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脱炭素、2022年の最重要キーワードは「スコープ3」! これを知らない企業経営者は、今年生き残れない

1月7日の日経新聞朝刊の記事が腑に落ちたので紹介します(一昨日の記事を今頃になってから、すみませんm(__)m)。

↓ 有料会員限定:FT・モラルマネー 脱酸素「スコープ3」が焦点 取引先排出分も把握必要


1.2022年に絶対に覚えなくてはいけない用語

英紙フィナンシャル・タイムズのニューズレター「モラルマネー」1月5日号で、2022年に企業経営者が絶対に覚えなくてはいけない用語は、「スコープ3」だろうと記載しているとのことです。

私も以前から注目していたこの「スコープ3」ですが、最近SDGsがブレークしているように、今年または日本では遅れて来年辺り、新聞紙上を賑わすのではないでしょうか。

ひとことで言うと、これからは、企業は取引先の温暖化ガスの間接排出(これがスコープ3)にまで、開示や削減を求められていくということです。

まずは、「スコープ1」「スコープ2」、そして「スコープ3」とは、何かについて説明します。


2.サプライチェーン排出量とは、そしてScope1、2、3とは

【サプライチェーン排出量】
事業者自ら排出する温室効果ガスだけでなく、サプライチェーンにおける事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指します。

すなわち、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量ことです。

そして、
サプライチェーン排出量 = Scope1排出量 + Scope1排出量 + Scope3排出量
となります。

【Scope1】
サプライチェーン排出量のうち、事業者自らによる温室ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)を指します。

【Scope2】
サプライチェーン排出量のうち、他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出を指します。

【Scope3】
Scope1、2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)を指します。なお、Scope3は下表の通り、15のカテゴリーに分類しています。

スライド2

Scope3の中には、「6出張」や「7雇用者の通勤」等が入っており、本当にあらゆるものを試算しなければならないことが分ります。


3.Scope3算出のメリット

Scope3は試算が非常に大変ですが、特に欧米での取引を行っていこうとしている企業にとって、今後、必須になって来そうです。

環境省、経済産業省のグリーン・バリューチェーンプラットフォームのweb(↓参照)では、Scope3のメリットについて、以下の3つを挙げています。


❶削減対象の特定/削減意識の啓発
サプライチェーン排出量の全体像を把握することで、優先的に削減すべき対象を特定できます。その特徴から長期的な環境負荷削減戦略や事業戦略策定のヒントを導きだすこともできます。

❷他事業者との連携による削減
サプライチェーン上の他事業者と環境活動における連携が強化し、環境負荷低減施策の選択肢が増え、CO2削減が進みます。また、CSR活動の一貫としてサプライチェーン排出量算定を要請する企業もあるため、新規顧客開拓へも繋がります。

❸情報開示
企業の情報開示の一環として、サプライチェーン排出量を統合報告書、WEBサイトなどに掲載することで、環境対応企業としての企業価値を明確にします。サプライチェーン排出量の把握・管理は一つの正式な評価基準として国内外で注目を集めており、グローバルにおいても、投資家等のステークホルダーへの社会的信頼性向上に繋がり、ビジネスチャンスの拡大が期待されています。

今やSDGsへの取り組みは、企業にとってやって当たり前の状況で、他社との差別化が難しくなってきていますが、今後、このScope3を如何に社外に発信していくかが、企業の競争力を高めていきそうな予感です。


4.既にScope3を開示している日本の企業が多数あります

「Scope3」でぐぐってみると、かなりの企業が既にScope3を試算して開示しています。今後、非常に有望な企業ではないでしょうか(株価が上がって行くかも。。。。)。




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