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日本でも徐々に進む(?) ジェンダー平等の動き【2022.6.15日経新聞 朝刊より】

これまでの投稿(↓参照)でも、ジェンダー平等について発信して来ました。

諸外国と比較して、一向に進まない日本のジェンダー平等ですが、今日の日経新聞 朝刊記事には、「男女共同参画」等ジェンダー平等に関連する記事がいくつかありましたのでピックアップしました。

その前に、ジェンダー平等に関連する「男女共同参画法」について、簡単に説明したいと思います。


1.男女共同参画法とは

1999年6月(今から23年前)に施行された法律で、男女共同参画社会を実現するために、次の5本の柱(基本理念)を掲げています。

❶男女の人権の尊重

❷社会における制度又は慣行についての配慮

❸政策等の立案及び決定への共同参画

❹家庭生活における活動と他の活動の両立

❺国際的協調

ここで言っている「男女共同参画社会」は、

「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」

と定義されています。

そして、この「男女共同参画社会」を実現するために、国、地方公共団体、国民の役割を以下の通り、明確にしています。

【国】     男女共同参画基本計画を策定

【地方公共団体】男女共同参画社会づくりのための施策に取り組む

【国民】    男女共同参画社会づくりに協力することが期待されている

しかしながら、この法律は1999年施行されていますが、現実を見ると日本の国際的なジェンダーギャップの位置付けは年々落ちてきているのも事実です。

日本のジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム発表)のランキングは、2006年開始の80位から2021年120位になっています。

この数値だけみると、この男女共同参画法は、残念ながら機能しているとは思えません。

今後、具体的に効果的な新たな動きを期待したいと思います。

今日の日経新聞の総合2面には、この男女共同参画社会基本法に基づき作成している年次報告書である「男女共同参画白書」の2022年版の内容について紹介していました。


2.男女共同白書、個人単位の制度を 「もはや昭和でない」【日本経済新聞2022.6.15朝刊、電子版】

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この記事では、2022年版の男女共同参画白書が閣議決定されたことを伝えています。

白書の中では未婚や事実婚など人生や家族の姿が多様化したことを「もはや昭和ではない」と表現しているようです。

「さまざまな政策や制度が高度成長期のまま」とも強調しているようです。

この記事を読んで、何を今更という感が非常に強くなりました。

男女共同参画法施行から23年間の結果が、「もはや昭和ではない」?

白書では、「女性の経済的自立を可能にする環境整備」「配偶者控除の廃止」「女性の社会進出を促す改革」の重要性を唱えているようですが。。。。これまで、何をやって来たの?と言いたくなりますね。

この白書には、少しがっかりさせられましたが、今日の日経新聞には、ジェンダー平等に通じる新たな動きも紹介されていました。


3.大成建設、パパも全員育休 男性8割職場の「壁」壊し術 しごと進化論【日本経済新聞2022.6.15朝刊、電子版】

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この記事では、大成建設と丸井グループが連続 育児休暇取得率100%の記録を継続していることを紹介しています。

興味深いのは、育児休暇取得に立ちはだかる3つの高い壁をいかに壊したかという内容です。

これは、他の企業にも大変参考になると思いました。

❶上司や職場の無理解
⇒ 社長自ら発言「取得しやすい雰囲気づくりを」
⇒ 人事部 各部署の取得率を一覧開示、役員・管理職にしつこく注意

❷収入の減少
⇒ 人事部 有給扱い(1カ月に延長)

❸復帰後のキャリア不安
 ⇒ 長期取得でも間おかず昇進、事例を周知し後進に安心感

【コメント】
かつて、働き方改革においても、このように社長や人事部の強い推進力があった企業は進んだのではないでしょうか。

働き方改革では、労働時間が激減したにもかかわらず、売上や利益が反対に上がったという事例も数多く見られました。

今回のこの「パパも全員育休」も、男性の考え方の変化、仕事の取り組み方の変化等により多様性が生まれ、新たなシナジー効果が出るのを期待したいと思います。


4.玩具もジェンダー平等 東京おもちゃショー3年ぶり開催【日本経済新聞2022.6.15朝刊、電子版】

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これは、3年ぶりの東京おもちゃショーで、以下のようなSDGsのジェンダー平等に配慮した玩具の出品が広がって来たという記事です。

❶パイロットコーポレーション
男の子の赤ちゃん人形「あっちゃん」
 ⇒男の子でも人形遊びをしやすいように意識

❷タカラトミー
ベイゴマ型玩具「ベイブレード」に「ハローキティ」を公式アンバサダーとして起用
 ⇒新たなファン開拓

ミニカー「トミカ」にディズニーのキャラクターを車体デザインで表現した「ディズニーモータース」を販売

❸日本おもちゃ大賞
昨年から「ボーイズ・トイ」、「ガールズ・トイ」の部門分けを廃止

【コメント】
各玩具メーカーももともとはSDGsの「ジェンダー平等」を意識した商品の開発を開始したようですが、その結果、新たな需要の拡大にも繋がっているような気がします。

このように、子供の頃から、ジェンダー平等を意識した玩具で遊ぶことは、非常に重要なのではないかとも思いました。


5.さいごに

残念ながら、日本のジェンダー平等は、過去何十年も停滞して来ました。

一方、今日の記事を見ていると、少しずつ、ジェンダー平等に対する具体的な動きが出て来ていることがわかりました。

ただ、政府の動きは、非常に鈍いというのも改めて感じました。

その反面、多分、現状認識は十二分にできているようです。

それじゃ、どう変革するのか?

令和の時代になって、やっと「もはや昭和ではない」と言っているだけでなく、目に見える動きを期待したいと思いました。


【引用、参照website】
◆内閣府 男女共同参画局 website: 「男女共同参画社会」って何だろう?


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