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本日の日経新聞記事を読んで、働き方改革について改めて考えてみた

今日の日経新聞朝刊のトップは、働き方改革に関するものでした。

昨今、一気にテレワークの普及が進み、働き方改革が一気に進んでいるかの錯覚を持っていましたが、改めて「働き方改革」とは何かを考えてみると、課題が山積みであることがわかりました。

まずは、日経新聞記事を紹介します。

1.日立、週休3日で給与維持

◆日立、週休3日で給与維持 生産性向上へ働き方改革 時間から成果へ転換【日本経済新聞2022.4.12朝刊】

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日立製作所は給与を減らさずに週休3日にできる新しい勤務制度を導入するようです。

この見出し(週休3日で給与維持)だけ見ると、総労働時間は短くなり、これは大変革だと思いました。

しかしながら記事を読むと、この日立の週休3日は勤務日の労働時間を増やすことで、総労働時間も賃金も維持するとのことです。

この取り組みは、記事にも書いている通り、働き方を柔軟に選択できるようにすることで多様な人材を取り込み、従業員の意欲などを高めて生産性を引き上げる結果に繋がるようです。

日経新聞 総合2面の[きょうのことば]に書いてある通り、

週休3日制が普及するカギは、どうやら賃金のようです。

勤務日数の減少に合わせて収入が減る場合、週休3日制を利用したくないと言う人が8割近くになるという調査が出ていました。

◆[きょうのことば] 週休3日 賃金維持型、欧州で模索【日本経済新聞2022.4.12朝刊】

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【コメント】

私は、日本の企業が世界の企業と競争していく上では、今回の日立の施策を含め、これまで以上の働き方改革の推進が必要だと思っています。

なぜならば、今や人材も世界レベルで採用しなければ、世界の競合には太刀打ちできなくなって来ています。

そんな時、日本企業の就労体制を見た時、働き方に関して先進的な欧米の人材は、日本企業に入りたいと思うでしょうか。

今回の日立の事例は、働き方の多様性を一歩進める上には非常に重要な一歩ですが、もう一歩、時間も短縮してなおかつ週休3日制に挑戦して欲しいと思います。

欧州では、既に総労働時間を減らしつつ、賃金を維持する週休3日制が模索されているようなので、日本企業もうかうかしてられないと思います。

その真の週休3日制を導入するには、やはりDXでの根本的な変革が必要になってくると考えます。

2.働き方改革が始まった理由

ここで、一度、「働き方改革」について、整理したいと思います。

まず、働き方改革はなぜ、始まったのでしょうか。

理由は3つ挙げられるようです。

2-1)労働者不足

日本の人口が減少していることも遠因ですが、特に中小企業を中心に長時間労働の問題があり、労働者が働きたいと思えない労働環境になっている点があります。

また、少子高齢化による生産年齢人口の減少も挙げられます。

2-2)出生率の低下

働きながら育児をすることが難しい労働環境が出生率低下の一つの原因になっています。

2020年の出生率は1.34と5年連続低下しており、2020年1億2,700万人、2030年1億1,520万人、2050年9,520万人と急激な減少が予想されています。

さらには、育児・介護との両立が難しいといった労働問題も最近出て来ているようです。

2-3)労働生産性の低さ

日本の労働生産性は諸外国と比べて低く、G7(アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・日本・カナダ・イタリア)のうちで最下位のようです。

この生産性の低さを根本的に変革しないと国際社会で日本が再び輝くのは非常に難しいのではないかと思います。

2-4)働き方改革は必須

「働き方改革」とは、労働者が自身のワーク・ライフ・バランスに合わせた働き方ができる社会を実現する取り組みのことです。

人口減少と高齢化により、労働人口がますます減少して行く日本では、高齢者および女性を含めた「一億総活躍社会」の実現を目指さなければならない状況になっています。

これらの状況に対応するために、政府も2018年に働き方改革関連法を成立させ、2019年4月より順次施行が始まっています。

3.働き方改革の目的と対応

働き方改革の目的は、労働環境を大きく見直し、全ての人にとって働きやすい社会を作り、労働人口を増やして生産性を上げることです。

そのための方策として、以下の3つが挙げられます。

3-1)労働力を増やすために柔軟な働き方を推進

高齢者でも働き続けられる制度(例:週休3日制の導入)や出産・育児によってキャリアを途切れさせない制度、副業・兼業もしやすい環境整備等が必要です。

また、働きながらでも子育てがしやすい労働環境にするため、テレワーク(在宅勤務)を取り入れたり、短時間勤務制度やフレックスタイム制度の導入等での育児と仕事の両立が必要です。

テレワークについては、最近、オフィスワーカーでは一般的になって来ましたが、今後は、DX等を活用して、工場勤務者でもテレワークできるようになるといいなと強く思います。

3-2)長時間労働の是正

長時間労働は、生産効率も低くなり、なおかつ健康リスクも高くなります。

長時間労働の是正のために、例えば、有給休暇の取得率を上げる仕組みや定時退社日の設定、19時以降の就業禁止等の施策があります。

長時間労働を是正するには、経営トップや人事部の推進に対する強力な意志がないと、うまく進んで行きません。

例えば、不要な会議を集約するとか、会議の時間制限をするとか、まずはある程度強制的な推進が必要です。

3-3)雇用形態の違いによる格差の是正

同じ仕事をしているのに雇用形態の違いにより賃金が低かったり、食堂、更衣室等の利用を制限したりと言う格差をなくしていく取り組みも、働き方改革の一つになっています。

4.まとめ

❶日経新聞の「日立、週休3日で給与維持」の記事から、働き方改革について改めてまとめてみました。

❷大局的には日本の国際競争力の強化、個々にはワーク・ライフ・バランスによる人間らしい生活があります。

❸日本の今後の人口動態、最近の国際競争力の低下等を鑑みると、「働き方改革」は改めて必須だと思いました。

❹これまでにも各企業は働き方改革を推進していると思いますが、グローバルの視野に立ち、今後も引き続き、働き方改革をさらに推進していく必要があります。

❺そのためにも、SDGsやDXをうまく絡めて、企業の変革に繋げる方策が必須となってくると改めて思いました。

【引用・参照website】

◆WorkVision:働き方改革が始まった背景3つや問題点を解説!メリットやデメリットは?

◆おかんの給湯室:なぜ働き方改革が必要?目的と背景にある日本企業の課題まで解説


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