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DXでSDGsを実現する:目標17 パートナーシップで目標を達成しよう【世界の大手製薬10社が脱炭素で連携】

1.やはり、今年は「スコープ3」に注目すべし

SDGs達成の達成期限2030年まで、残り10年を切っています。

そんな中で、私は以下(↓参照)の『脱炭素、2022年の最重要キーワードは「スコープ3」!』【前編】【後編】の2回の投稿で、今年絶対に覚えなくていけない用語として「スコープ3」を紹介してきました。

1-1)「スコープ3」とは

「スコープ3」っては何だ?と思われる方のために、簡単に説明します。

事業者のサプライチェーンにおける事業活動に伴って排出する温室効果ガス排出量のうち、

スコープ1(事業者自らによる燃料使用等による直接排出)

スコープ2(他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出)

を除く、その他の間接排出量のことを「スコープ3」と呼びます

具体的には、下図の❶から⓯に当たる間接排出のことです。

1-2)なぜ、「スコープ3」が今、注目されるのか

SDGs目標達成まで、10年を切り、これまでに大企業は、当然ながら、自社の脱炭素の対策を概ね打って来ています。

しかしながら、それら大企業のサプライチェーンの上流および下流は、まだ、対策が及んでいないのが実情です。

これからは、大企業には、機関投資家から自社の脱炭素だけでなく、サプライチェーン全体の脱炭素の要求が増加していくことが既に見えています。

そこで、各社は、「スコープ3」の把握と脱炭素化に向けて、動き始めています。


2.世界の大手製薬会社10社が、サプライチェーンの上流の脱炭素でパートナーシップ

そんな中、今日の日経新聞 朝刊に、世界の製薬会社の新しい動きが掲載されていましたので、紹介します。

◆武田薬品など製薬10社、供給網の脱炭素で国際連携 【日本経済新聞2022.6.8朝刊、日経電子版】

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これは、武田薬品工業や米ファイザーなど世界の製薬大手10社が、他の業界に先駆けて、共同で取引先の温暖化ガス排出削減を支援する取り組みを始めたという記事です。

具体的には、脱炭素の試算のために、フランスの電機会社シュナイダーエレクトリックが開発したシステムを活用するようです。

このシステムで、工場などに取り付けたセンサーや取引伝票の内容から、電力消費量や水の使用量、廃棄物量の数値を分析し、温暖化ガスの排出量に換算するとのこと。

製薬会社上流の原薬メーカーや包装資材メーカーなど1,000社以上がこのシステムを導入し、脱炭素に取り組んで行くそうです。


3.この製薬会社の動きは、まさしくSDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

SDGs目標17では、「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバルパートナーシップを活性化する」ことを求めています。

今回の製薬会社のパートナーシップは、自社ではなかなか進まない、「スコープ3」(特に上流)に関わる脱炭素の取り組み(目標13:気候変動に具体的な対策をに該当)をシステム化により、業界で一緒に取り組もうとする動きであり、まさしく目標17そのものの活動だと思います。

多国の企業によるこのような協業は、初めての試みとのことで、他業界への派生も含めて、非常に意義のあるパートナーシップなのではないでしょうか。

特に、同じシステムを共有することで、脱炭素の情報が蓄積されていき、その結果、AIで解析を進めて行けば、新たな脱炭素の取り組みが生まれるのではないかと期待したい内容です。

現段階では、まだ数値分析による温暖化ガス排出量の換算が最初のステップのようですが、このシステムを活用してDXとして、業界全体の変革に繋がればいいなと思いました。


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