間らしい仕事についたり、新しく会社をおこしたりできるように、仕事に関係する技術や能力をそなえた若者やおとなをたくさん増やす。

4.7 持続可能な社会をつくっていくために必要な知識や技術を身につけられる。

4.b 職業訓練、情報通信技術、科学技術のプログラムなどの高等教育を受けるための奨学金。

日本では特に、4.4の「はたらきがいのある仕事」という部分が非常に弱い気がします。

日本では義務教育によって教育水準は世界的に高いと言われていますが、現在の日本の課題を見ていると、まだまだ、解決しなければならないことが非常に多いことに驚きました。

2.DXで質の高い教育を実現するアイデア

先程あげた日本の課題をDXの活用で解決していくことはできないでしょうか。

今後は、具体的にそういう課題解決についても言及して行きたいと考えています。

”教育”は、人々が生活の質を改善し社会発展の基盤となるものです。

先程挙げたように、日本でも、不登校や病気などで学校に通えない生徒は多く、相対的貧困に陥るリスクを秘めているようです。

どのような状況に置かれた子どもでも、等しく質の高い教育を受ける環境を整えることは重要であり、DXを活用してどのように貢献できるのかアイデアを挙げてみます。

2-1)リモート授業による場所を選ばない学習環境

リモート授業により場所を選ばない学習環境が整備されると以下のようなことが可能になってきます。

・不登校や病気などの理由で学校に通えない生徒にも教育の機会を与えることができる。

・都心と地方の教育格差をなくすことができる。

・学生だけではなく社会人となっても学び続ける環境を構築することができる。

2-2)アダプティブラーニング

アダプティブラーニングとは、学習者の理解度に合わせて、一人一人に合わせた学習内容、学習方法を提供していく教育方法のことです。

アダプティブラーニングにより、以下の可能性が開けてきます。

・学習障がいがある子供も、苦手な学習を諦めることなく自分のペースで進められるようになります。

・学生一人ひとりの学習データの蓄積が可能になり、学生それぞれのデータを蓄積することで膨大なデータが集まり、それらを分析、活用することで個別最適化された指導が可能となります。

2-3)VR(Virtual Reality: 仮想現実)による実習・実験

VRを利用すれば、遠隔で実習や実験に参加することができるだけでなく、全方位映像で確認したり、その場で分からないことを調べたりすることができます。

さらには、チャットで質問するといったことができるようになり、効率的な学びを推進できます。

そうすると例えば、

・医学生や看護学生の実習をリモートで実施することができます。

・小学生がリモートで野鳥や昆虫等のリアルな生態を学ぶことができます。

2-4)校務効率化

教員の校務を効率化するシステムやツールを利用することで、教員の負荷を低減し、より良い学習環境の整備や、生徒のメンタルサポートなどにリソースを割くことができるようになります。

例えば、

生徒情報管理システムの導入、採点や評価業務の自動化、出欠表等の紙媒体で作成・提出している事務作業の電子化があります。

また、CBT(Computer Based Testing: コンピュータを使った試験にすることで、採点・結果通知の時間・コストを大幅削減すること)化による事務作業負荷の大幅軽減が可能になります。

今回、4つの事例を挙げましたが、これらを活用することで、先程挙げた日本の教育の課題を解決できると思います。

ただ、「研究者に占める女性の割合」、「貧困や金銭的な制約」については、DXで間接的には対応できるが、政府等による根本的な施策が必要だと思いました。

3.まとめ

❶最近はリモートでの学びについては、かなり浸透しており、リアルよりもメリットがある点も多くなっています。

❷さらにVRを活用することで、これまでなかなか難しかった、現場さながらの教育をリモートでも実施することが可能になるのは、素晴らしいと思います。

❸今後、AIを教育に活用することで、個人に合った教育を進めることができる。

❹個人に合った教育は、目標4の「質の高い教育をみんなに」の「みんなに」の部分をかなりサポートするのではないでしょうか。

❺DXによる校務の効率化は、先生と生徒の間のコミュニケーションの時間を増やすことができ、真の教育改革に繋がって行くような気がします。

日本には、まだまだ教育の課題があるものの、DXにより、着実にそれらの解決がされていくだろうと非常に未来が明るいと感じました。

【参考、引用website】

◆Yahoo! Japan SDGs website: SDGs世界ランキング2021 日本の順位は?2020年にはスウェーデンが1位

◆Unicef website: “SDGs Club” 目標4 質の高い教育をみんなに

◆@DX website: IT企業が取り組むSDGs活動とDX推進〜第1回〜

◆@DX website: IT企業が取り組むSDGs活動とDX推進〜第2回〜

◆Schoo for business website: 教育現場でのDXとは何か?活用事例や推進する際の注意点について解説する


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